148Dead『世界を救う生贄』
アンジェリスは
(てか! 生贄って!! そんな流れなんて話のどこにも載ってないじゃない! 言ってた事と言えば私の元へと連れてこいじゃなかったっけ!!)
とその村人の捉え方に頭を抱える。
俊敏性犬は
「グルルルルル」
と唸っているがアンジェリスは気づいて
「今は黙りなさい……望を助けたいならば」
と言った。
俊敏性犬は
「クウウン」
と心配そうに望を見ている。
アンジェリスは
「取り敢えず今から生贄になるのかを様子を見ておかないと……いきなり計画も無しで飛び出すと殺される可能性もある」
と慎重に動くことにした。
望は
「いやああ、えー……うん! その! 素晴らしいな!」
と話すが、
(言いたいことが纏まらない上に、話のほとんどを聞いていなかったので、取り敢えず素晴らしいの言葉を言えば何とかなると思い言ってみたが……)
と考える。
大司教は
「そうです、レーダーバー様は素晴らしいのです……そして、神の救いを求めるには純真な心が必要なのです、その者を生贄にすることにより神は本来の力を取り戻すのでしょう!」
と言った。
アンジェリスは
(なるほど……物語の中にこの村人たち自身の脚色が入ったのね、だから私自身が考えていることと合わなかった為、変に感じた……そういう訳か……だけど純真な心のイメージはまだ私の思考の範疇から離れてないみたい……ならそれを突けば望を回収出来るかも)
と考えた。
大司教は
「生贄の儀式は明日行います……その為に私達が用意した場所で過ごして貰います」
と言った。
望は
「うむ、そうだな……明日……世界が救われるのだな」
と感傷に浸っていた。
望の心の中では
(明日……死ねるんだな……)
という思考があった。
アンジェリスは
「明日……か……取り敢えず今ここで言っても望に排除されるだろうし過ごしている場所に侵入して望を回収する手もあるな……もしダメならば望が縛られて動けないところを狙って村人達を説得するという作戦に切り替える、説得出来なくても俊敏性犬に望の縄を切らして無理矢理連れて逃げる……その方法を考えた方がいいかも」
とボソっと言って作戦を練っていた。
そして
「では、部屋へと案内します」
と言って望は連れていかれた。
アンジェリスは
「取り敢えず部屋がどこなのかを確認しておかないと……そして、入れる場所があるかもどうか」
と俊敏性犬と一緒に静かに望を着けた。
そして
「ここで今日は過ごしなさい」
と言われてドアを閉められた。
望は鉄格子に囲まれてとても景色の良い場所に入っていた。
望は
「うむ、落ち着く」
と言って横たわった。
アンジェリスは
「いや! あんたそれでいいの!! 完全に動物を閉じ込める檻じゃない!!」
と言った。
それを聞いて望は
「おお、アンジェリス、どうした? うらやましいのか? どうせ俺の計画に気付いて着けてきたんだろ? 眠れないのか? 俺が一緒に寝てやろうか? それとも朝まで寝かせないぜコースが良いかい?」
と優しい表情で言った。
アンジェリスは
「え、キモ」
と一言つぶやいた。
望は
「なんだよ!! せっかく気を使っていったのに!!」
と言った。
アンジェリスは
「それで気を使っているのならばあなたの思考回路はもう少し修正するべきよ」
と言った。
望は
「まあいい、お前は俺を連れ戻しに来たんだろうが俺はここで生贄になる! 世界の為だもんな!! 仕方ないよな! お前も世界の為に行動してたじゃないか!! ならば反対する道理はなかろう!!」
と言った。
アンジェリスは
「何? これ乗った方がいいの? 乗らないとダメ?」
と聞くと望は
「せっかくだから乗って」
と言った。
アンジェリスは仕方なさそうに
「ええそうよ! 私も世界の為に行動していたわ! でもね! 貴方の思い通りになる世界なんて真っ平ごめんよ!!」
と言った。
望は
「何を……言ってるんだ……」
と震えながら言った。
アンジェリスは
「私は世界が救われるより貴方の計画を踏み躙る事が大切だと言っているの!!」
と言った。
望は
「本気で……言ってるのか……」
と聞くとアンジェリスは
「ええ、本気よ」
と言った。
望はプルプル震えながら
「もおおいい!! お前の顔なんぞ見たくもない! 早くこの場から立ち去れえええ!!」
と言った。
アンジェリスは
「そうさせて貰うわ! でもね! きっと貴方の計画は台無しにして見せるわ!」
と言った。
望は
「出来るものならやってみろ」
と言った。
そして二人は別れた。
望はアンジェリスが去った後
「おそらくあいつ……生贄の儀式のときに何か企んでいるな……おそらく俊敏性犬はいる……村人が気を取られているときに俺を回収するつもりか? フン! 見え見えなんだよ! そして村人達が俺を生贄にしないとでも! もう遅い!! 俺はやっと死ねる! アハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
と余裕ぶった。
アンジェリスは
「さてと……踏み躙るために説得の言葉でも考えるか」
と計画を緻密に練った。




