145Dead『救世主』
望は
「良し……ここまで離せばもう安心だ……」
と一息ついた。
そして
「よっしゃああああ!! あいつらから脱走出来たぞおおおおお!!」
と喜んだ。
望はガッツポーズをしながら
(前々から思ってたんだよなああ!! あいつらがいるから俺のゾンビ計画もしくは死ぬ計画が上手くいかないんじゃないかって!! だって最初のミスもレベッカさんが来た事が切っ掛けなんだもん!! それから俺はあいつらに会ってすべての計画を失敗してきた!! 俺を制御しているつもりだったろうが残念だったなあああ!! アンジェリス! 音無先輩!! 剣子後輩!! ついでに俊敏性犬!! 疲れた理由があの城での一件を持ち出し偏見を見せるあいつ等! 俺の事を前々からイカれている扱いしてた事をさすがに怒ったという理由での自然な流れ!! 完璧だ!! これで気兼ねなくゾンビ化出来るぜ!! それに今は俊敏性犬がいない!! 俺のこっそりと命令していた足止めも意外と上手くいったみたいだしな!!)
と嬉しそうにニヤつく。
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(て……考えてんだろうなあ……)
とアンジェリスは俊敏性犬が追いながら考えていた。
「和子達にはアイコンタクトを取ってレベッカさんとアレックスさんに気付かれないようにしているけど……あの野郎が……まさか強行手段を取るとは……だんだん腹立ってきたな……」
と沸々と怒りが込み上がってくる。
アンジェリスにとって望の考えはすでにお見通しであった。
アンジェリスは
「取り敢えずあいつを取っ捕まえて白状させて私達の前で土下座させる……迷惑を掛けたとして……まあこっちは取り敢えず狂っているとかいっぱい言ったしこっちも少しが悪いと思うけど……」
と反省点自体はアンジェリス自身も一応は考えていた。
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和子は
「アンジェリスちゃん……大丈夫かな? (あのバカの強行手段のせいで……)」
と心配していた。
剣子は
「俊敏性犬もいるし大丈夫だ……和子だってあの子に一応は銃の扱い教えたんだろ? いざとなればそれを使えばいい、(希咲に対して動けなくなるまで体に撃ち込み無理矢理ここに連れてきて俊敏性犬に噛ませて強制再生させれば何とでもなるだろう)」
と笑顔で言った。
レベッカとアレックスは
「そうね……あの子もこの世界で成長しているわ……子ども扱いばかりするのも悪いわ」
「ああ! そうだぜ! アイツが戻ってきたらちゃんと謝ろう!」
と笑顔で言った。
二人は
((ああ、知らないって幸せだなああ……))
と考えた後
「そうだね!」
「今は仲間を信じて! 自分達のことを考えよう!」
と言った。
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望は
「だが……このことはすでにアンジェリスも気付いている頃かもしれん……距離を取ったとはいえ俊敏性犬もいる……追い付かれては計画が失敗する、その為に俺がしないといけないのはゾンビに噛まれることかここで自殺を目論むことだ……だが近くに鋭利な刃物も首を吊るロープも漏電した電柱もない、舌を噛んでみようと思ったがあの時舌を刃物で斬ってしまってもすぐには死ななかった……寧ろ死なない可能性だってある……それじゃあ痛み損だ……」
と考えた。
望は
「それにゾンビがいない……なぜだ? 皆城か? 城に向かったのか? そこを落とせば確かに詰みだがゾンビにその知能があるだろうか? やはり研究所がゾンビに指示を送っている可能性も……」
と考えた。
望は
「では城に戻る? しかしアンジェリスに鉢合わせする可能性がある……そうなると近くにいるだけで危ない……俊敏性犬がいたら俺はすぐに見つかり捕まる……」
と悩んでいた。
望は
「取り敢えず危険性がある城には戻らない……もしかしたらもう少し先にゾンビがいる可能性もある……それに賭けて進もう」
と考えて歩き出す。
そして、数分後
「あああああああ!! なんということだあああああああああああ!!」
と一人の男が嬉しそうに望の前で跪いている。
望は
「……良きに計らえ?」
と取り敢えず言ってみた。
すると
「?? 何を言ってるんだ? あんたは頭がおかしいのか?」
と真面目な顔で言われた。
望は
(突然俺に跪いて大声で発狂するお前にだけは言われたくなかった……)
とうんざりしながら心の中でつぶやいた。
男は
「これで世界は救われる!! ああ! レーダアアアバアアアア!! 様ああああああ!! こんなあああああああ!! ああああああ!!」
と大粒の涙を流しながら大喜びする。
望は
「俺は救世主じゃありません!! そんなにれー何とかさんに様付けするならば! もうその子にお願いしなさい!」
と言った。
すると男はキョトンとして
「は? 何を言ってるんだ? お前は救世主じゃない……レーダーバー様が救世主だ……何を当たり前なことを言ってるんだ?」
と言い返された。
望は
「ああ……そうか……話が通じないんじゃない……ちょっとヤバめの宗教の人だ……」
とボソっと言った。




