130Dead『新人類達』
兵士達は望達が城を出たことを伝えに言った。
「隊長!! 報告です! 無事希咲さんを城から出すことが出来ました!!」
と聞いた隊長は
「それは良かった! あの人のおかげで我々は自由を得た!! 今こそその道に従う時だあああ!! これで希咲さんの目的が達成された!」
と言って喜んだ。
しかし、兵士達は
「いやあ……それがですね……希咲さんは本当はゾンビになること自体が目的だったみたいです……」
「それで我々と一緒にゾンビとして貴族達を巻き添いにするつもりだったみたいで……すっごい萎えていました……」
と報告した。
それを聞いて隊長は
「うん!? 何だと!! そう……だったのか……」
と呆然としていた。
兵士達は
「まあ、希咲さん自身も落ち込んでまいたが目は諦めていませんでした」
と言った。
隊長は
「もし次合った時希咲さんを噛んで……そうだ! 噛んで上げたら良かったのに!! そしたらゾンビになれるじゃないか!」
と言ったが兵士は
「いや、それが意識のないゾンビが良いみたいで……意識のあるゾンビとして生きるつもりはなかったみたいで……」
と言った。
それを聞いて
「そっそうなのか……だから目的とは違ったんだな……」
と言った。
そして兵士は
「それに彼自身指揮を取れるような素質はないと言ってました……でも私達をここまでしてくれたんだからそんなことないと私は思うですが……」
と言ったが隊長は
「いや、希咲さんの考えはあっている……希咲さんは我々に道を示した……しかしそれは自分がゾンビになる為に我々を利用したまでに過ぎない……私達が道を見つけることが出来たのは結果に過ぎない……それに希咲さんの作戦は我々の命をも使っていた……つまり生き残る為の戦いじゃなかったんだよ……死ぬ為の作戦と生きる為の作戦は全然違う……そのことは希咲さんもわかってたんだろうな……」
と言った。
兵士達は
「なっなるほど……確かにあの作戦は死ぬ為の作戦でしたね……生き残る為ではなく……我々の兵士の二人も斬り殺されましたし……犠牲は付き物かもしれませんが作戦自体も結構アバウトな部分が多かった……」
「確かに……どうやって相手を翻弄するかは全部我々任せだった……騎士に恐怖を与えろというのも隊長からの命令だったし……」
と納得していった。
隊長は
「だから我々は示してくれた道を自分で切り開いていくんだ……希咲さんは切っ掛けをくれただけだ、いづれこうなるだろう予定だったんだ……それが早まっただけだ」
と言った。
兵士達は
「では!」
「騎士共を皆殺しにして姫君や妹気味、従者や貴族令嬢共を……ぐへへへへ」
と卑猥に兵士達は笑った。
それを聞いて隊長は
「……ああ……そうだな……」
と歯切れが悪く頷く。
それを見て兵士は
「隊長?」
「どうしました?」
と心配そうに聞くと隊長は
「いや、何でもない」
と言った。
だが隊長の頭の中には疑問が渦巻いていた。
(本当の騎士共を殺して姫共や貴族の令嬢共を蹂躙していいのか……我々はそれで……いいのか……)
と悩んでいた。
だが、隊長は
「楽しむのはいいがまずは追い詰めるんだ……まずはそれを行ってからだ!」
と言って兵士達は
「「ハ!!」」
と言って付き従った。
----------------------------------------------------------------------------------
セリスターは奮闘していた。
押し寄せるゾンビ化した兵士達に
「グラアアアアア!!」
「うがあああああああ!!」
と襲ってくるゾンビ兵士達
それを捉えてセリスターは剣を華麗に振るう。
ブシャアアア!
ゴシャ!!
「だぶ!」
「ダアブガ!!」
と兵士達は首を飛ばされて倒れた。
その間に
「皆! 逃げろ! 今のうちに!」
と言って他の騎士達は
「ウアアアアアア!!」
「死にたくない死ぬたくない!」
「いやだいやだいやだああああ!!」
と情けなく悲鳴を上げながら逃げて行った。
ラダーは
「ずびばぜん……ぜりずだーざま……」
と涙を流しながら腕を押さえていた。
セリスターは
「気にするなラダー、お前は良くやった……お前すぐに姫と同じく治療を受けるんだ!!」
と言って騎士の二人に担がれて行った。
セリスターは
「フン、ゾンビ共が……この私が断罪する!」
と向かってくるゾンビに向き合った。
すると先ほど首を飛ばされたゾンビ兵士の首を一人のゾンビ兵士が持ってきた。
そして
「ハハハハ! 死んだと思ったか!! ゾンビの体は素晴らしいな!! これぞまさに新人類だと思わないか! 我々はもうすでに貴様等よりも上位の生物よ! 敬え! 平伏せ! 全てを我々に捧げよ!」
と首のまま言った。
セリスターは
「フン、卑しい化け物共め! 貴様等下げる頭などない! 何が新人類だ! 貴様等はもうすでに人間ではないのだ!! 人間を語るでない!」
と言った。
それを聞いて首ゾンビ兵士は
「ハ! 最初っから俺等のことを人間とは思わずそこらの虫けら程度にしか見ていなかった癖に! 何を今更! それに! 虫けら扱いより化け物扱いの方が心地良いぜ! 化け物は上位生物の特権だからな!」
と笑った。
セリスターは
「フン、借り物の力で私の剣を容易く見切れると思うな!! 人間とは研鑽を繰り返して成長するから人間なのだ!!」
と言った。
ゾンビ兵士達は
「ハハハ! 馬鹿め! これもまた成長だろうが! 自分の基準のみで人間を語るな! 下等生物が!」
と言った。
そして
「待たせたな!」
「隊長! 希咲さんは!」
「ちゃんと逃げたぞ!」
と言って兵士達は
「良かった!」
「ありがとう! 希咲さん!」
「あなたのおかげです!」
と皆喜んでいた。
セリスターは
「あんな狂人を尊敬するとはつくづく化け物共だ! 貴様等は!」
と言って踏み込み剣を突き立てて
ズサアア!!
と首だけのゾンビ兵士の脳天に差し込んだ。
すると
「スゲエエエエエエエエ!!! スゲええいてええけどおおおおおおおおお! 全っ然死なねえええええええ!! 痛覚から響き渡る痛みが心地良いぐらいだあああああああ!!」
と大喜びした。
するとセリスターは
「なぜだ! なぜ死なない! 頭と体を引き離してしまえば死ぬはずなのになぜだ!」
と悔しそうに言った。
ゾンビ兵士達は
「だから新人類と言っただろうが!!」
「俺達は不死身なんだよ! 不死身!」
「何度言ったら分かんだよ!」
と怒鳴る。
セリスターは
「だ! だが足止めにはなる! 貴様等! ここを通れると思うなよ!」
と言った。
すると後ろから
「ウシャアアアアアア!!」
と言って剣を抜いたゾンビ兵士が襲ってきた。
セリスターは
「フン、殺したければ……黙って掛かってこい」
と言って後ろにいるゾンビ兵士の腹に剣を刺した。
すると
ガシ!!
と差し込んだ剣を掴まれた。
「しま!!」
そのまま剣を引き抜こうとするが全くビクともしない。
それを見て
「その為に大声で襲ったんだよおおおおおおお!!」
と煽るように腹を刺されたゾンビ兵士は言った。
セリスターの前には大量のゾンビ兵士達がいる。
そして、隊長は
「覚悟を……」
と言って剣を一斉に抜いて
「「「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」」」」」」」」」」」」」
と声を上げて刺しに行った。
グサッグサアアアア!! ザグウウウウウウウ!!
「ああ……あああああ……」
セリスターは絶望した。




