120Dead『決闘開始:狂気』
望は
「おいおいおい!! 体調不良でなんでそんなに無理をするんだ? まだ戦うのかい?」
と聞いた。
セリスターは
「ぐう……」
と悔しそうにする。
そんな中
(この希咲という男……私のことを全く意識していない……でも振りほどこうとしても私では彼の筋力に敵わない……)
と考えていた。
人質に取られた際も逃げようと暴れたが全く望の筋力に勝てなかった。
当然であった。
姫は何もかもを任せていたが、望は戦ったわけではないが家の手伝いや荷物持ちぐらいの役には立っていた。
そのため、他の者より筋力はないがある程度の筋力はあった。
贅沢に慣れ親しんだ姫とはさすがに違っていた。
そのため
(私に出来ることは!)
と考えて自分の首に回している望の腕を
ガブ!!
と噛み付いた。
そんな様子を見ていた5人は
「!! 望のうでに噛み付いた!! さすがに離す!!」
とレベッカが言った。
だがアンジェリスは
「無駄ね、望の痛みにかなり慣れている」
と言った。
剣子は
「確かに、私が木刀で殴って手の骨を折ったり和子の銃に撃たれたり俊敏性犬に噛まれたりといろいろな目にあっていた」
「それに希咲君の変態性を持てば……」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「何それ……希咲の奴ゾンビやクリーチャーより厄介になってない……」
と言った。
案の定望は
「いやん! 姫さまったら! おいたが過ぎますよ!! 腕にキスだなんて! ハ! まさかこれはお返しを待っているのかい!! そうなんだね!! なーんだよ! それなら言ってくれればいいのに!!」
と嬉しそうにする。
それを聞いてラザーナ姫は
「ヒイ!」
と少し悲鳴を上げた。
そして望は
「では! お返しのキスを!」
と言って
「ウーム、だがここからじゃ腕にキスは難しいな……!! そうか! 腕には無理でも頬には出来るんじゃああああ!!」
と言って頬を見て望は顔を赤らめて
「ううう!!」
と言って口を窄めてラザーナ姫の頬に口を近づける。
そして、キスをした。
ラザーナ姫は
「いやああああああ……いやあああああああ」
と涙を流しながら呻いた。
それを見てセリスターは
「希咲いいいいいいいいいいいいいい!! 貴様ああああああああああああ!! よくもおおおおおおおおおおおおおおお!!」
と怒りを口に出した。
しかし望は
「おやああ? 嫉妬かい? 醜いな、男の嫉妬は醜い」
と言って再びキスを続ける。
セリスターは
(糞! あの野郎がああああ!! 許せない!! だが今なら!! 今ならあいつを殺す事が出来るかもしれない!! あいつは今私の方を見ていない!! それにあいつが持っているのは手榴弾! そんなものを本当に作動させるはずがない!! この隙をついてラザーナ姫を救って見せる!)
と考えていた。
それを見ていた5人は
「そうか! 確かに希咲でも本当に手榴弾を作動させることはない! そして今姫に夢中になっている間に希咲を気絶させるのね!」
「それなら姫を助ける事は出来るな! そして次こそ何のイカサマもない正々堂々の勝負に持ち込む事が出来る!」
と言った。
レベッカとアレックスは望がとんでもないことをしでかしていることを知ってとにかく手榴弾で自殺しないようにと祈っていた。
そんな中3人は
(いや! むしろまずい!! これは!)
(希咲の思う壺だ! これじゃあ!)
(このままだと希咲は自殺を!!)
と少し焦った。
そして
「あれ? なんで元気出ちゃった? まだやるの?」
と言って
ピン!!
と何かが抜ける音がした。
セリスターは
「……は……」
としか言えなかった。
ラザーナ姫は
「まっまさか……そんな……あなた……あなた何をして……」
と顔を蒼白させる。
兵士も騎士も唖然としていた。
レベッカとアレックスは
「う……嘘でしょ……」
「あの野郎……やりやがった……」
(((遅かったか……)))
と和子、アンジェリス、剣子は頭を抱えた。
望の持っていた手榴弾の栓は抜かれていた。
今は安全レバーを握っているため爆発はしない、
だが望の気分次第で爆発をしラザーナ姫の命は今なお危うくなった。
それを見てセリーナは
「いやあ……いやああああ……止めてえええ……」
と涙を流し体を震わせていた。
ラザーナ姫は
「あなた……狂ってるわ……」
と言った。
それを聞いて望は
「えええ!! そんなこと初めていわれたんだけど!!」
と言った。
その声はさすがに5人に聞こえて
「え? 言ったことなかったけ?」
「……ドっどうだろう」
「レリア叔父さんの前では言ったけど……」
「だがその時希咲はいなかったし……」
「だからか……」
と少し納得して、
「「「「「いや! 今はそんな場合じゃない!!」」」」」
と5人は慌てた。




