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死ネタ不可避の推しを生き延びさせるために、転生モブは全力を尽くします!  作者: ちまはは


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24-推しのための「お取り寄せ」

 

 俺の、「一緒に会いに行こう」に、目を輝かせたディートリヒ。


 ――でも。そう上手くはいかなかった。残念。


 忙しすぎるんだよ。第二師団補佐。

 スケジュール、ギッチギチ過ぎてて、当分の間、同行者の誰とも予定が合わない。


 シエルに面会するなら、医師であるモロー先生は同行必須だ。父親といえど、物心ついてからほぼ初対面の人間だからね。

 モロー先生、腕利きだから、いろんなお屋敷への往診予定がみっちりで、ジュールさんのお兄さんに代診してもらったとしても、次にシエルに会えるのは翌週以降。

 モロー先生の往診時間は当然昼間限定だし、ディートリヒは、合間を縫ったとしても、今まで夜しか屋敷に戻れてないんだから、お察しだ。


 ディートリヒの、期待した直後のガッカリが大きかった。

 もう、垂れ下がった大型犬の耳としっぽの幻影が見えたよね。ちょっと笑う。


 で、俺的に最大の収穫!

 シエルに定期的に会える権限ゲットしました!

 拍手ーっ!パチパチパチ…。


 なんせ、シュタール子爵家当主の許可ですからね。奥方が多少ゴネても、無視しちゃえる!

 念のため、一筆頂いて頂きました。

 ムフフフ、無敵のアイテムを手にしましたよ。


 名目としては、忙しい第二師団補佐の代わりに、ご子息のお話相手兼、様子を確認して報告する役目です。

「新型魔力測定器試験運用」は、騎士団で週イチから月イチくらいで継続的に何度も行われる予定なので、そこに同行しつつ、協力頂くシュタール補佐に都度報告、という寸法。


 モロー先生の方は、ジュールさんが週イチ定期往診の同行許可取ってくれるって。さすジュ。


 シエルとディートリヒの両方に定期的に会って、信頼を積み重ねていけば、いろいろ出来ること増やせそう。

 「シエルくんのお誕生日をみんなで祝おう計画(プロジェクト)」、一歩前進です。やったね!




 **********




 そして、計画(プロジェクト)の二歩目。


 騎士団訪問の翌々日。


 テテーン。

 冒険者ギルドのヴェルナリア王国王都シュタインブルク支部にやってきましたー!

 そう、支部。冒険者ギルドは世界規模だから王都といえど、ギルド支部、なんだよね。こういうのゲーマーの地味好きポイント。

 そういや、本部って、どこだっけな?ちょっと、すぐに出てこない。まあ、いいや。

 それよりも。


 (見たことある内装だー。)


【二周目】で、学園に通いながら腕を磨くために主人公が通ったギルド。

 見覚えしかないな。アガる。


「レイン君が楽しそうでなによりです。」


 今日も案内役ジュールさんが、俺を生温かい目で見守ってくれてます。

 王都はゲーム記憶でマッピング済みだけど、一応ね。保護者代わりに。

 あと、直接言われてないけど、兼監視役、かな?俺、野放しにすると何かやらかすと思われてるみたいです。…ヲタクの(へき)だからねー。聖地にコーフンしちゃうと否定しきれないな、申し訳ない。


「冒険者ギルドに来たのって、初めてなんですか?」

「あー、隣街のギルドには、何度か。『石』売りとか。」

「じゃ、冒険者登録は、もう済んでるんですね?」

「まだ、見習いですけどね。」


 冒険者は身体張る危険な職業だからね。登録しても、未成年のうちは、基本、見習い扱いだ。

 この世界の成人年齢は、15歳。

 それまで、ひとりで受けられる依頼は街なかだけだし、簡単な採取や小魔物の討伐でも身を守れるのが前提で、外に出て良いのは同行者にベテラン冒険者がいる時だけだ。

 見習いが取れても、討伐やらで経験を積まなきゃならないから、ベテラン冒険者と呼ばれるまで、結構年数がかかるのが常識。

 ちなみに、この世界に冒険者ランクは無くて、『二つ名』で呼ばれるのが一流冒険者になった証だ。


 ちなみに、ウチの村は、子供=見習いで、大人はベテラン冒険者しかいない。同行付き見習い期間の魔獣討伐も、昇格したとたんに加算されるからね。王都周辺と場数が違う。

 カイなんか、「見習い」取れた瞬間に超級のエース冒険者扱いになる。『二つ名』 持ち確実。即戦力。

 うん、やっぱりウチの村は非常識。


「今更ですけど、冒険者ギルドに何の用が?」


 ジュールさんからの、素朴な疑問。


「村に置いたまんまの荷物、取り寄せたくて。」

「冒険者ギルドじゃなくても、連絡出来ますよ?」


 そう。それはそう。なんだけど。


「ギルド経由にしないと、荷物の安全、保証してもらえないから。」

「…何を取り寄せようとしてるんです?」

「自分の着替えとかー、研究資料とかー、あと、いろいろー。」

「…ちなみに、研究資料に含まれる内容は紙以外の何があるか聞いておいても?」


 …ちっ、さすがシゴデキなジュールさん。勘がいいな。


「辺境の植物と種と、小動物の骨格標本と、あと、『石』?」

「レイン君、それ…っ」


 ジュールさんが絶句した。やっぱりね。気づくよね。


「えっと、ちょーっと、大きめのヤツ。」


 てへぺろ。


「…あとで、ちゃんとお話をしましょうね。」


 くっそ、やっぱ俺じゃごまかせるほどの可愛さは出せないか。


「さっさと、窓口行って手続きしましょうか。レイン君。」

「はーい。」


 おとなしくしとこーっと。



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