表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ネタ不可避の推しを生き延びさせるために、転生モブは全力を尽くします!  作者: ちまはは


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/40

18-好奇心という名の種

 

 いい質問もらいました!


「花や草にも魔力は含まれています。いろいろ計測した結果、それがわかりました。」

「これで、花のまりょくをはかってみてもいいですか?」


 めちゃいい笑顔で聞かれた。かわいい。

 でもなぁ。


「残念ながら、この魔力観測機では、花の魔力は測れません。」

「…。」

「まったく測れないというわけではありませんが、針が一瞬動くか動かないか、くらいの少しの反応しか出ないのではないかと思います。」


 シエルの眉が下がった。あー、ごめんなぁ。


「花に含まれる魔力は弱すぎて、この魔力観測機では反応しないんです。」

「では、どのくらいのまりょくなら、はかれるのですか?」

「この魔力観測機の基準点、比べるための元々の位置を決めるのが、さらに小さめの石なので。」


 クズ石を摘まみ上げる。


「その石より弱い魔力には、なかなか反応してくれないんです。」

「まじゅうかくじゃないものは、かんそくきにつかわないのですか?」


 うわ、やっぱり、この子賢い。そこに気づくんだ。さすが、推し。天才。


「使えないことはないですが、魔獣核以外のものを使うと、計測結果が安定しません。えーと、長さを測るための紐の端っこを押さえる力が弱いと、紐がスポっと抜けたりして、結果がわからなくなったりするでしょ?」


 一定の魔力濃度が長い期間保たれること。が、機器の基準点として使える最低条件だからね。

 もっと言うと、石の純度の問題だと思うんだよね。再利用クズ石だと、壊れないギリギリで止められれば、同じ質を保てるわけだし。


「これは、安定した石を使うことで、人のもつ魔力以外のいろんな魔力まで、比べて測ることが出来るんです。」

「なるほど。魔石や魔獣核には、人と違って熱がありませんからなぁ。今までの熱を測る方式の魔力計測器では出来なかったことが。ということですな。」

「はい、基準点を作ることで、魔力だけを、目で見てわかるようにしたんです。」


 モロー先生から、ナイスパス。

 そう、魔石や魔獣核って、触っただけだと熱を感じないんだよね。

 なのに、安定した状態で魔力を内包しているし、意識して触ると、魔力を石と人の間で移動させたりもできる。ホント不思議。


「つまり、魔力はいろんなところに当たり前にあるということが、この魔力観測機でわかるし、ついでに今までより、魔力を精確に知ることができます。」


 伝わったかな?魔力は怖くないってこと。


 シエルが、うつむく。


「石や、花や木や、いろんなものに、まりょくがあるんですね。」

「はい。」

「どうぶつにも、」

「はい。」


「わたしにも。」


 少しだけ不安そうな声。


「もちろん、シエル様にもあります。」


 モロー先生が少し緊張したのがわかる。

 シエルは観測機を見つめている。


「わたしのまりょくは、よくないものだと、おもっていました。」


 誰かに言われたのだろうか。

 俺は、首を振って答えた。


「魔力は魔力、ですよ。」

「…。」

「火は火だし、水は水です。」


 シエルが黙る。


「大きな火は家も燃やします。たくさんの水は家を押し流します。」

「…。」

「でも、火も水も、上手く使えば、美味しい料理を作れます。」

「…。」

「火や水、そのものが悪いわけじゃないです。」

「…。」

「知らないと危ない。だから知るんです。」


 俺は、魔力観測機を軽く撫でる。


「そのために、これを作りました。」

「こわくないように?」


 シエルの視線が魔力観測機へ落ちる。

 俺は、魔力観測機を軽く振ってみせる。


「見えないものって怖いじゃないですか。」


 前世でもそうだった。


 見えない悪意。

 見えない菌。

 見えない放射線。


 怖いのは、いつだって制御できない『なにか』だ。


「だから、見えるようにしたかったんです。」

「見えれば。」


 ぽつり。


「こわくなくなるのでしょうか。」


 完全に怖くなくなるかは知らない。

 でも、正体不明の怪物と戦うよりはずっといい。

 敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。だったかな?


 シエルが、小さな、でもしっかりした声で言った。


「わたしも、しりたいです。…わたしのことを。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ