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死ネタ不可避の推しを生き延びさせるために、転生モブは全力を尽くします!  作者: ちまはは


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19/40

17-見えないものを、見てみよう

 

 推しに会うのに気を取られて、自分の「お仕事」忘れてた、とんだ浮かれポンチ野郎はどこのどいつだい?

 …この俺だよ!


 もー、何しに王都に来たんですか、ってハナシだ。

 自分で内心盛大なツッコミを入れつつ、何でもないような表情だけはキープしたよね。必死に。




 **********




「それは何をするものなのですか」


 ゴソゴソ取り出した魔力観測機に、興味津々なシエル。目がキラキラ。かわいい。


「魔力観測機、といいます。」

「まりょく…。」


 あ、ちょっと表情が曇っちゃった。やっぱり、自分の魔力がコントロール出来て無いのが、コンプレックスなんだな。

 魔力、って言葉に過剰にマイナスイメージがついちゃってる。


「えーっと、魔力測定器に近いんですけど、ちょっと違います。」

「どこがちがうのですか?」

「私も興味があります。」


 おぅ。モロー先生も釣れちゃったよ。

 そりゃ、魔力暴走の患者抱えてたら、興味持つよね。てか、モロー先生みたいな人にこそ、コレを使いこなせるようになってもらいたい。

 シエルのために。

 プレゼン開始です。


「魔力測定器との一番の違いは、人の魔力、だけじゃなくて、物の魔力が測れちゃうことです!」

「「「え!?」」」


 シエルとモロー先生とジュールさんの声が、キレイにハモったよ。

 てか、何でジュールさんまで驚いてるの。あなた、さんざん見てるでしょ、資料。


「レイン君、一番、ってそこなんですか?より正確に測れるってことじゃなくて?」

「ええ、そのように聞いていました。精確な計測器だと。」


 親子で同じ表情で、同じリアクション。仲いいな。


「そうですね。結果として今までのものより精確な魔力計測ができる装置です。」


 俺が、マリナさんを助けられて、王都まで呼んでもらえたのは、コイツが「より精確」なことが理由だけど。


「ですが、それだけではないんです。」

「どういうことなのですか?」


 シエルが首をかしげる。かわいい。天使。


 今日のプレゼン相手は、研究塔の大人じゃ無いので。

 メインターゲットは、ズバリ、シエルくんです!

 シエルに興味を持ってもらって、まず魔力測定の忌避感をなくすのが、最大の目的なので。


 前世の科学技術館の説明係のお兄さんに、なりきるイメージです。


「えーと、魔石や、魔獣核、ありますよね。」

「はい。」


 魔獣核の名前は、つい最近知ったばかりだけど。実物は昔から見てたし、知ってた風でいきます。ジュールさん、笑わないで!


「岩や魔獣の体内で、魔力が凝縮…、積み重なってギューッと一つのところに集まって出来たもの、です。」

「はい。」


 うなづいて聞いてくれてる。よしよし。


「人、以外でも、魔力を持っているものがあれば、その魔力を測ることができます。」


 魔力は人だけのものじゃない。

 この世にあまねく存在するもの、だ。決して、特別、なものではない。

 まず、それを知ってほしい。怖いものじゃないからね。


「例えば、この石。見てみて。キラキラでしょ?」

「わぁ、キラキラですね。」


 クズ石(加工後)を何個か掌に並べてみせる。

 小さい子って、キラキラ、好きだよね。


「これはすごく小さいですが、魔獣核、です。」

「これが、まじゅうかく…。きれいですね。」


 はい。シエルに見せるために、とっておきのキラキラ持ってきました。いろんな色を取り揃えてみましたよ。

 シエルの瞳も、負けないくらいキラキラで、俺、大満足。


「どの色が好きですか?」

「ぜんぶ、きれいです。でも、いちばんはこの青の…。」


 ちょっと恥ずかしそうに、石を指すシエル。ぎゃんかわ。

 脳内メモリーに焼き付けときます。


「この色きれいですよね。」

「はい。」


 シエルが選んだ石を、魔力観測機の上に置く。

 シエルの瞳の色より、ほんの少し濃い色。俺も、この色、好きかもしれない。


「ここ、見てください。針が動いてるの、わかりますか?」

「ほんとだ。うごいてます。」

「針の先が指す数字が、この石の持ってる魔力、ということです。」


 魔力を可視化数値化するのに、どんだけ辺境のいろんなとこやいろんな物を測りまくったことか。

 頑張ったなー、俺。頑張ったご褒美に、推しの笑顔見れてるぞ。なんて俺得。おつり来る。


「別の石を乗せてみますか?」

「はい!」


 今日イチ、シエルの元気な声。最高。


 そこからしばらくは、石の魔力を測る遊びが続いた。

 モロー先生やジュールさんまで、楽しそうに。


 しばらくして、シエルが俺を振りかえる。


「もしかして、花や草にも魔力があるのですか?」


 いい質問ですねぇ!



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