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7月 その2 達也くんへの手紙②HR合宿報告


 7月14日(火)

 

 小沼達也殿


 日々寝苦しい夜が続く中、私は部活の最中に空を見上げ、日陰を作ってくれる優しい白い雲を脇へと押しのけ、まるでガキ大将の如く輝く太陽のせいで、半ば干からびながら生き続けております。


 こんにちは、お元気ですか。

 

 キミの便りの遅いのを心配し、そういえば今度は僕の番かしらんと思い、キミに出会う小四の前年に買った万年筆を取った次第でございます。


あれからもう、六年も経つのですね。


東京の病院に通院の為、一年弱転校した浜田山小学校が懐かしいです。

通院も転校も辛かったのですが、親友となるキミに巡り合う為だったのではと、今は思えます。

 

 さてもさて、このクソ暑い中、大好きな Summer Vacation まで後五日を残すのみとなった毎日を、海水浴後のナメクジのごとく心境で暮す男にとって、今年の夏の主役は部活動なのです。(ガールフレンドと書きたい!)

 

 夏休みに入った途端に始まる夏期課外授業に参加し、終る日にそのまま草津の田舎へ合宿。

 

 月の終りに帰って来て、一日『銀河鉄道999』不朽の名作を見に映画館へ行く。

 

 15か16日から学校の同窓会館なる寄宿舎らしきものに三日間の合宿。


 最後の七日間はもう一回夏期授。

 (どうも、こういう風に日程を話すのはかったるい。キミもこの辺はいい加減に読むべきだ。何て事はないんだから)

 

 しばらく手紙を出さなかったもんで、色々話す事があるのだが、忘却と選別に迷っているため書けん。


 忘れていたが、明日(15日)は前述の同窓会館でHR合宿がある。

これで最も大事な事は風呂に入る事なのだそうだ。いささか不気味な気がしてきている。貞操の危険を感じている今の僕です。




 7月17日(金) 手紙のつづき

 

 昨夜、金曜パックを聞き逃し、後悔し続けた一日も終りに近づきつつあります。そもそも聞き逃した原因をお教えしますと、前述したHR合宿のせいであります。一口で言うのなら楽しく、かつ眠かったです。

細部までお伝えしたいのですが、枚数に限りがあるものですから、かいつまんでお送りいたします。(前置きのながいこと!)



 出席者は我が一の五全員と担任篠山先生と教育実習で来た大学生です。


 夕食はカレーでした。料理上手が名乗り出て、手伝いが数人、三時間の苦闘の末、味無しカレーが出来あがりました。


 その間、他の者は泳いでいました。高校のプールというものはイカレたもので、泳ぎたい者が勝手に入るという仕組みになっております。



 さて、時は流れ23時30分。

布団を敷き終えた我々は、三十数冊のエロ本を持参した二人組の所為で、それらをとっかえひっかえ読みました。もちろん、貪るように。


 それに飽きてきたので、いくつかのグループに別れました。


 エロ本熟読派

 くだらぬ話派

 トランプ派

 プラストウ先生派(英国ケンブリッジ大学からの招待講師でありまして、週一の授業を受けていたのですが、我が校を去る日が近かったもので合宿にお誘いしていて、日本語英語でお話していました)


さて、それが三時頃まで続き、いよいよ眠たさがこみあげてきました。

ここでまたグループに別れます。


 ①ぐっすり眠ります派

 ②眠りたいけど眠れない派

 ③寝かせてたまるか派

 ④更にエロ本熟読派

 ボクは不幸にして②です。


①は仕切りを用いて安眠を貪ります。

③は思いつく限りの妨害を②へし、

②は怒り泣き諦めを繰り返しました。

④は、寝たいから灯りを消してくれという、②の涙ながらの願いを無視し、 Reading。



 そして翌日の一時限目、僕も二、三分しか起きてなかったので良く分かりませんが、全員机の上にうつ伏して、我がクラスは Suimin(睡眠)school と化しておりました。

 

 その後の授業では、律儀な数学教師は出席簿を利用し、一人も寝かせず、昨夜二時まで付き合ったプラ先生は15分早く終わらせ寝かせてくれました。

 けれども、バンカラ校風を残す我が校の生徒は授業の終りに、プラ先生の最後の授業である事を忘れず、皆口々に礼を述べ、盛大な拍手をしました。


さようなら!ありがとう!

同志プラ先生!!

 

 好きですねェ、そんなところ。

 


 よって、クラスの①を除いた大半は、睡眠時間一時間で一日をすごしたのでした。






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