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6月と7月 その1 達也君への手紙①


 6月3日 23時

 

 小説を書きたい。


 内容は若者の恋愛。つまり恋に憧れる teenager のお話。Love story ほど重々しくなく、感情が何より先に突っ走る Young man の話だ。

 何故かと言うと、そんな小説を読みたいのだが、発見するのが難しく、かつ今すぐ読みたいから。




 6月7日(日) 22時46分

 

 今、武田鉄也氏のラジオを聴いていて、この人はエライと思った。

前々からこの人の事は色々好きだったけど偉大だ。尊敬する……にはちと足りないが、でも、この人を師と仰ぐ……とも違うけど、好きだ。学ぶところが多いよ、この人の言う事は。


 よし決めた。何かわからんが決めた、武田。

 



 7月1日(水) 


 小沼達也様 


 元気かい? 高校生活は順調ですか? 君の事だから、のんびりやっているんだろうな。  


 スーパーマン見たい。007見たい。期末テストが憎いよ。意地が悪いよ、学校も。日曜を挟んでテストをやるなんて。

おかげで、『だらけのSunday』を実行できないナァ。

 

 しかしまぁ、高校の授業は大変だョ。量は多いし進行は速いし、予習しないとチンプンカンプン。きつい生活のなってしまいましたワ。

 

 発表が遅れましたが、僕は進学希望のくせに、部活動に入ってしまいました。それが聞いてびっくりするなかれ。

ジャーン! 何と弓道部です! 

まあ、どうなることやら。がんばってみるよ。

                                                

Drop out しそうな男より



 7月2日(木) 0時5分

 

 近頃、時々自分の青春について考える。


 このままいつまでも学校へ通い、成績順位の上下に喜んだり悲しんだり。毎日、冗談とくだらぬ会話。帰宅してのんべんだらり、かどうかは分からぬが、音楽とお勉強。そして就寝。


 こんな想像しただけでもかったるくなる生活で、僕の青春は終わるのか。

これならまだオートバイをぶっとばして、つっぱってみた方が思い出に残るのではあるまいか。

 

 しかしこんな事をもし誰かに、例えば先生に話したとすれば、彼はまず感じ入ったように耳を傾け言うだろう。

 「それは現実を避けて通っているのではないのかネ。

 君の場合、もっと大切な事があるのではないのかネ」


 その通り。勉強嫌いの屁理屈でしかない。

僕の場合、やはりまず勉強に力を注ぎ、それが高いレベルに達した時にこんな事を考え、そして新しい素材を、青春たる証たる何かを探すのが最良なのだろう。

 

 結局、屁理屈をこねただけに終わり最初に戻った。

でもおかげで気持ちが落ち着いた。明日から期末テスト。

これからしばらく最後の悪あがきを実行しよう。




 7月3日 0時35分

 

 今日も今日とて気があっちこっちに飛び回り、ノートの方は少しも進まない。僕は小学生時代の方が、確かに真面目であった。これは面白くないが自他ともに認める事実である。 

 

 この原因を追究してみよう。

まず第一に小学生の頃は無知であった。ハッキリ言うと音楽というものを知らなかった。僕の成績低下の原因はステレオを買った事にあり、それを決定的にしたものは悲しいかな、大好きなランナウェイ(パイオニア製ラジカセ)である。現に今も我が宝は大滝泳一氏を奏でている。


 さて第二に……困った。第一が大き過ぎて、第二が出なくなってしまった。

つまり後は細かな要素の寄り集まりであると言える。あっ、ラジオもあったがこれは第一に含めよう。


 原因の追究は虚しくなるから止めにして、そのしわ寄せを考えてみよう。

 まず、こうしている事からも分かるように集中力が落ちた。昔は一日中、何度となく読んだ本でも、飽きる事なく読めた。今はいかん。十二行が限界と言えよう。あとはパラパラめくって本棚へ戻してしまう。



 あっ、もうすぐパックが始まる。

最近これすら激しく聞きたいという気が失せてしまった。丸山さんとパックについて語り合えない所為かな。それでもこの時間と running が最も充実している毎日だから、聞き逃すわけにはいかぬ。もっとも、充実して勉強する数分間にはかなわないが(あてこすり)。

 

 『恋するカレン』

大滝泳一氏はなかなか素晴らしい。サザンオールスターズも素適だ。レコードが欲しいけど、借りるのも一考ある。 

 

 パックが始まった。今日はこれでおしまい。

 



 7月11日(土) 0時3分


 何とはなしに気分が良い。どこからもプレッシャーがかかっていないからである。


 思えばその場しのぎに毎日を誤魔化しながら、高一の十六の一学期が終ってしまった。反省すべき点、改善すべき点は数多いが、ここに書き記しても余り意味があるとも思えないので止めにしておく。


 今思う事は、とっても気の合う少し可愛い女の子を連れて、映画を見に行きたい。ハッキリ言っちゃうと高一になってこればっかり思いながら、今日まで来たようなものだった。

本当にそう思う。切に思う。もどかしくて文字にならないよ。

常にそんな気持ちが胸の少し下にわだかまっているような気がする。

このわだかまりは一度も消えた事が無い。夢中になっている時でも、しっかりと張り付いている。消えるのは希望の叶った時であろう。

もう止そう。きりがない。


 

 期末テストの結果は、ま、この位で我慢せねば。というか、この程度、いやこれよりいくらか下回る程度の勉強しかしていないのだから、上出来と言えよう。国語クラス最高得点は嬉しかった。まだ、俺も負けちゃいないという気が強まった。勝負はこれからである。がんばろう。

神様ありがとうございました。



 女の子の次にしたい事は映画を見る事である。

『007』『銀河鉄道999』特に見たいのは『スーパーマンⅡ』スカッとした気分を味わいたい。夜空を飛ぶ姿を見てロマンチックな気分に浸りたい。

 

 従兄健一くんの家で見たビデオ『ルパンⅢ世 カリオストロの城』あれは名作だよ。


 大変な事に気づいてしまった。俺の文は読むとスゴク疲れる。どうしょう。これは大変。



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