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5月 その2 高校生活の目標

 

 5月20日(木) 22時45分


 参った。大変、困って失敗した。

ほんの自虐ジョーク

「オレ、体弱いネン」

が事実となってしまった。


先週の水曜日、東京に伊達の薄着で行ったばかりに熱を出して翌日サボって、金土日と高校総体。月火と学校へ行ったけど今日はまた休み。

 うんもう、メチャクチャな学生である。

 学校への欠席連絡をした母は

「電話受付の方に名前を覚えられた」

と言って嫌な顔をしていた。

オレだって好きで風邪をひいているわけじゃネエヤイ。


 しかし、ここまでくると考えものである。

 月一の東京への通院休みだけでも、学生生活において大変な負担だっつーのに、これ以上休みが増すと…… 

 OH、考えるのも怖しい。

 それに、ちょっと考え過ぎかと思うが、僕が職を持ち家庭を持っても、こう年中休んではクビになるのは必至であるし、我が家族だって困るだろう。


 よし、体を強くせねば。


だから毎日走っていたではないか!!

それが今、八日間サボり中で、原因は体が弱いからである。


 

 部活に入ったがそれ程きつくもなく、汗が出るのはランニングの最後二キロ位のものだ。これは良き大学に入ろうと考えている僕にとって、大変都合の良き事であった。

 情けない完全に押し流された考え方だ。でもそれが現実。寂しいものだ。

 


 けれど、そう考えていたら、懐かしき中学時代の恐怖のバスケ部を思い出した。


 あそこでは部の連中ともしっくりいかず、先輩との交流などは皆無で、何も良い事は無かった。部活動中は、早く練習が終る事だけを考え、ノドの渇きなどはすでに限界を通り越して水分0%、サハラ砂漠など足下にも及ばぬ位であった。


 けれど、あれ程までに体が軽く、動きが楽だった時期は無い。

 

 また、クタクタに疲れ、もう動くのは勘弁してちょうだい、という程の練習後の満足感と、これで終ったというホッとした気持ち。

 

 あんな事、もしかしたら僕の生涯では二度と無いかも知れない。

 そう思うと侘しくて悲しくて、まだ十五じゃないかと、くだらぬ事を考えている自分を笑ってみるが、ボクの場合、結構現実味を帯びているから嫌になる。


 若いぜ。ガンバロウ。




 5月22日(金) 23時46分

 

 二日休んだ後、学校へ行った。


 時間表を見ると昼過ぎから、進路対策講演会があると見つけた。その上、古文の文語動詞テストの追試まであるそうだ。全く、ただでさえ調子が悪いのに、体から精気が抜けていきそうだ。家に帰りたい衝動を抑えるのに苦労した。

 


 今日はここのところ一連の勉強の中で最も充実していた。でも真剣になっても休んでいた分はまだ追いつかないね、一日位じゃ。土日でくそみたいに勉強し、形だけでも整えて中間試験に臨もう。


 

 何につけてもガールフレンドが欲しい。虚しくててたまりません。居たら楽しいだろうな。

 一緒に映画に行って、はねたら喫茶店に入って

「ボク、コーヒー。ん? あぁモカでいいよ。キミは?」

なぁんて言いたいよ。

 このくらいの事は誰でも僕と同じ位の年で、精神的に問題がなければ考えるだろう。

 まだ、独り者の僕にはこんな時間が最も楽しい。うん。楽しいよ。わかんだろうな、大人には。

「目をつぶって……」等々。

なーんて。生意気だぜェ。

チキショウ。何も知らんくせに。




 5月24日(日) 22時57分


 中三の頃を思い出す度に、年中怒っていた自分が浮かぶ。

つまり全てに腹が立った。常に相手は教師であったが、本当に嫌いになると一挙一動が頭にきた。相当、血圧が上がっていただろうと思う。


 中二担任菊池先生が居たのは幸いだった。あの人が居なかったら本当に腹立ちの中学時代になるところであった。

 しかしあれ程ぶっとばしたいと思った、菊池先生を好きになったのは何故かナァ。ちょっと今じゃ答えが出んナァ。

 後三十年ばかり経って、先生位の年になって、人間が丸くならんと分からんだろうな。

 

 今言わせてもらえるなら、まず、オジンばかりだった事。まずいよ、これは。マンネリ化しているから、手を抜く事ばかり覚えて、早く持ち時間が終ればいいのに、という感じが生徒に伝わってきた。本当に。


 今までならここで

「まぁ、僕の知らない努力もあったかもしれないが」

と続けるところだが、これもいい加減な感想表現である。

それは自分がこれからの人生で理解する事であって、今はもう少し腹立ち中学生の続きをやらせてもらって、文句さえ言えばいい。自分の主張さえ叩きつければ良いのだ。

と思うぜ。

 

 中一長妹の担任が若い新任先生で良かった。彼女まであんな連中の、古びた知識を教えられてたまるか。


 そう思うと、小学校の教師は非常に重要だ。先生によってその子の人生までもが左右される。

 近所の父の元下宿大家で、人生の大先輩・前原のおじさんの言う通り。

でも、そんな子供達を指導する事が、教師の最高に幸せな使命じゃないかとも思う。


 中学時代は楽しかった。

最高には程遠いし悔いも沢山残っているが、楽しかった。

 少し考え過ぎたのがマズかった。背伸びして哲学じみた事をするからだ。考えるのは良い事さ。でもそのために心をガードする事は無いじゃないか。開放する方が良いに決まっている。



 何でもクヨクヨ考えるのはよそう。

せめて悔いのいくらかを埋め合わせる程楽しもう、高校で。

 そう、この進学校でだ。

 


 僕はこれから考えの浅い男になる。ところにより。





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