表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/45

198☆年 1月 生き方の指針


 一九八☆年 1月4日(水) 1時13分

 

 「受験生に正月は無い」

と言いながら、正月気分を満喫してしまったようだ。



 

 勉強をしていた

 あと一ヶ月しかない

 大学には受かりたい

 早稲田に受からなくっちゃ


 なのに、世界史は覚えていない

 漢文が分からない

 英語はどこまでやればよいのやら

 現国は本当に出来るのか


 落ちたら浪人できるのか

 皆が受かって俺はどうなるのか

 



 またこれだ。頭の中が落ち着かない。



 ラジオをつけてみる。いつもと変わらぬ騒々しい番組が並ぶ。

 レコードを思い浮かべる。カセットテープを考えてみる。皆、適わない。 

 散歩を思いつく。外は雨が降っている。風邪を引くわけにはいかない。

 眠ろうか。昼間眠っていた。

 自堕落な一日を思う。自分を蔑む。 

 ラジオが煩い。

 


 母は僕と衝突する性格だ

 次妹は何も考えてなくて一番良い

 長妹はA型だ

 父親とは軽く話す訳にはいかぬ

 犬は言葉を持たない

 

 星は見えない

 大学は決めねばならぬ

 腰は痛い

 夜は好きだ 夜は優しい

 が、夜は陰気にさせる

 寒くなってきた。

 今日はもう4日 勉強せよ

 イライラは何処へ行くのか

 

 背中が痛い

 泣き言が言いたい

 世間は冷たい

 一人で生きるには性格が弱すぎる

 昨日寝床で考えた

 お金が欲しい

 名誉が欲しい

 健康が欲しい

 

 背中が痛い

 きっと眠れぬ事だろう

 辛い事だ

 朝は眠たくなるだろう

 嫌な事だ

 何処か弱いとすぐに「ガンバレ」何て、軽い時の事 

 ただ苦しいんだ

 いい加減にしろよ 

 助けて欲しい

 不安だけは沢山ある

 

 お前ら、いいな

 お前ら、みんな馬鹿だ

 勉強? そんなものはロボットに近い連中が得意なのだ

 

 俺が一番利口だ

 天才なんだ、俺は

 天才の俺に出来ないものなんて無い  

 お前ら、俺を笑うがいい

 本当の勝者は俺になるんだ

 なる、俺は

 




 正月三日も過ぎて、そろそろ普通に戻り出した頃。僕はこんな事を考えています。




 1月17日(火) 晴

 


 「筋力が弱まっているから、下手をすると骨を折るかもしれない」

だなんて、ここまでくると僕も本物。賞賛に価する。

 それにしても、厄介な病気だ。弊害の方が却って多かったりして。笑う気力も無い。

 

 昨日一昨日辺り、腰の痛みが酷くて参った。布団に包まって

「痛いよー」

と口に出していた。声にすれば痛くなくなるものでは無い。それでも止めなかったのは、人に分からせたいと思っているからだろう。

 

 病気をする人の人間性が良くなると言うのは、嘘だとテキストにあったが、近頃ひしひしと実感する。

 病気もせず苦労もせず、楽しい事一杯で育った人は、やはり大らかな性格を持っていて当然だ。それに対し、羨ましいと言う気持ちより、

「そいつも病気にしてやりたい」

と思う僕は、やはり卑屈になってしまった病人なのだ。

 

 「受験地獄があるならば、まさに今がその時なのだな」

と、こうして文にすると人事みたいだが、僕は十分に悩まされている。

 僕は自己管理が出来ないらしい。情けない限りである。受験する大学選びに悩んで、

「先生に相談しようかな〜」

と思って気がついた。そうだ、今年一年間面談とか、いろいろ機会はあったじゃないか。雑談して笑っていたけど、あの時相談するものだったのだな。呑気なものだ。

 

 共通一次も終わって、明暗が分かれてきています。あれをどうにかすべきだと世間は言っています。あれだけでなく、全て改めなきゃ日本の将来は暗いと思われる。誰も皆、改革を簡単に思っている。その位の事が東大出の大臣には出来ないんです。バカですね。




 1月26日(木) 晴!

 

 明日から期末テストだそうな。今更する事も無い。


 雪がジャンジャン降った。はしゃいでいるうちは良かった。日陰で凍った雪の上。踏ん張りの効かない私は、避けて通っている。

 

 高校に入って、感情が平らになった。自分を豊かに思う為に、知識が要る。ここで奮起して頑張っておこうと思う。大きな人間にならねば。

 

 看護婦と言うのは酷いものだ。あの小児病院の看護婦達が、如何に純情で可愛くて礼儀正しく優しい人達であったかが、良ーく分かった。看護婦は嫁にすべきではない。

 

 受験勉強を辛いとは思わないが、もっとゆとりがあれば、楽しむ域まで達せたのではないかと思っている。

 

 さぁ、気分も変わった。勉強する。




 1月31日(火) 雪

 

 今日で期末テストも終わったらしい。

 世の中は雪で真っ白で明るく、いいものだ。でもおかげで、すっころぶ心配をせねばならず、嫌な気分。

 明日からまた、通常授業なのだそうだ。授業とは思えない内容なのだから、いっそのこと止めちまえばいいのに。

 思えば体育は数える程しか受けなかった。受けたって、ナイーブな心が傷つくだけだったけど。しかし分からないでもないが、皆言いたい事言ってくれるよね。

「皆をぶっ殺しても、良心が痛んだりしないんじゃないかなぁ」

と真剣に思えるよ。いいさ、いいさ。


 

 大学に受かりたいな。どうしても受かりたい。実際どうなるのかね。少しは勝算はあるのでしょうか。賭けになっちまったな。

 

 疲れた。外は雪、雪。雪が『しんしんと降る』なんて誰が言い出したのだろう。


 

 僕は言葉に生きていこうか。

 それが一番合っているように思える。

 今初めて、そこまで考えついた。  

             2時



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ