11月 勉強の合間に冴える思考
11月1日(火) 晴
いよいよ今年も後二ヶ月。受験の月まで三ヶ月。押し迫って来た。
今日もまた、何となく無為に過ごしてしまった。ここへ来て何故か緊張感が無くなって、焦りにも悩まずにいる。どうした事だろうか。
一昨日ぐらいから、自分の将来を思っている。自分の仕事、具体的に言うとこの一言に尽きるのだが、その含むところの多さ、難解さは、敢えて思考を止めている。
今回の引金となったのは、テレビで野田秀樹氏作・演出の『夢の遊眠社』の舞台を見てしまった事に始まる。
興味を持続したまま最後まで夢中に見た。しかも無意識に自分をその舞台に立たせていたのである。そして終る頃には、
「俺は舞台俳優になるんだ!」
と胸を熱くしていた。
今思うと、恥ずかしいし、幼いなぁ。これもなまじ伯父さんが、僕に
「役者に向いている」
なんて言って、喜ばせるからだ。
さあ、それから自分の将来を、仕事を、悩み始めたのである。
役者になるんじゃ十年は経る。それに収入は不安定だし生活も不安だし、よしんば僕は良いとしても、家族は。それに両親の面倒も見なければ。
僕は実は、もの凄く両親には感謝をしているのだ。
よくもまぁ、これだけ面倒臭いガキを育ててくれているものだ。もう自覚が出てしまった。
だから僕は、両親には恩返しよりも、もっとずっとずっと深い大きなものを返したい。
すると、職は安定した方が良い。これが若者の永遠の悩みかね。夢と希望の挫折ってやつの。
そして、こんな素適な悩みも、受験の為にひとまず置いておくとして、ポケッと一日を過ごした。
1時
11月13日(日) 晴
プロレスごっこにゃ 混ぜては貰えぬ
思いやりだと 分かっちゃいるが
それが寂しい 常日頃
だって 私は健康体
階段昇れば 膝が震え
風呂から上がれば 前後不覚
鼻をかんだら 目眩がしたよ
だけど 私は健康体
二日学校休みゃ 手を握られ
一週間休むと 拍手が起こる
出席日数 いつもギリギリ
だから 私は健康体
「おはよ」の代わりは 「顔色悪いぞ」
ちょっと会わぬと 「生きてたか」
「久しぶりだな」 と教師に言われ
ちきしょう 私は健康体
誰に悩みがあろうとも
どんな悩みがあろうとも
笑い飛ばしてあげられる
ヒヒヒッ 私は健康体
もしも健康であったなら
自信はあるさ 大学受験
思い直してみてみても
泣ける 私は健康体
皆の前では 自虐で笑わせ
明るく 病気になってみる
「暗い」と言われりゃ 満足な
そんな 私は健康体
明るくしたいが 体は重い
話もしたいが 気分が悪い
それで「暗い」と言われたら
殺すぞ 私は健康体
チームプレイの体育の時間
足を引っ張り 睨まれる
おどけて見せる 悲しい我が身
見てろ 私は健康体
午前は怠いし 午後は疲れ
学校帰りは フラフラと
昼寝をしても 夜には眠れる
だって 私は健康体
朝はムッツリ 帰りはニコニコ
突然ブスッとなる機嫌
迷惑だろうと 家族を思う
ばかな 私は健康体
もう止める。でも割と気持ちが言えてて、誰かに見せてやりたい気もする。じゃぁ、誰に? いませんね。
我がバイブル『どくとるマンボウ青春記』をまたまた読んで、今日は甦れた。
嬉しかった。
11月30日(木) 晴
早や師走。秋冬の好きな僕。
今年は辛いな。折角のクリスマスなのに、素直に喜べないね。正月やクリスマスに、喜べないウキウキしないというのは、寂しい事のように思う。
『戦場のメリークリスマス』でもひきましょう。
「無駄な電気を使わずに、早く寝なさい」
と母。無駄に見えるんだろうな。
既に過ぎ去った人生を、もったいないと思う。
「何故あのように過してしまったのか」
と思い返せば、皆後悔の種となる。でもそれは、当然だけど、思い返してみなければ成長は無い。
取り返しのつかない昔を思い、
「あの様でなければ、今はもっと素晴らしいだろう」
と思う。
しかし過してきた人生が、一番大事だったのだろう。これから何をしても、もう身についた過去は変えられない。あの時を過ごした僕が、今後そんなに変われるとは思えない。急激な変化がある筈も無く。
だがしかし、後悔の念を抱いたまま、変化も無く生きるのは、考えただけで寒気がする。自分を顧みて後悔して考えて、それから歩き出さねば成長は出来ない。過去に戻って違う人生を、理想とする人生を歩いたとして、果して理想とする人間になったのだろうか。
だから今もまた、僕なりに努力してその時々で最善のコースを辿り、生きて来たと言えるのかもしれない。
僕はどうも魅力に乏しい人間の様だ。上手く話せない。向うから僕に近づく人は居ない。誰からも注目される、関心をもたれる人は、とても羨ましい。昔からそんな人間に憧れていた。性格の欠陥はいくつも分かる。我儘だしなぁ。
小説の面白さに愕然とした。本が読みたいなぁ。受験生の体裁つけて我慢しているけれど。本というものは、その読んだ年齢で、随分受け取り方が違ってしまう。それはとっても楽しいので、もっと読んでいれば良かった。
『めぞん一刻』(高橋留美子氏漫画)の五巻が出ていた。嬉しかった。熟読した。良かった。彼女は天才だ。『うる星やつら』も素晴らしい。あんな大仰にやって、最高である。果して、劇場版映画第二弾を、受験が終わるまで我慢していられるだろうか。




