2月と3月 冬の夜空 入院
2月16日(水)0時5分 晴
成程、冬の天気は変わらない。毎日きれいな星空を仰ぎ見る事が出来る。もっと目が良かったなら、それもどんなにか楽しさを増す事だろう。
文献でしか知らない世界。宇宙と言う世界の、ほんの表面一部を見ているだけなのに、それは何と人心を魅了するものなのだろう。
ただ闇に浮く輝きであるのに、それを見る者を何故こんなにも物思わせるのか。
幼き者にはその果てしない自由な想像力を甘く刺激し、大人には過ぎ去った日々を想起させる。
そして若者に問いを投げかける。
催促はしない、ただ見ているだけ。
その澄んだ光の瞬きは、夜ごと卑しくも無く、憐みでも無い眼差しで若者を見る。
なのに僕たちは静かな焦りを感じ、何時も枯渇している心を疼かされる。
凡人が詩を想う時、詩人は何も思わない。
「男子校だから関係ねえよ」
この言葉で全て片付けてしまうのだから、群馬県教育制度方針を呪うしかあるまい。
あぁ何故、このように保守王国・反進歩保守退嬰な県なのだろう。青春の学生像は高校時代にあるというのに!情けない。
もう嫌だから書かない。溜息しか出てこない。くそー!
……バレンタインデーの事やで。
日本語の色々な熟語や知らない語句、思いついた表現等を、書き留めておくノートを作ろうと思った。
「そうだ、表紙には『未来の為にノート』と書こう!」
なかなか良いタイトルだと思ったが、余りにあからさまで、反って寂しくなった。悲痛じゃ。
ラムちゃん(アニメうる星やつら)あぁ、ラムちゃん! 君はなんて愛らしいんだ!
映画を見るか、テレビを見るかしか、生きた君の魅力に触れる事の出来ない僕のもどかしさ。どうしたらいいんだ。
ビデオが欲しい。ビデオがあれば……いや、刹那な出会いだからこそ、こんなにも切ないのかもしれないね。
大好きだよ、ラムちゃん。
東京の病院から帰宅 21時56分 晴のち曇
また入院が決まってしまった。
放射線科の窓口係が職務的に言った。
「13時30分に放射線をかけますから、時間になったら来てください」
青天の霹靂!
寝耳に水!
驚いたの、焦ったの。
何時になっても変わり映えのしない新米技師が、おどおどと見える目つきで、僕を見ながら、でも『こちらが治す側である』という意志をチラつかせ、カルテを突きだしてきやがった。
僕の脳裏におどろおどろしく蘇る、あの入院生活。冗談でしょ?! それじゃ期間は?
「先生と話し合って決めます」
頭の中は憂鬱が一杯に。
お得意の落ち込みをしている所へ、しかし何故医者はあのように陽気で元気で活発なのだろうか、御伴を従えドアから現れた先生は
「二週間」
と、何とも朗らかに暗い宣告をした。
頭を抱える僕。交歓会は?スキー合宿は? また欠席か!
結構、何度も同じ思いをさせられるものだな。長くも無いこれまでの学校生活の中で。こんなんで受かるもんかよ、大学なんか!
地元の病院に自宅から通院するという案も、
「機械も古いし、出来ればこちらでやった方が……」
語尾もはっきりせんような状況なら、えーやんか!
でも下手な事されて、もっと酷い目に合うかも知れないと思うと、頷くしか無い僕です。
あーあ、思い出してしまった。陰気になってしまった。陰々滅々である。
「こんな気持ちで期末テストの勉強なんて出来るかよ」
と、愚痴れば
「やるべき事はやれ」
と凄くもっともで、僕もそう思うような厳しい御言葉が父からするし
「早大に入るのは自分の誇りの為」
なんて的を得た事を言うし。
あ〜あ、重いな。
3月14日(月) 晴 次妹の誕生日 病院にて
怠くて眠くて何もする気が起きなかった。白衣(名札付き白衣を着て散歩するお医者さんごっこ)も勉強も読書もせえへんかった。
でも嬉しい。本当に二週間で退院させてくれると、先生が約束してくれた。
もの凄〜く嬉しいな!




