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6月 カツラデビューします



6月11月(金) 曇 夕暮から雷を伴う雨昼頃からは晴

 

  狂う筈だったのだが、今、実に穏やかに字を書いている。探せば出てくる押入れの掃除の様に、不平不満はあるにはあるが、気分が良いので探さない。

 

 のんびりしたものだ。拘束されないと言う事が、僕の気を緩めている。朝になったらなったで、学校に行くには行き、そしてしっかりと学んでくるのだが、どうしてもピリピリしない。僕の思考様式も変わったようだ。

 

 明日は誕生日 十七歳 おめでとう 僕




 6月14日(月) 雨 梅雨入り

 

 疲れた一日だった。イケメンくんのブレーンとして文化祭実行委員達に混じって、久し振りに同じ事を随分長い時間考えた。結局、無難に落ち着いてしまったのだが、あれだけ熱心に考えたのだから、後味も爽やかで良い。まず僕としては上出来だ。ゴタゴタは明日で片付くだろうが、その後の予想に楽観的にはなれない。とにかく、人と付き合うのは難しいからなぁ。

 考えに考えた末の、文化祭実行委員にはならないと言う結果だったのだが、今になってみるとあれ程引っかかっていた『勉強せねば』と言う理由は、実際それ程大きな weight を占める物ではなかった様だ。今なら、あれこれ迷わずに委員になっちまっただろう。

 

 初めての生徒会評議委員会議を見学した。

 流石だ。すごいものだ。何を発言するにしても己をしっかりと形造っている。感情的になるにはなるが、決して討議からは離れず意固地には決してならない。

 議長も発言の全てを正確に適確に把握し整理している。それに発言の着眼点が常人と違い、その話し方も一本筋が通っている。すごいものだ。

 だが、意見そのもの一つ一つは見事であるが、その出し方が悪い。情報、資料不足から、話が前後したり後戻りする事が多く、討議の進行を著しく遅らせた。あれは頂けない。

 もう一点。あらかじめ発言する人が限定されているのでは、それはその会議を代表する意見では無くなってしまう。誰もがあの位は平気でしゃべりそうなので、隠れずに白けずに参加したら、もっと凄い、そして終りの無い討議会が出来るであろう。楽しそうだが、時間内で終らせるには、人や意見の事前準備が必要なのだろう。

 あの会議には驚嘆したが、同時にその難しさも分かった。

 

 三年生の言う様に

「最近の学生は弛んでいる」

のなら、それが時代の流れとしても、僕はその流れに逆いたい。

 

 明日はもっと気持ちの良い男になろう。




 6月19日(土)

 

 Sax (Saxophone) の値段を知ったら、『ルパン三世』のアニメ本を三冊も買ってしまった。あれこれ夢想していた事はあっという間に消え失せた。未練はない、諦めがついた。それ程、Sax は高かった。


 そんなちょっと寂しい夜は、入院中に貰った清楚ちゃんの手紙の返事でも書こうか。彼女はお見舞いの手紙をくれた。遊ぶ暇も無いほど、一生懸命だった部活・音楽部を辞めたそうだ。

 

 眼鏡を買った。さして人目も気にならず目立ちもせず、まずまず良い。世の中、明るい。

 

 二十射中十一。精神力は大切です。久し振りの弓道。


 頭髪の損失、著しく多い。困った困った。


 期末テストまで後十日。しっかりしろ。




 6月21日(月) 金パ投稿用

 

〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜

 それは実に突然やって来たました。学校で現代国語の授業中に。

 

 初夏ののどかな風が窓際に座っている僕の頬をすべって行きます。いい天気で上々の気分でした。小生のクラスは四階にあり、田舎の我が町では割と高い建物で、そこからの景色はまずまずです。校庭の緑が昨日の雨の為か実に美しく、また水を湛えたプールも光が反射して輝いていました。気分爽快で多幸感に満足。

 『機動戦士ガンダム』ガルマくんの様に何気なく髪に指を絡ませたら、ハラリとそのまま髪が抜けて……。

 突然の悪寒。あー恐怖。

 

 多分、薬の副作用です。

               

       上州 Brown


〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜



 6月25日(金)

 

 昨日のパックはチャコ様が一人でやった。那智は歯を抜いたら口が開かなくなったそうだ。もう Final まで何回も無いと言うのに不注意な奴だ。

 でも一人のパックもなかなか素適だった。


 大人なんだな、この人は。

「パックは終わるんです」

としっかりと、笑いでごまかしもせずに言い切る辺りに、魅力を感じる。


 知的に、そうでなくても、人生の先輩の話を聞く。もっと人と接しなければいけないネ。

「淡島通りの小さな家より」

冬美さんの家だって。機会があったら探しに行こう。

 

 遂に、カツラを買う事になった。また出費が嵩む。仕方のない男だなぁ。

 床屋のオジサンもそれなりにスペシャリストだから言う事も価値があるけど


「頭を洗っても変わらないよ」


変わるに決まってるでしょ!

あー頭が痒い。洗ったらさぞスッキリするだろうな。気持ち良かんべな。




 6月27日(日)

 

 遂に髪はなくなりにけり。

 カツラを受け取りに床屋へ。オジサンは無造作に、少なくとも僕にはそう見えたが、櫛を入れ


「あぁ、こりゃ薬だな」


と確かめるように言うと、あっさりとバリカンで丸坊主にしてくれちゃった。


「形の良い頭だ、ハハハハッ」


と、生まれた時から通っている (生まれた産科医院の隣) 床屋のオジサンは、明るく笑って褒めてくれたけど、愛嬌のある顔とか言われたくない、僕は。

 どんなカツラになるのやら不安であったが、それほど派手ではなく格好良い髪型であった。

 オジサンからユーモアを交えて、親切丁寧に扱いについて教わった。店を出たら、約二時間半が経過していた。哀しくて疲れたけど、温情ある穏やかな時間だった。ありがとうございました。また行きます。

 

 一ヶ月で一㎝。髪の伸びる長さ。前途多難であるが好スタートを切ったようだ。



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