●エログッズ
……この手のことは、取り上げていいものか、非常に迷いました。
でも多すぎるんだよ江戸。
ご家庭にあるのが茶碗と箸とエログッズなんじゃないかってくらい多いから、触れずに通ることできないんだよ……
まずはご存知、①黄表紙。
挿し絵が多い小説です。ラノベ感覚ですかね。
『べらぼう』で言ってたけど、表紙の紙が、作ったときは青なのが、だんだん色あせて黄色くなってきたから黄表紙と言ったらしいですね。
SFっぽいのやギャグもあるけど、やはり黄表紙といえばエロ、ていう印象が強いです。
小人サイズになった男が、ひとんちのいちゃいちゃを覗き見してるシリーズとか。人魚を舐めて寿命ちょっと延びるとか。
NHKの巡回大河展で、恋川春町の黄表紙『金々先生栄華之夢』のレプリカ展示してて、めっちゃテンション上がった…!!
ちなみに里見八犬伝は黄表紙ではありません。読本と呼ばれて、絵は少なめ。分類は文芸書ですかね。
黄表紙と読本は、江戸独自の本屋(地本問屋)の本です。地図や、もっとマトモな本は書物問屋(上方から来た本屋)が扱います。本屋の格によって扱える本が違うのです。
えろグッズその②浮世絵AV系。
枕絵とか、クスッと(ニヤッと)笑うので笑い絵とも呼ばれます。
店頭に並べんなそんなもん。別部屋にしてピンクのカーテンで仕切れ!
しかもそれを、一般のご家庭の竈あたりに貼っていました。理由は、濡れ場→火事にならないからです。
うまいこと言ってないでお子様の目を気にしろッッ!!
玄関入ってすぐのキッチンにエロポスター貼ってる家ってどうなの? どの家にも貼ってたら見慣れるもんなの?
この辺のことは幕末に日本にきた外人さんたちも驚いてるので面白い(笑)。
浮世絵師は売れない頃はここから始めるので、北斎も歌麿も描いてます。
その③浮世絵BL系。
ガチムチ、イケメン×男の娘、主従プレイとか、幅広く需要あったようです。
歌麿が七福神BLを描いてます。大黒×布袋だったかな。どこのとは言いませんが、毛の表現が凄いです。彫り師さんの悲鳴が聴こえるようです(あれ?肉筆だっけ?)。
その④四ツ目屋。
薬研堀にあるアダルトグッズショップです。四ツ目とは、近江源氏佐々木氏の家紋『四ツ目結』のこと。源氏の流れを汲む人がアダルトショップ開業しちゃったわけです。
品揃えは媚薬、惚れ薬など。
人気は張型というやつですね。水牛の角で作ったのが大奥で流行だったらしいですよ。川柳で水牛とか角とか出てきたらだいたいこれです。
男性用は吾妻型といいます。形状が描かれた絵は載ってないのですが……凹型のアタッチメントのようです。
その⑤あちらを元気にする薬。
これは四ツ目屋でも買えます。三養堂の『寝子屋敷』に、地黄を使ったそっち系の薬を色々出しましたが、資料にある名前をモジッたものです。
しかもあれはごく一部です(笑)今だとノコギリヤシとかですかね。
手持ちの江戸の医者主人公の小説(知らずに買ったらアダルト強めだった)も、そちら系の薬作って借金返してたな……。
売れるんで、医者や薬種問屋だけでなく僧侶も戯作者も作ってたのも資料通りです。
惚れ薬はイモリの黒焼きが代表格ですが、『黒焼き』ってめちゃめちゃ手間かかるんですよ……単なる丸焼きじゃないんですよ。
どっかに作り方メモったけど忘れたわ(笑)
「こんだけ手間かけてんだから何かに効くだろ!惚れ薬とか!知らんけど!」という作り手のイライラプレゼンが聞こえてきそうです(笑)。
これらがどれくらい江戸でポピュラーだったかは知る術もないですが、江戸東京博物館、深川江戸資料館どちらにも、これらの展示はひとつもありませんでした(笑)




