●こんな贅沢な着物、お前たちには勿体ないわ!
着物にまでケチつける幕府の話です。
江戸時代たびたび出されたのが、贅沢禁止令なるもの。
◯◯の改革とか言われるやつがだいたいそうです。
災害とかが相次いで色々品薄に→物価が上昇→指定品目の物価を下げろ、というお触れを出して庶民の生活を改革する、というのが建前ですね。
幕府の財政健全化、という意味ではありません。ここポイント(笑)。
あとはまぁ、風紀の乱れは許さん!風紀の乱れは世の乱れ!自分の言う通りに世の人間が動けば皆が満足する国になるのだ!ていう、夢見がt……理想がお高い人が幕府の偉いポジションにいたり。
大河『べらぼう』後半でやってたアレですね。
ただ、庶民は反発したようです。そりゃそうだ。
だって言い出しっぺの幕府(特に大奥)が、一番贅沢してるから。
庶民に倹約だー贅沢禁止だーを押し付けて、自分とこの金食い虫の予算は削らなかったからです。
将軍の奥さまとか母親とか、ヘタに扱えない人もいるから削れない(っていうのを大奥側も分かってるからどんどん使う)のもあるのでしょうが、庶民にゃ関係ありません。
中でも意味分かんないのが、着物の色や柄、材質まで幕府が指定してきたこと。
庶民は、茶色、鼠色、藍色以外の着物は着ちゃいかん。絹製品もダメ、新品もダメ、かんざしは鼈甲のみで銀はダメ……とかいう法律です。
Σザケンナコラァ (╯°□°)╯︵┻━┻
しかしこれが、意外な流行を産みます。
バレなきゃいいんじゃね?という流行です(笑)
なので庶民は、着物の裏地に凝りだしました。贅沢に絹を使ったり、ド派手な柄にしたり。
ヤンキーの刺繍学ランの元祖です(多分)。
茶色と鼠色のバリエーションなどは、四十八茶百鼠と言われるほど編み出します。
柄も、縞模様とか地味なものしかダメだってんで、歌舞伎役者が好んだ縞などが大流行します。
今でも、団十郎茶(市川団十郎が好んだ茶色)、芝翫縞(中村芝翫が好んだ縞)などあります。銀座の歌舞伎座の売店や、東京駅のアンテナショップでこれらの手ぬぐい買えます(^^)
有名なのは『かまわぬ』ですかね。団十郎の台詞「たとえ火の中水の中、俺の身はどうなってもかまわぬ」から、鎌、輪、ぬ、をピックアップした判じ絵という柄です。
ここに絵文字いれようかと思ったけど草刈り鎌がありませんでした(笑)ぱっと見は地味だけど、ニヤリとする遊び心。
庶民はこんな感じで、鬱憤晴らしてたんですねえ(*´ω`*)
『三養堂』で鉄山に着せた路考茶も、歌舞伎役者関係なんですが、もうちょいあとの流行だったようで……書籍版では削ります;;
しかし、これらの幕府の贅沢禁止令をことごとくスルーした男が、こともあろうに徳川御三家・尾張藩にいたのです……!




