●武士「ニートいうな」
武士多すぎによる弊害シリーズ第3弾……いや、弊害というか、功績というか。
前途の通り武士の商売は禁止されてましたが、これは士農工商の意識です。
商がいちばん下なのは、『商品を右に左に動かしてるだけで金儲けしてる商人は卑しい存在だ!』とされてたからです。
うっせーわ (┛◉Д◉)┛彡┻━┻
財力のある武士が、金のない下級武士にもそのプライドを押しつけてるだけじゃねーか。
でもまぁこれは江戸の話で、地方はまた違うんでしょうけど。坂本龍馬の家は下級武士ですが、商売やっててそこそこ金持ってた家ですもんね。
そんな金のない江戸のニート武士がもとで生まれた言葉が『武士は食わねど高楊枝』、『手元不如意』とかです。
さも今メシ食って来たぜと言わんばかりに楊枝を咥え、見せつける角度まで考えたり。
不如意→仏教用語で「ままならないこと」、手元に金がなく支払いがままならない、とオサレなこと言ってみたり。そのあとどうしたんですかねこの人。食い逃げ? ツケ? ツケだとしてそれ本当に支払った?
カッコつける仕草まで研究しちゃってるあたりが武士めんどくせーなというか。
貧坊っちゃまを思い出します(通じますかこれ笑)。
で、武士は商売は禁止ですが、おそらく店を出すのがNGってだけで、副業はやってもよかったようです。内職ですね。時代劇の傘張りとか、手習い所の先生とか。
※よく聞く寺子屋は上方の呼び方。江戸では手習い所と呼びます。基本、無料。(エッ……)親御さんの心付けが頼りです。
江戸の武家屋敷では、ヒマなニート武士のための苦肉の策にも見えるんですが、取り組ませてることがありました。
花や金魚、薬などのオリジナルブランドの開発です。
ありあまる時間と人員を費やして、武士は様々な品種改良の研究をしました。
こんな形の菊できた!とかいうのを絵で描き残してる本が、結構あるようです。
どの品種とどの品種を掛け合わせたなどの情報は門外不出。それらのオリジナルブランドを、藩主らは藩主サロンに持ち込み、自慢したり情報交換したり、外交の道具にしました。
これらの改良花は市中にも流れ、庶民も狭い長屋で花を育てるようになります。
幕末に日本に来た外人さんたちは
「世界では、花を買う金があるならパンを買う。こんなに花に親しむ国は他にない」
と驚き、江戸をGreenCityと呼んだそうです。
今なお開催される菊の品評会、朝顔市などは、その流れかなと思います。
ニートも嬉しいのではないでしょうか(^^)
オリジナルブランドの薬で有名なのは、商品名は出したらまずいのかな……ゴホンと言えば◯◯散、ていうアレです。
これはニートでなく、佐竹藩のちゃんとしたお抱え医師が作り出した散薬です(たぶん)。なので、その佐竹家の末裔たる知事がCMに出演してました。
養う命の酒と書くアレも、江戸初期の信州の塩沢家当主のかた(藩主?商人?)が創られたものです。ニートじゃない(たぶん)。
時代劇『御家人斬九郎』の主人公・残九郎さんもニートなので、片手わざという果たし合い代行の副業をしてる設定です。(TV第1部はそうだったんだけど、2部以降はボディーガードものばっかになって殺陣が減り、ハードボイルドが見たい身としては物足りなゴニョゴニョ)
ウグイスの糞を集めるのが仕事の御家人の話も読んだことあるな……(主人公ではないけど。あとタイトル忘れた)哀しすぎるぜ……
江戸時代、ウグイスの糞は化粧品でした(本当)。
でもこれでも仕事できてるからいい方で(小説だしな笑)、どっかの藩士の日記には
「今日もやることない。これで◯日目だ。今日は同僚の◯◯と庭を眺めながら飲んだ。あいつは俺よりも多い◯日仕事してない」
みたいな記述があるんだよ!(涙)
その現状知ってて(知らないわけないよね)商売ダメ、買い食い禁止、忠誠誓え、……無理だと思う。
むしろよく260年も持ったよな江戸。
これらニート武士の不満が幕末に爆発したんだろうけど……
勝海舟とか、武士の生活基盤を200年以上奪っておいて、徳川を助命嘆願って……図々しくない……?;




