第五話 超エリート3
「そうですか…どうもありがとうございました。」
私は住所を聞き早速、嵌合寺の住んでいた実家に向かった。
嵌合寺家はとても年季の入った大きな家であった。
インターホンを鳴らすが誰も出てこない。
無理矢理入ろうかと思った次の瞬間中から初老の男性が出てきた。
「どうも…どちら様ですか?」
「あのー私は探偵です。少し事件を追っていまして…こちらは嵌合寺さんのお自宅であっていますか?」
「はいそうです。私が嵌合寺です。」
「少しお話を伺っても?」
「ええまあ…どうぞお入りください。」
中に入ると大量の日本人形が置かれていた。
「このお人形はよく集めていらっしゃるんですか?」
「いやこれは昔からあるものでして…」
程なくして嵌合寺の母親がやって来た。
「それで…一体何のご用ですか?私達は事件には関係無いと思うのですが…」
「まあ正確には息子さんの嵌合寺 明さんに関係があることでして…」
夫妻は少し悲しげな顔をしてこう言った。
「息子は…1ヶ月前に亡くなりました。」
「ええそうです。探偵さん?息子が一体何の関係があるというのですか?」
「まあ息子さんは恐らく呪術的な物を使える…そしてそれが事件と関係しているというのが私の見解です。」
母親は呆れたのか深いため息をついてこう言った。
「はあ…探偵さん?あなた自分で言っていることがおかしいと思いません?呪術?何を言っているんですか?」
母親は恐らく何も知らないようだ。
しかし父親の方は少し引きつったような顔になった。
嵌合寺…私の記憶が正しければ大正の頃栄えていた呪術一家の末裔だ。
恐らく父親は何か知っている。
「お父さんこの家が古くから有名な呪術一家なのはご存知のようですね?」
「……はいおっしゃる通りです。」
母親が仰天したような顔で父親を見つめる。
「え!?そんな事聞いたことないですよ?ただあなたの一家は古くからある格式の高いお家ということしか聞いたことがありませんよ?」
「それは建前というか呪術を扱える者がこの家から生まれなくなってきたせいでそういう話は私の父親は君にしなかったのだろう。事実私も呪術云々はさっぱりだ。」
「しかしあなたの息子さんは違った…」
「はい…あの子は昔から幽霊が見えるとかそういう霊感の強い子だったので…もしかしたらと思っていましたが…」
「それで…このお家の呪術はどのようなものなのですか?」
「いやそれが書かれている巻物が呪文で書かれているせいか私もさっぱり分からないんですよ。」
「少し見せてもらっても?」
私は父親にその巻物を見せてもらった。中には日本人形と人体の絵が描かれており文字に関してはこの家独自の呪文らしく解読不能であった。
「なるほど…私も完全には分かりませんが恐らくこの人形を使った呪術でのようですね。」
しかしそれ以上は分からなかった。
「あのー明くんは1ヶ月前まで何か変わった様子はありましたか?」
「……いえ。あっ!でも女性とよく会って居ました。」
「お名前は?」
「分かりませんが…40代ぐらいの女性でした。」
「なるほど…そうですか。では明くんの部屋を見せてもらってもよろしいですか?」
私は早速嵌合寺 明の部屋に入った。
中はほぼゴミ溜めと変わらない酷い有様であった。オマケに鼻をつんざく様な異臭も…
「なんだ…?食いもんでも腐ってんのか?」
「すいません…あの子が出ていく前この部屋には入るなと言われていたので…」
だからといってこんなふうにしておくものなのか?
少し部屋を整理しながら中を捜索していると南京錠の付いた箱のようなものが出てきた。
「お二人はこの箱の中身をご存知で?」
「いえ…」
「ではこの南京錠の番号も?」
「はい……」
「そうですか…」
私は仕方なく南京錠を壊すためにハンマーを取り出した。
「えっ!?ちょっと!?何してるんです?」
「え?いや…一刻を争う事態なので仕方なく…」
「いやいやいくら何でもそれは…」
「時間が無いんです。」
バキン!!
私は両親の反対を押し切り南京錠をぶっ壊した。
すると中から…




