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塩対応のクラスメイトが、実は好き避けだった件  作者: 黒宮 シズク


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第2話 親友の忠告

翌日。


俺――神崎悠斗は、いつものように登校していた。


昨日の出来事を思い出す。


廊下でぶつかった時の朝倉紗雪。


顔を真っ赤にして逃げていった。


あれはさすがに傷ついた。


避けられるだけならまだいい。


でも逃げられるのは結構くる。


「はぁ……」


朝からため息が出る。


すると後ろから肩を叩かれた。


「おはよー、神崎」


振り返る。


親友の山田健太だった。


「朝から暗いな」


「誰のせいだと思ってる」


「朝倉さんの件?」


図星だった。


「まあな」


健太は苦笑した。


「お前さ、本当に嫌われてると思ってるのか?」


「思うだろ普通」


「でも決定的なことされたか?」


「いや……」


「悪口言われた?」


「ない」


「無視された?」


「返事はしてくれる」


「物投げられた?」


「そんな治安悪くねぇよ」


健太は肩をすくめた。


「じゃあ違うんじゃね?」


「でも避けられてる」


「それは確かにな」


そこだけは否定できない。


俺だって被害妄想じゃない。


実際に避けられている。


それだけは事実だ。



---


教室に入る。


いつもの窓際。


朝倉紗雪が座っていた。


今日も綺麗だった。


男子たちがチラチラ見ている。


まあ気持ちは分かる。


俺もそう思うから。


その時だった。


紗雪がこちらに気付く。


一瞬だけ目が合った。


すると。


ビクッ。


肩を震わせた。


そしてすぐに視線を逸らした。


「ほら見ろ」


俺が言う。


健太は困った顔になった。


「うーん……」


「嫌われてるだろ」


「嫌われてる人を見る反応には見えないんだよなぁ」


「じゃあ何なんだよ」


「知らん」


知らんのかよ。



---


昼休み。


俺は購買でパンを買い、屋上へ向かった。


春の風が気持ちいい。


ベンチに座りながら昼食を取る。


その時だった。


ガチャ。


屋上の扉が開いた。


振り返る。


そこにいたのは朝倉紗雪だった。


「……!」


紗雪の動きが止まる。


俺も固まる。


気まずい。


非常に気まずい。


数秒間の沈黙。


先に動いたのは俺だった。


「使う?」


ベンチの隣を指差す。


すると。


紗雪の顔がみるみる赤くなる。


「だ、大丈夫です!」


なぜ敬語なんだ。


しかも。


なぜかそのまま扉を閉めた。


帰った。


「……」


俺は空を見上げた。


鳥が飛んでいた。


自由そうだった。



---


放課後。


掃除当番の日だった。


教室に残り、ほうきを動かす。


すると。


同じ当番の女子が話しかけてきた。


「神崎くん」


「ん?」


「朝倉さんと何かあったの?」


「え?」


思わず聞き返す。


女子は首を傾げた。


「だって朝倉さん、神崎くん見るたびに変になるし」


「変?」


「顔赤いし」


俺は苦笑した。


「嫌われてるだけだと思う」


すると女子は不思議そうな顔をした。


「そうかなぁ」


「え?」


「なんでもない」


それ以上は言わなかった。



---


掃除が終わる。


校舎を出ようとした時だった。


昇降口で忘れ物に気付いた。


「あ」


教室に戻る。


誰もいない廊下を歩く。


静かな放課後。


その途中。


角を曲がろうとして足を止めた。


向こう側から声が聞こえたからだ。


女子の声。


二人分。


一人は朝倉紗雪だった。


もう一人は親友らしい女子。


「紗雪、いい加減話しかけなよ」


「む、無理……」


「いつまで逃げるの?」


「だって緊張するもん……」


悠斗は思わず足を止める。


自分の名前が聞こえた気がした。


そして次の瞬間。


「神崎くん見るだけで心臓がやばいんだってば……」


紗雪のそんな声が聞こえてきた。


悠斗の思考が一瞬止まった。


――今、なんて言った?


廊下の角の向こう。


紗雪は気付いていない。


俺がここにいることを。


そして。


その会話は、俺の常識をひっくり返す言葉へと続いていく。


――続く。

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