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BuzzばんでっどバイDEAD  作者: ゆず先輩
14/24

第2片 強制シャットダウン④―邂逅―


放課後のこの時間は多くの学生で賑わいでいる。

この雑踏の中でなら何を話していても目立つことはないだろう。


俺とキョーコは隣同士に座り、対面に野々宮を1人で座らせた。



「な、なんか宗教の勧誘みたいですね……。」

「まぁ、近からず遠からずだ。」

「えぇ……。」



俺は今までに起きたことを全て、野々宮に打ち明けた。


前の世界片で千尋が殺されたこと。

能力者のこと。

そしてこの世界片にも魔獣が現れたこと。



「そんなこと……。信じられる訳ないですよ……。」



まぁそういう反応が普通だろう。

でも信じてもらわないといけない。



「夢衣の大切なものはなんだ?」

「大切なものですか?えーなんだろ。」

「大切に想っているものに神器の神力は宿りやすいんだ。」



うーんと野々宮はカバンを漁りながら考え込む。


「いま1番大切なのはやっぱりこれですかね?」


そういって野々宮は自分のタブレットをカバンから取り出した。

すると、その瞬間タブレットが光出した。



「うぉ!?」

「な、なんですか!?」

「それだ!それがアーティファクトだ!」



半端じゃない輝きを帯びているが、周り人には何にも見えていないようだった。



「これは神力の光だから一般人には見えない。夢衣、それを使ってみてくれないか?」

「はい。あ、まだ全部信じた訳じゃないですからね!」

「わかったよ。使ってみてくれ。」



野々宮はあの光を見てもまだ完全に信じきってはいないみたいだ。


まぁもう半分くらいおちてると思うけど。

それに野々宮は何かやけにそわそわしている。



「な、なんて言いながら使えばいいんですか?

アーティスァクト起動!とか、メイクアップ!とかですか?」

「いや普通に使えばいいんだが。」


「……。」


「おやおや野々宮さん?信じてないと言っていた割には、魔法の道具で変身!的な

魔法少女風なものを想像して期待に胸を踊らせていたのですかな?」

「う、うるさいですよ!先輩は黙っててください!」



顔を真っ赤にしながら野々宮はタブレットを起動させる。

するとタブレットが再度輝き、その光は野々宮の中に吸収されていった。



「な、なんですかこの高揚感!今ならなんでもできそうな気がします!」



【観測者】の力を使う時に、なんとも言い難い無敵感を俺も味わったので言いたいことはわかる。

しかし俺の時はいつの間にか白衣を身にまとっていたが、野々宮は制服のままだった。


何か違いがあるのか?



「マジありえないんですけど!!」

「!?」



急に近くの席の女子高生が叫び出す。

野々宮はびっくりしすぎて硬直している。



「スマホの充電もうキレそうなんですけど。充電器貸してー。 」



どうやらスマホの充電がキレそうなだけだった。

そんなことで大声を出すとはやはり若者はスマホ依存症だな。

まぁ俺も若者だけどさ。


「まじウケる。スタンプ爆撃で充電使い切ってやろうぜ。」

「いいねー!」

「ちょっとやめろし!」


女子高生軍団はわいわいと盛り上がっていた。

固まっていた野々宮は徐々に柔らかくなっていく。



「お騒がせですねー。能力者だってことがバレたかと思いましたよ。」

「意外とノリノリだな。」



ピコンピコンピコンピコンピコンッ



店内に女子高生のSNSの通知音が鳴り響く。


「やばっ!充電マジで切れる!やめろやー!」

「おらおらー!!やれやれー!!」



ピコンピコンピコンピコンッ



その時、キョーコが何かを感じ取った。



「!? 魔獣の反応だ!な……なんて数だ……。」

「魔獣!?」


キョーコは周りを見渡し焦り出す。

この様子だと、既に囲まれている……!?



「いえ、大丈夫です。周りのは魔獣の目で脅威はないです。」



タブレットを覗いて野々宮は語り出す。

野々宮にも見えているのか!?



「夢衣は【索敵者】か。魔獣本体はいるか?」



ピッピッピッ



タブレットにはレーダーのような画面が映し出されている。

しかし、何故だか俺には全く理解できない。



「……本体が来ます!!」

「ちょっ!充電切れるっ!」



グワァァァア!!



女子高生のスマホから巨大な狐の化け物が現れる。

しかし、女子高生には見えていないようだ。



「こ、こいつが魔獣!?」

「マズイ……!あの子殺されますよ!」

「だめだ。対抗手段がない……!」



バクッ!!



化け物は女子高生を頭から丸呑みにした瞬間、煙のように姿を消した。


女子高生は食べられたにも関わらずまったくの外傷が無い。

しかし意識を失っているようで机におもいっきり倒れ込んでしまう。



バタンッ!



「え……?大丈夫……?」

「ちょっと冗談キツいよ。起きろって。」


仲間が肩を揺らすがまったく反応がない。


「魂を喰われたようだな……。」

「そんな……。」

「とりあえず出るぞ。ここは人が多すぎる。ここで闘うのは不利だ。」


俺たちは急いでファミレスを後にする。



「魔獣の反応は消えました。目の反応もです。」

「まずいことになった。早く【討伐者】を見つけないと。」



2人は冷静に状況を分析している。

それに比べて俺は、ただ立ち尽くすのみだった。


魔獣を目にして、前の世界片での千尋の死がチラつく。

あの時の千尋の表情が浮かび、後悔の念で吐きそうだ。



「魔獣の反応は消えましたので、明日学校の中をまずは探しましょう。今日はもう遅いですから。」



野々宮は俺の様子を見て、察してくれたようだ。



「そうだな。また放課後屋上に来てくれ。それまでも私は探してみる。」

「よろしくお願いします。」



こうして今日のところは解散することになった。



「先輩、大丈夫ですか?」

「お、おう。野々宮ありがとうな。」

「いえ。前の世界片のことを思い出したんでしょ?分かりますよ。」


いつもは生意気なのにこういう時はすごく頼りになる。


「家まで送りましょうか?」

「いや、もう大丈夫。ありがとう。」


先輩として情けないところをこれ以上見せる訳にはいかない。



俺は野々宮と別れ、家に帰った。


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