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カードゲームは卒業したのにTCG学園に放り込まれたんだが ~イカサマ王と呼ばれた俺はカードゲームなんかしたくない~  作者: ゼ二平


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第29話 平和な日常

 あれから奏星とは話していない。

 というか、彼女には明確に避けられている。

 俺が尋ねていっても居留守を使われるし、それなら学校に行くところを部屋の前で待ち伏せしようとしたら、俺より先に家を出ていた。

 別に今まで喧嘩したことが無いわけじゃないけど、いつも俺が謝って仲直りしていた。でも今回はそれすらさせて貰えない。


 はっきり言ってしまって、寂しい。

 最近はカードゲームにかかりきりだったとは言え、俺にとっては大事な、たった一人の幼なじみなのだ。

 そういえば中学の時も、俺がカードゲームばかりやっていて遊んでくれないとダダをこねた事があったっけ。

 しかも『女の子とカードゲームで遊んでて許せない』みたいな事を言っていた気がする。たぶん、奈津のことを言っているんだろう。

 というか、今さらだがなんで奏星は俺が奈津にカードゲームを教えた事を知っていたんだろう。やっぱりあの時に見たのは奏星だったのだろうか。


 それに、先生が言うところの『もっと大局を見て動いている人間』というのが何者なのかが気になる。

 その人物がイベント戦で俺たちを狩るためのチームをいくつも組み、マッチングに紛れ込ませたのだろう。

 だが、どうして俺たちを狙い撃ちするような真似をしたのかはわからない。


 奏星のことも、謎の人物のこともわからない。

 気になることは山積みだ。

 さしあたっては、イベント戦の5戦目で比較的友好的に接してくれた彼……名前は確か呉屋君と言ったっけ。彼から何か聞き出せないだろうか。

 そう思ったのだが、教室に着いた時、まだ彼は登校していなかった。


 「……おはよう。奈津」


 「おはよう。はいこれ」


 奈津に挨拶しながら席に着いたら、彼女はさっそく紙袋を渡してきた。

 中には昨日奈津が着て帰った俺のTシャツとジャージが綺麗に折りたたまれて入っていた。


 「ちゃんと洗った」


 「わざわざありがとう。別にいいのに……」


 俺がお決まりの文句を言うと、奈津は不思議そうな顔になった。


 「洗わない方がよかった?」


 「……そういう意味じゃないよ」


 それじゃあまるで俺が現役女子高生が一度着用した服を欲しがっているみたいに聞こえてしまうだろう。


 「あ、そうだ。奈津……はい、忘れ物」


 「ありがとう。忘れてた」


 そんな馬鹿なやりとりをしていると、武束が茶化しにやってきた。


 「やあやあお二人さん! 今日も仲が良さそうで何よりだね! ……んんんん? え、ちょっと紙手殿それってひょっとして!?!?」


 「黙りなさい」


 「いやいやちょっと待ってくれたまえそれ『シルバーレオン』じゃあ……!?」


 やれやれ。まったく、平和だ。

 こんな平和なやりとりをする学園生活こそ、俺がずっと望んでいたものだ。

 ずっとこんな日々が続けばいいのに。


 「はーい、ホームルームはじめるよーッ!」


 先生が来たが、まだ席が一つ空いている。呉屋君だ。

 遅刻だろうか。それとも風邪でも引いて休んでいるんだろうか。


 「今日はみんなに残念なお知らせですッ」


 この時、嫌な予感がするな、と思ってしまった。

 そしてその予感は的中した。


 「このクラスから、ついに退学者が出てしまいましたッ! 呉屋君です!」


 その衝撃は、教室中を包み込んだ。


 「彼の所持ゴールドはマイナス1万。つまり1億円の借金を背負って学校を出て行くことになります。……君たちも、ゴールドの管理はしっかりしなよッ?」


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