それでも、愛は王子を救う
水の領地の戦後処理をマグリットに委ね、グランドールはバロック、医師のムルソーと共に王都に凱旋した。ムルソーを供にしたのはグランドールの病状を貴族に伝えるためである。これはムルソーから申し出があった。
「私はヨルビン公爵、ムッソリ侯爵など顔を知っている方もいますので、殿下のお力になれますよ」
柔らかな声と表情でそう言うムルソーに、グランドールは頷き、彼を伴って王都へ向かった。
王都では、戦の勝利に酔いしれる民が歓声を上げて、二人を出迎えた。その声に混じって、グランドールを早くも次期国王に担ぎ上げる声も出ていた。時期尚早というわけではない。国王が病に臥せっていることを国民は知っていたからだ。
勝利をもたらしたグランドールへの期待は大きく明るい未来を想像して、民は沸いていた。大地を包む声にグランドールは手を振っていたが、内心はこれからの戦いに向かっていた。
王宮に入ると懐かしい顔が出迎えてくれた。シルフィだった。彼女は数年経っても変わらぬ妖艶さを身に纏い、グランドールを見て、銀色の瞳を細めた。
「命をかけれるものは見つかったかい?」
彼女の一言に、グランドールは目を伏せて笑った。
「……あぁ、見つかった」
「そうかい……」
シルフィは口元に笑みを浮かべて、前のように気安い言葉で話しかけた。
「おかえり、坊や」
それに、ふっとグランドールは笑った。
「坊やはよせ。そんな年じゃないぞ」
「そうかい。あたしにとっては、いつまでも可愛い坊やだよ」
ふふっと笑うシルフィに、グランドールは肩をすくめた。
王宮に入り、その足で病床に臥せる王にグランドールは勝利の報告をした。王は焦げ茶色の双眸をゆっくり開いた後、静かに目を伏せた。
「そうか……」
たった一言のみを告げて、口元に笑みを浮かべた。それをグランドールは黙って聞いていた。
二人が会話したのはこれで最後となる。
その後、王は一ヶ月もしないうちに天へ召された。後を追うように王妃ベリートも息をひきとった。
グランドールが国王になることは、揺るぎないことだったが、彼が王位に就くにあたって問題が多々あった。グランドールは政務に携わる貴族会議において、自身の病気のことを公表した。その場に呼ばれていたバロック以外が、全員が動揺した。
「俺が王位に就いても長くはもたん。しかし、子を持つ気もない。時代が変わるこの時期を赤子に任せるわけにはいかない」
「しかし……殿下、それでは王家の血が途絶えますぞ」
「いや、まだ公爵家にいるカミュール殿下がおられます。彼の姓を戻し、殿下の養子にいたしましょう」
第二王子の息子カミュールは、若干、四歳の子供である。親の罪から逃れた彼は、公爵家の一員として迎え入れられている。
グランドールは医師のムルソーを呼ぶように控えていたバロックに伝えた後、好き勝手なことを言う貴族を黙らせた。
「カミュールが成人するまで俺の体はもたん。医師のムルソーから説明がある」
ムルソーの名前を出した途端、懸念を言っていた貴族がひゅっと息を飲んで黙る。会議室に入ってきたムルソーは、いつものように穏和な顔をして、ぐるりと座っていた貴族を見つめた。
「お久しぶりでございます。ムッソリー侯爵。腰痛は大丈夫でしょうか?」
「あ、いや……平気だ……」
さっきまで声を上げていた貴族の一人が、ばつが悪そうに視線を逸らす。
「それは宜しゅうございました」
ムルソーが悪気のない笑顔を向けると、会話をしていた貴族はますます身を小さくした。
「ムルソー。俺の病状を説明しろ。俺はあと何年、生きられる」
「正確な年数は分かりかねますが、長くて五年でしょう」
その短すぎる年数に貴族たちは息を飲んだ。ムルソーは動揺することなく、変わらない口調で答えた。
「殿下の病気は死病です。今の医学では治せません。見た目は元気そうに見えますが、それは殿下の努力の賜物でしょう」
ムルソーの言葉にグランドールが口の端を上げる。
「おい、ムルソー。俺が女のように化粧をしていることをバラすなよ」
「おやおや。そうでしたか。どおりで今日は顔色がすこぶる宜しいと思いました」
肩を竦めて笑うムルソーに、グランドールが歯を見せて笑う。笑っているというのに緊張感は張り詰め、貴族たちの顔がひきつっている。
「ムルソーのことは知っている者が多そうだな。腕は確かな人物だ。信用していいだろう。実際に俺の視力は低下している。貴殿らの青ざめた表情も見えてはいない」
グランドールは眼光を鋭くして、淡々と話を続けた。
「父王も長くはない。次に俺が死んだら、民に動揺が走る。次々と病死で倒れるなど、悪い予感の前触れではないかと噂するだろう。そんな渦中に成人前の王子を放り込むのか」
その言葉に貴族たちは引かなかった。
「しかし、王族に生まれたというのなら、それが運命でございましょう」
「運命か……」
グランドールは鼻で笑いそうになり、歪な笑みを作る。運命に翻弄されたグランドールとって、その言葉は大嫌いだった。
「だが、カミュールはもう公爵家の人間だ。違うのか? ヨルビン」
ヨルビンと呼ばれた男はゆっくりと椅子から腰を上げ、誠実そうな佇まいで、声を出した。
「……カミュール殿下……いえ、息子のカミュールは父上と母上から厳しい教育をされておりました。子供らしく振る舞うことは許されず、私の所に来たときは、震えるばかりで失語症になっておりました」
ヨルビンは視線を逸らし、息子となったカミュールは思っている顔をした。
「最近ではやっと笑顔を見せるようにはなりましたが、息子が受けた傷は深い……どうか、息子には心の傷を癒す時間を頂きたく存じ上げます」
ヨルビンは周囲に対して、深々と礼をした。グランドールは座れと合図を送る。
「聞いての通りだ。カミュールを頼るのはやめろ」
「しかし、次の後継者は誰が……」
「俺の横にいるだろう?」
バロックが一歩前に出た。
「先の戦争の英雄だ。俺の穴を埋めるのはバロック=マグリットしかいない」
マグリットの名前に貴族がざわつく。グランドールがざわめきを切り裂くように声を出した。
「王族の病死という不吉なものを払うには、敵を打ち負かした経歴を持つ者がいいだろう。バロックは先の戦争の総大将だ。英雄が王になれば、民の心は上向くだろう」
バロックは厳しい表情のまま、深々と礼をした。
「若輩者ですが、民の為に戦い抜いて参りました。グランドール殿下の志を継いで、この国に光を見せたいと思っております」
貴族たちはシンと静まり返った。ヨルビンが拍手を送る。バロックを次期、皇太子として認めたということだ。他の貴族からもまばらに拍手がわく。場は納められたかに見えたが、声を出すものもいた。
「い、今の法では、王家の血筋の者以外に継承権は与えられません……」
「そうだな。なら、法を変えろ」
グランドールは指摘をしてきた貴族を見据えた。
「俺には時間がない。不都合な縛りは全て変える」
「は、はいぃっ!」
カエルのようにぴょんと跳ねた貴族だったが、彼は気弱だが細かい所に気づく、優秀な人物で、後にバロックにこきつかわれることになる。
会議は一時、閉会したが、これで懸念が全て解消されたというわけではなかった。マグリット家に力が集中して、独裁になることを懸念する声がでた。それを聞いたグランドールはマグリットを王都に呼び出した。
その決定にバロックは眉をひそめる。
「父上を呼ぶと、場が混乱しませんか? ただでさえ、戦後処理で頭に血が昇っていますのに」
バロックは、化かし合いのような貴族社会と、父親がウマが合わないことを知っていた。歯に衣着せぬ直情型の父親を連れてきて大丈夫だろうかと、思っていた。フォローに回されるのはどうせ自分だ。その手間を考えるとバロックは深いため息をついた。
グランドールはそんなバロックの心情を見透かして、にたりと意地悪く笑った。
「楽しい議会になる。マグリットの頑固ジジイがどう吠えるのか見ものだな」
珍しくご機嫌になったグランドールを見て、バロックは盛大なため息をついた。
そして、グランドールとバロックの想像通り。いや、それ以上に吠えた。
戦後処理に奔走していたマグリットは、まともにベッドに眠でっていないほど忙しく、会議室に入るなり、青筋を立てて唸るような声を出した。
「それで……我、愚息が次期王になることになんの問題があるのですかな……?」
下らないことで呼び出して……と言わんばかりの覇気に集まった貴族たちは気圧されながらも、マグリット家台頭の懸念を伝えた。
「なるほど……貴殿らの心配ももっとも。だが、我がマグリット家では最も大事にしていることがあります」
マグリットはギロリと周囲を睨み付けた。
「民と兵を省みれぬ者に当主の資格なし!」
マグリットはバンっと、両手で強く机を叩き立ち上がる。
「もし、我が息子が道を外し、民を省みれぬ者になったら、この手でその首を落としましょう!」
マグリットの怒号に場が静まり返る。彼はバロックを見据えた。バロックは動揺することなく顔を引き締めている。
「よいな、バロック。もう、お前は息子ではない。民の為にその身を捧げよ」
バロックはマグリットと対峙した。
「もちろんです。マグリット辺境伯爵。私は今もこれからも民を思う気持ちは忘れません」
そして、バロックは父親と息子の情を切り捨てるように礼をした。
「どうか私が道を外さぬよう、監視の目を緩めないでください」
バロックが顔を上げると、マグリットははんと笑う。
「冠をいただく者が軽々しく頭を下げるな。馬鹿者が……」
その言葉にバロックはいつもみたいな笑顔を見せた。
マグリットは深く息を吐き出すと、これで話は終わりですかと、周囲に言う。貴族の多くは呆気に取られて、声も出せずにいた。
それを一瞥して、マグリットはグランドールに進言する。
「ムルソーをお返しください。重度の医療機関の医師が足りません。彼がいるだけで救われる命があります」
「分かった。他の医師も集めて水の領地に向かわせる」
「ありがとうございます」
マグリットが退室すると、ムルソーの派遣に眉をひそめる者もいた。
「ムルソー医師は殿下の御身をみていただかないと……」
それをグランドールは一喝した。
「治る病を救う方が価値がある。ムルソーは水の領地に返す」
それを聞いて貴族は黙ってしまった。
こうして、グランドールは王位に就くための懸念を残さず吐かせ、誰の文句も言わせないような体制を作り上げていった。
王が亡くなり、グランドールが王位に就く日、民は歓声の声を上げた。それを聞き、手を振りながら、声を裏切ることへの罪悪感をグランドールは感じていた。
戦争で共闘したグリッド国へもグランドールは訪問した。グリッド国ではザックが王位継承権第一位になっており、その事にグランドールは両国が良好な関係が続きそうだと思い、笑顔を見せた。
ザックは聖女であった妻のミーシャを紹介した。透き通るような茶色い瞳を持つ彼女は、もう会えないメロとディーンのことを思い出させた。
「メロ様とディーンに瞳がそっくりです……」
バロックが目が悪くなったグランドールにこっそり教える。それに目を細めていると、不意にミーシャは微笑みながら、グランドールの手のひらに指で文字を書いていった。
「これは……?」
ザックに尋ねると、彼は穏やかな声で彼女のしたことを説明した。
「聖女の励ましの歌の一節です。陛下に、励ましが届くようにと、妻が……」
「そうか……感謝する」
グランドールは目を伏せて、しっかりと手を握りしめた。
その後、戦後処理や、自国の安定、さらには他国との協力関係に、グランドールは命を注ぐように尽力した。彼の側にはシルフィがおり、彼女の琵琶の音はグランドールを励まし続けた。
しかし、グランドールの治世はわずか三年という短い期間に終わった。
その間にバロックを次期王にするための準備を進めていたため、内政に大きな混乱はなかった。だが、民はグランドールが病気で倒れ、起きれなくなるまで衰弱してしまったことを悲しんだ。そして、彼が生きているうちにバロックは玉座に座ったのだった。
その後の歴史家が綴った文献によると、バロックは長く安定した治世を築く。一人の少年を支えた彼は婚期を逃し続け、三十五歳になって、ようやく十二歳年下の南国の姫と婚姻を結ぶ。
彼女は見事な黒髪の持ち主で、周囲は生暖かい目でバロックを見つめたそうだ。
活発な姫はバロックを振り回したが、それは仲睦まじく過ごし、五人の子宝にも恵まれた。
夜も英雄だと影で言われたのは、内々の話である。
バロックは陛下と呼ばれることを嫌い、公の場以外、近しい者には名前で呼ぶように言い続けた。
「私は代理なのです。私は冠を頂くべき方のことを忘れたくはないのですよ」
近しい者にのみ、バロックは微笑んで言ったそうだ。
歴史が綴られた文献によると、英雄王バロックの治世、功績のことは多く書かれているが、前のグランドールの時代のことはその短さからか、さほど書かれていない。
グランドールの父王も、王族を腐敗させ、何も成し遂げなかった愚王として語られる事が多かった。
娘のロザリーナは惨殺、息子三人は病死。自身も王妃も早い病死と重なって、呪われた王家と語られることが多い。
グランドールも呪いを受けた一人であると書かれ、バロックを王に据えたのが功績として認められているぐらいであった。
グリッド国の自治領との戦で、一人、戦地に乗り込み、多大なる功績を残したディーンの存在も文献には残されていない。
人を励まし、救いを願った少女の存在も同様に書かれていない。
これは彼らの周辺が騒がしくなることを懸念したバロックが、記載をしないように配慮した結果だった。
グリッド国の聖女たちも大半が、婚姻を結び、人としての人生を歩んでいた。しかし、数名は聖女の力を人々に見せることを願い、神に使えるシスターとなり、警備が厳重となったグリッド国の大聖堂で、毎週、歌い続けていた。
声を失うことしか救う道がないと思われていた彼女たちへの道は、ようやく開かれようとしていた。
歴史を語る文献は、事実しか語らない。
どれ程の思いが込められて成されたものなのか語ることはない。
グリッド国自治領との戦い
たかが十二文字の文字の中に、幾千の怒り、痛み、苦悩、嘆き、喜びがあったかなど文献を見たものには分からないだろう。
しかし、彼らを知るものは、彼らの戦いを忘れない。
歴史に名を残さなくとも、少年は最愛の妻と穏やかな暮らしを手にいれた。
唄歌いの力を失い、二度と立ち上がれなくとも、少女は大好きな人に大好きと素直に言えるようになった。
愚王と言われ、息子と娘を失い、最愛の人と別れて身を滅ぼしても、王は望むままに腐敗した王家を止める助力ができた。
そして――
血を流すことを嫌った心優しき王子は、病床に倒れながらも、彼が望んだ安寧の声を聞くことができた。
穏やかな暮らしを彼は見ることはできないが、それでも彼が拾う音は優しく穏やかなもののみになっていった。
そして、もう一つ。
心優しき王子に贈り物があった。
それは、彼が拒み続けた愛を賜るというものだった。
グランドールは王位を去った後、離宮で静かな余生を過ごしていた。彼の目はもう暗闇しか映さない。
それは、悲しいものを見すぎた彼に、もう見なくてよいと神が与えた残酷な救いの道だったのかもしれない。
彼の目は何も映さなくなったが、彼の耳には常に心地よい琵琶の音が響いていた。
グランドールが漆黒の瞳を開く。すると、心地よい低音の声がした。
「おや、起きたのかい?」
側で付き添っていたシルフィが、微笑みながら声をかける。グランドールは口元に笑みを浮かべて、長い眠りから目覚めたような声を出した。
「シルフィか……あぁ……夢を見ていた……」
「どんな夢だい?」
「どんな夢だったかな……姉上の笑顔だったような気がする……」
「ふふっ。姫様は笑っていたんだね。それはよい夢だね」
シルフィはグランドールの布団をかけ直して、側に置いてあった水差しを手に取る。
「水を飲むかい?」
「あぁ……そうだな……」
グランドールはシルフィに支えられて口に水を含んだ。渇いた喉が潤っていく。心地よくなった喉に呆然としていると、シルフィは水差しを置いてくるねと、声をかけて離れた。
離れがたくて、グランドールはシルフィの方向へ手を伸ばす。その手を取って、シルフィはここにいるよと微笑み返した。
心地よい声を聞きながら、グランドールは不思議に思った。シルフィとの関係は何もない。ただ、シルフィは何も言わずグランドールの側にいた。最初から。そして、それはきっと最後まで変わらないような気がした。
それを人は何と呼ぶのか。
グランドールは殺し、拒み続けた一つの思いを尋ねた。
「なぁ……シルフィ」
「なんだい?」
「お前は……俺のことを……愛しているのか?」
まるで恋を初めてする少年のように尋ねてきたグランドールに、シルフィはおかしそうに笑った。
「ふふっ。今更かい? だから、坊やだっていうんだよ」
シルフィは水差しを机に置いて、グランドールの手を両手で包んだ。
「愛しているよ。グランドール」
その名前を、愛しげに呼ばれるのは、久しぶりだった。グランドールの頬が嬉しそうに緩む。そして、漆黒の瞳から一筋の涙が流れた。
「そうか……俺はずっと……愛に救われていたんだな……」
いくら拒んでも彼の心を癒すのは、救うのは、彼を思う愛だった。
死神の鎌が手を離れ、重すぎる王冠から解放された彼は、ようやく本来の自分に戻れた。
惜しみない愛を抱きしめ、泣ける自分に。
肩を震わせて泣く彼の頭をシルフィが抱きしめる。その体を抱きしめながら、グランドールは口元に笑みを浮かべた。
「最後まで側に居てくれ……」
「……当たり前だよ。愛しているんだから」
グランドールが一番ほしかったものはなんだろうか。
彼がほしかったのは全てを壊す力ではない。
彼がほしかったのは、この腕の中におさめられる愛だった。
空に天使の梯子がかかる。
遠い地で聖女が歌っているのかもしれない。
ようやく手に入れられた願いを祝福するように。
雲間からは幾つも光が伸びて、空を揺らしていた。
あとがき
グランドール編を書きながら、なぜこの話を書こうと思ったのか、自分に尋ねながら書いていました。
そして、この話を書く前、とあるマンガの一シーンを思い出しました。そのシーンは戦争が終わったシーンで血を流し、死んだ兵士が何人もいるシーンでした。わずかひとこまですが、それは酷い戦争だったことを思わせるシーンでした。
その名もなき兵士の亡骸を見て、なぜ、彼は剣をとり、命をかけて戦ったのだろうかと、不思議でなりませんでした。人を殺すのも、人に殺されるものも怖いものです。ファンタジーの世界だから、そういう世界だからという概念を越えて、彼が剣をとり命をかけた理由を私は知りたくなったのです。
この話の主人公の三人は歴史に名を残す人ではありません。ロザリーナもまた無惨に殺された姫として語られることでしょう。
しかし、彼らには命をかけて戦う理由があった。そんな歴史に名を残さない人々の話をこの話では書きたくなりました。
あのシーンで死んだ兵士がなぜ、剣をとったのか書き終わった今もわかりません。でも、彼は命をかけて戦う理由があったのだろうな、と想像します。
無駄に血が流れない。そんな世界になってほしいなと願っております。
最後に、短編のときにご指摘をしてくださった皆様。間を置いてしまったにもかかわらず、待っててくださった皆様に感謝を。
ありがとうございます。
ようやく完結することができました。
―――追記
2019.10.19 日間純文学(文芸)で一位になりました。
ブックマーク、評価ポイントを入れて下った皆様ありがとうございます。重い話なので、あまり伸びるとは思っておらず、とても驚きました。それにも増して、最後まで読んでくださったことに感謝しかないです。ありがとうございます。
くろりす




