第四話 「帰り道」
二人が幼なじみと気づいてから
あれから数週間。
放課後は、三人で帰ることが増えた。
***
商店街。
栞「あっ、この駄菓子屋!」
一真「まだ残ってたのか。」
那月「店のおばちゃん、俺たちのこと覚えてるかな。」
栞「当たり出るまで帰らなかったっけ?」
一真「迷惑な客だな。」
栞「うるさい。あんたらも同罪でしょうが」
三人で笑い合う。
あの頃の時間が再び動き出したような
そんな日常だった。
***
翌日の昼休み。
三人で、一緒にご飯を食べる。
栞はおばあちゃんのお弁当。
二人は購買のパン。
栞「そういえば、一真」
一真「聞くな」
栞「まだ何も言ってないけど」
一真は、中間テストのことだと悟る。
那月「エスパーカズマ降臨した」
那月がふざけて言う。
一真は、勉強が苦手。
クラスでは
補習のレギュラーメンバーとまで言われる始末。
栞が一真の顔をじっと見る
栞「眼鏡キャラなのにね」
一真「うっせ、調子乗んな(・д・)チッ」
しばらくして
キュルル〜
お腹の音が聞こえた
栞は卵焼きを箸でつまむ。
何も言わず、
そのまま那月の口へ。
那月「んぐっ!?」
那月は慌てて飲み込み、
少し笑った。
那月「……美味しい。」
一真「強引すぎだろ。」
栞は、またひとつ卵焼きを箸でつまむ。
そのまま一真の口へ。
一真「んぐっ!……美味い。」
栞「不味いって言ったら殺そうと思ってた」
一真「せめて、予告ぐらいしてくれや怖ぇよ。」
那月と一真は笑いながらパンを頬張った。
三人の笑い声が、
青空へ溶けていった。
***
放課後。
三人で商店街を歩く。
肉屋の前で、
一真が立ち止まった。
一真「コロッケ安いし、美味そうだ」
那月「兄貴食べたい!買って買って」
一真「うるせ、買ってやるから大人しくしろ」
一真は三つ注文した。
那月はコロッケを嬉しそうに食べていた。
***
夕焼けが町を赤く染める。
栞「那月は単純だね」
一真は少し笑った。
一真「お前は相当トゲトゲしてるよな」
栞「あんたの刈り上げよりマシでしょ」
那月は呑気に空を見上げながら、
鼻歌を歌っていた。
その背中は、
どこか楽しそうで。
どこか寂しそうだった。
第5話へ続く▶︎▶︎▶︎▶︎




