第二話 「一真」
那月を引っ張り、購買へ向かった。
一真「おい」
那月「なんだよ(泣)」
さっきのは何だったのか話を
聞こうとした矢先
那月が大量のパンを買おうとしていた。
一真「おめ、バカ!」
ポカンと那月の頭を叩いた
一真「夜の飯が無くなるだろうが」
那月「俺を餓死させる気か、この鬼(泣)」
俺はため息をついた。
那月は、
俺の家族に頼るのを嫌がった。
「迷惑はかけたくない。」
あいつはそう言って、
高校に入ってすぐ一人暮らしを始めた。
あいつが決めたことだ
最初は、口を挟まず見守ることにした。
別に、
会えなくなるわけじゃない。
学校へ行けば顔は見られる。
何かあれば、
すぐ駆けつけられる距離だ。
だから俺は、
追いかけなかった。
……けれど、その半年後。
気付けば俺は、あいつの部屋で生活するようになっていた。
あいつを一人にしたら、
いつか、
ふっと消えてしまいそうだったからだ。
***
俺たちは屋上で、
パンをかじっていた。
今日は雲ひとつない青空だった。
吹き抜ける風が、
少しだけ汗をさらっていく。
視線の先、
屋上の日陰で
弁当を食べている転校生が見えた。
さっき那月が話しかけていた奴だ。
……ずいぶん気の強そうな奴だ。
俺なら、
あんな目で睨まれたら近寄らねぇ。
すると、
隣でパンを食べていた那月が、
ぽつりと口を開いた。
那月「なぁ、一真。」
一真「……ん?」
那月「昔、よく遊んでた女の子、覚えてる?」
パンを持つ手が止まる。
ああ。
覚えてる。
夏休みも、
冬休みも、
暗くなるまで一緒に遊んだ。
三人で笑って、
三人で走り回って。
でも。
あいつは引っ越した。
もう会うことなんて、
ないと思っていた。
那月「……あの子。帰ってきた。」
俺は、
ゆっくりと那月の方を見た。
一真「……は?」
第3話へ続く▶︎▶︎




