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初めてのお仕置き

メイド見習いとして働き始めた紗希は、屋敷内の厳しいルールと慣れない業務に四苦八苦していた。特に起床から就寝まできっちりと決められた時間割は、自由奔放に育った紗希にとってなかなか順応するのが難しかった。


ある日の午前中、朝食後の片付けを終えた紗希はキッチンから廊下に出て、持ち場に向かっている時のことだった。


「あっ!ごめんなさい!!」


急いで小走りになった紗希は曲がり角で別のメイドと正面衝突してしまった。お互いによろけて数歩後ずさる。


「痛……」


相手のメイドは腰の辺りを押さえている。どうやら紗希が突っ込んでいった拍子にぶつけたらしい。


「す、すみません!本当にごめんなさい!」


紗希が慌てて謝罪すると、相手のメイドは少し呆れた表情で答えた。


「廊下を走っちゃいけないって何度も言ってるでしょ?何度同じ失敗をするつもり?」


「本当にごめんなさい!つい急いでて……」


紗希が頭を下げた時、廊下の奥から神崎の冷たい声が飛んできた。


「何の騒ぎですか?」


二人が振り返ると、神崎がこちらへ歩いてくるところだった。すぐに状況を察したのか、神崎は険しい表情になる。


「廊下で立ち往生とは……何か問題があったのですか?」


「いえ……私がちょっと……」


紗希が言い淀んでいると、相手のメイドが代わりに説明した。


「紗希さんが廊下を走っていて、私にぶつかったんです。何度も注意されているのにまた同じ失敗を……」


神崎は無言で紗希を見つめる。その威圧感に耐えられず、紗希は自然と頭を下げていた。


「申し訳ありませんでした……」


神崎は溜め息をつくと、「来なさい」と短く命じた。


連れていかれたのは玄関ホールの片隅にある、準備室と呼ばれる小さな部屋だった。入るとそこには机や長椅子があり、壁際にはいくつかの革製品が並んでいる。


「君はなぜここに呼ばれたかわかっていますね?」


「はい……廊下を走ってぶつかってしまいました」


「三度目です。何度も注意したはずですが」


神崎の声には厳しさが滲んでいた。


「貴族の屋敷には、高価な調度品や食器類がたくさんあります。万が一の事故が起こらないように、廊下を走らない事が決められているのです。」


「は、はい…」


「いくら急いでいても、冷静に行動しなければなりません。」


「何度言ってもわからないなら、お仕置きが必要です。そこの机に両手をついてスカートを上げなさい」


その言葉に紗希の顔から血の気が引いた。以前見た鞭打ちの光景が脳裏をよぎる。


「はい……」

震える声で返事をすると、紗希は言われるままに机に両手をついた。自然とお尻が突き出され、叩かれるのに最適な姿勢になる。この姿勢だけでも恥ずかしいのに、規則とはいえ男性の前でスカートを上げるのはためらわれた。


(…恥ずかしい…でも、ちゃんとしないと…)


紗希は意を決して、スカートの裾に手をかけた。そして神崎の監視のもと、ゆっくりとスカートを捲り上げた。白いペチコートの下から白い下着が露わになる。


神崎はその様子を見て静かに頷いた。

「そのままにしていなさい」

そう言うと壁際の棚からパドルを取り上げた。革製のそれは先端が緩やかな円弧を描いている。


「これは革製のパドルといって、子供のお尻を叩くための道具です。初心者向けとはいえ打たれたらかなり痛いでしょう」


紗希は身を強張らせた。下着越しとはいえ直接的な痛みを与える道具だと本能的に理解していた。


「いきますよ」


神崎がパドルを振り上げる。次の瞬間—


パンッ!


乾いた音が響いた。下着越しに伝わる衝撃に紗希は思わず息を詰めた。


「くぅっ……!」


パンッ!パンッ!


続いて二回目、三回目の打撃。パドルがお尻に振り下ろされる度に鋭い痛みが走る。


「ひゃっ!……あぅ!」


痛みに耐えきれず小さな悲鳴が漏れてしまう。お尻が打撃の熱で温まっていく感覚が妙に生々しかった。


バシッ!ビシッ!


合計五発打たれたところで神崎は手を止めた。


「終わりです。服装を整えて仕事に戻りなさい」


紗希は息を切らしながらスカートを直した。お尻にはまだ熱い感触が残っている。


(こんなに痛いなんて……)


廊下を戻りながら紗希は思った。今までは他人事だと思っていたお仕置きが、現実のものとして身に沁みていた。



初めてのお仕置きに涙目になりながら持ち場に戻ると、同い年のメイドの詩織が心配そうに話しかけてきた。


「紗希ちゃん、お仕置きだったって…大丈夫?」


「…詩織ちゃん…」



詩織とは同世代ということで最初に親しくなった。紗希は少しホッとするものの、やはりお尻に残る痛みが辛くて涙が出そうになった。


「痛いけど平気。ありがとう」


弱々しく笑う紗希に、詩織は小さな水筒を渡してきた。


「これを飲んで落ち着きなよ。ハーブティーだから」


「うん……ありがと」


温かい飲み物が少しだけ気持ちを和ませてくれる。


「紗希ちゃんは初めてのお仕置きだったよね。私も最初の時は、ショックで泣いちゃったよ」


「え、詩織ちゃんも?」


「みんなそうだよ。メイドとして働く以上、お仕置きは避けて通れないけど、一緒に頑張ろうね。」


「ありがとう、詩織ちゃん。元気出てきたよ。なるべくお仕置きされないように頑張ろうね。」

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