目撃
見習いメイドの日々は目まぐるしく過ぎていった。慣れない環境で必死に毎日の仕事をこなした。同じ年頃のメイドとも仲良くなり、仕事にやりがいと充足感を感じ始めていた。
そんな紗希がメイドとして働き始めてから、3日が過ぎようとした頃、初めて神崎から聞いていた「お仕置き」を目の当たりにすることとなる。
ある日の朝礼の最中、3分遅刻してきたメイドが慌てて駆け込んできた。気まずそうに入室した彼女に、神崎が静かに歩み寄る。
「美咲さん、決められた時間に遅れた理由は?」
「すみません……寝坊してしまって……昨日の夜は寝付けなくて……」
神崎は冷たい目で彼女を見据え、「言い訳は結構。遅刻は即ち職務怠慢です」
そう言うと彼は壁にかけてあった細長い鞭を取り上げた。美咲の顔色がサッと蒼白になる。
「お許しを!本当に反省してます!次からは必ず……」
「言葉より行動で示してください」
神崎は容赦なく告げると、鞭を片手に持ち替えた。
「これがこの屋敷の掟です」
美咲は震える足で後退りしようとしたが、神崎は素早く彼女の肩をつかむ。
「自分でスカートを持ち上げて後ろを向きなさい」
命令されると抵抗できないのか、美咲は涙目になりながら神崎に背を向け、ゆっくりと裾をたくし上げた。白いペチコートの下にピンクの下着が露わになる。
「い、いや……許してくださ……」
懇願の言葉が終わらぬうちに、
パシン!
鋭い音と共に細い鞭が美咲のお尻を打った。下着越しではあるが鮮烈な音が部屋中に響く。
「ああっ!!」
悲鳴を上げて床に崩れ落ちる美咲。紗希は目の前で起こった出来事に呆然としていた。周囲のメイドたちも沈黙したまま見守っている。
「二度と同じ失態を繰り返さないように」
神崎は冷静に言い放つと鞭を元の場所に戻した。床にうずくまる美咲の背中は微かに震えている。
「美咲さん。立ち上がって仕事に戻りなさい」
神崎の厳しい声に美咲は必死に体を起こした。目に涙を浮かべながらも指示に従って立ち上がり、他のメイドたちと共に作業場へと向かっていく。
紗希はまだ震える唇を抑えることができなかった。
(みんなの前でスカートを上げて鞭で打たれるなんて…!)
「あれが……お仕置き?」
誰に聞くともなしに呟いた言葉に、傍らにいた年上のメイドが小さく首を振った。
「まだ軽い方よ。あの子はいつも大げさね。遅刻くらいじゃ本気でお尻を剥かれることはないわ」
それでも恐怖は消えない。自分の将来が突然不安になった紗希は固く拳を握りしめた。
(絶対に遅刻なんてしない……)
そう誓う一方で、この屋敷の掟の厳しさを改めて思い知らされた一日だった。




