表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オブリビエイト・リインカーネーション〜前世の記憶が無い転生者は自らの過去を探す〜  作者: 波来
第一章第一幕 前世を探す者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/40

マゼンタ戦

放たれた《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》。


青色の熱をと光を帯びたその弾丸は青色の軌跡を描きながらマゼンタに向かって飛んでいく。


着弾した瞬間にドガァァァァァァン!とけたたましい音を立てる。

その衝撃で建物の4階の天井から屋上までが全て吹き飛んだ。


ガラガラと瓦礫が崩れる中、外を少しだけ見れば、騒ぎを見た一般市民達が逃げている様子が見えた。

レイン達が避難誘導をしてくれている。


「騎士団の二人は今すぐに本部に支援要請を」


「わ、分かった。リーシャ嬢もご武運を」


「おう」


そう言って騎士団の二人は私の魔法で崩れた所から飛び降りていった。


流石は騎士団、身体能力はあるな。


「私を無視するとはいけない子ですね」


青炎魔弾(ガルマ)》を連続で私目掛けて放ってくる。


「いいや、ちゃんとお前だけ見ているから安心しろよ」


魔力を纏った手でそれらの魔法をつかみ、握り潰す。

多少の熱は感じるがこの程度どうと言う事はない。

こんなチャチな魔法よりも竜のブレスの方が熱かった。


目の前にいたはずのマゼンタの姿がブレる。

突然後ろの方に気配を感じ、パッと振り向けば目の前にマゼンタの拳があった。


先ほど私が魔力を込めたように、奴も威力の向上を行っている。


当たればなかなかに痛そうだ。

それに脳に当たれば振動で思考が鈍ってしまうのは必至。

そんなことになれば一瞬とはいえ隙を晒してしまう。


ビュン!と拳を振ったはずなのに風切り音が響く。


「ふぅ」


確かに当たれば一瞬だが致命的な隙を生み出す。

そう、()()()()だ。


腰を思いっきり反り、スレスレのところでマゼンタの拳をかわした。


「反射神経もなかなかですねぇ」


「それはどうも」


反った勢いで右足をマゼンタの股間目掛けて振り上げる。

しかしマゼンタはそれを間一髪のところで避ける。


くっそ、男は股間のブツを蹴ったら悶絶するって母さんが言ってたのに……。


まぁ悪魔にブツがあるかは知らんが。


「《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》!」


「《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》」


私が魔法陣を展開したのを見てすかさずマゼンタも同じ魔法陣を展開する。


奴の練度が相当あるのか、私より後に展開したのに全く同じタイミングで青き炎の弾丸が打ち出され、それらが空中で激突し、破裂する。


そこら中に炎の弾丸のカケラがばら撒かれ、私の服を切り裂き、皮膚の一部に傷をつける。

マゼンタは服こそ切り裂かれたものの、皮膚に一切傷はない。


「だったら……」


一瞬でマゼンタの懐まで近寄り、奴の腹部目掛けて魔力を込めた拳を思いっきり殴る。


「ぐぅ……」


くの字に折れ曲がったマゼンタの身体からポキッという音が聞こえ、そのまま吹き飛んでいった。


瓦礫の壁をもろともせず一直線に北の方角へ吹っ飛んで行ったマゼンタ。


それを足に力を込め一気に蹴り出して追いかける。


あ、増援とか来るのだろうか。

来るならここに来るだろうしなぁ、と思っていたら下の方でレインが親指を立てていた。


任せておけ、ってところかな。

説明はレインに任せよう。


吹き飛んだマゼンタが二十キロほど離れた場所にある山の地面に激突した。

衝撃で木々は倒れ、土埃が巻き上がり、山の斜面の一部が崩壊する。


「おっとっと」


飛んでいたところのブレーキを掛けて空中で静止する。

飛行魔法、《飛行(メル)》でその場で留まっていると、巻き上がった土埃が一瞬で吹き飛び、それと同時に青き弾丸、《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》が飛んできた。


それをすんでのところでいなし、放たれたところへと《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》を数発放つ。


「なかなか行儀の悪いお嬢さんですねぇ!」


破群青魔弾(ディガ・ルマド)》を全て弾き返したマゼンタは声を上げながらこちらへ飛んでくる。


今までのどの動きよりも早く、一瞬で近寄ってきたマゼンタに殴りかかられる。

魔法を展開する間もなく、出来たのは腕で少しでも防御する事だけ。


バキバキと音を立てマゼンタの拳を受け止めた腕には、鈍い痛みが走り続ける。

骨が逝ったか。


「おやおや、貴女の身体はどうやら人にしては硬いようですが、我々のそれよりはやわらかいようですねぇ」


「はっ、そんなもんで充分だよ。ツノが生えた魚類人間を殺すにはな」


マゼンタを煽りながら空気を踏み締め、それを思いっきり蹴る。

マゼンタのスレスレのところを通過した、マゼンタからさらに離れた場所へと飛んでしまう。


「おやおや、慣れない戦いでは私を倒す事など、ぐぉっふぉぉ!」


飛んで行った先で同じように空気を蹴り方向転換した私は真っ先にマゼンタの背中目掛けて脚を蹴り上げる。

うめき声を上げはするものの、吹き飛びもしない。


「ふっふっふ……痛いじゃぁ無いですか、リーシャさん……」


「はっ」


今の戦法は有効打に欠けている。

コイツらの背後に何かいると父さんも言ってたし何かあった時に出来れば隠しておきたいこともあるんだが仕方ない。


腰にかけてある一振り。

バゼルから譲り受けたあの刀だ。

それを鞘から抜き放つ。


「なっ……!?」


勝手に奪ってくる魔力だけだとしても、絶大な切れ味を誇るそれは、紫色の魔力帯びる。

それを思いっきり振り上げれば、斬撃がマゼンタ目掛けて真っ直ぐに飛んでいく。


「くっ、まずい……!」


ここでマゼンタが初めて焦ったように私の攻撃を回避する。


遥か彼方へと飛んで行った斬撃を一瞥して、再びマゼンタの方を向く。


「なぜ……貴女がそんなものを持っているのですか……!」


「なぜ、と言われてもねぇ。私はこれたまたま寄った武器屋で手に入れたもんだ。手に取ったら思いの外手に馴染んだから貰ったまでよ」


「その刀」は……かつて先に大戦で勇者が使っていたとされる妖刀。我ら悪魔族が、異界の地へ追いやられる原因となった剣……!ここ数千年そんな剣が世に出てきたという事はないというのになぜ貴女が…………!?」


「知るか。私が使えそうだから使っているだけだよ」


特に流派とか知らんから完全に独自のやり方だが、構える。


空いている方の腕を突き出し《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》を放ちながらマゼンタに近寄って、刀を振るう。

今までとは違ってその刀で斬ると多少の抵抗はあるものの悪魔の体をスパスパと斬れる。


「くっ……まずい……この刀は悪魔特効が……」


「へぇ、そうか。それは面白いことを聞いた」


この刀には悪魔特効があるらしい。

それならば話は早い。


「今までの威勢はどうしたぁ!マゼンタぁ!」


マゼンタも収納魔法から一振りの剣を取り出す。

硬さだけはあるようで、私が振り下ろした刀を受け止めた。


「くっ、完全に想定外です……!まさか勇者が使っていた刀を持っていようとは」


腕に力を込め、思いっきり振り下ろす。

マゼンタの剣がピシッと音を立て私の刀を受け止めたところにヒビが入る。


剣を守るためにマゼンタが魔力で補強しようとする。

だがこの刀は悪魔特効があるようで、悪魔の魔力を弾いてしまう。

故に補強した魔力は一瞬で霧散。

ヒビがピシピシを入っていきさらに不安定な状態へとなる。

それを皮切りにマゼンタの剣の全体にヒビがが入り、砕け散った。


「……っ!」


「これで……、終わりだ!」


思いっきり剣を振り下ろし、マゼンタを一刀両断しようとする。

だが再び剣を取り出したマゼンタが、その剣を思いっきり振り上げたことで刀は一瞬均衡し、それぞれ剣が吹き飛ぶ。


マゼンタが勝ち誇ったような顔をして魔法陣を展開する。


「《破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》」


炎系統の魔法で最も威力の高い魔法。

破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》はまさに最も強い炎魔法。

ただ光って軌跡を残して打ち出され破裂する弾丸の《破群青魔弾(ディガ・ルマド)》とは違い、《破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》は打ち出されるのが太陽の如き砲弾。


ヌッと魔法陣から姿を見せるそれから発せられる熱が私の服を、髪を、皮膚を焼く。

放たれる前の時点でこれほどの力を持った砲弾だ。当たればタダでは済まないだろう。


「くっ……」


砲弾が打ち出され、それが私の身体の一部を焼く。

なんとか魔法を展開して身体を保護したが、右腕の肘の辺りまで焼けてしまった。


遥か彼方へと飛んで行った《破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》を気にする暇もなく、次弾が放たれる。


「《破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》」


次の砲撃は私がまとった防護壁を焼き尽くし、身を曝け出してしまう。

再び防護壁を纏う暇なく次弾が放たる。


流石に終わったか……


「リーシャ!受け取れぇ!」


ふと聞こえてきたのはレインの声。

遥か下の方から飛んできた刀を受け取り、マゼンタの魔力で出来た《破群壊魔炎砲(ディガ・ゴレアド)》を斬りふせる。


「なっ」


「わりぃな。まだ私は死ぬわけにはいかんようだ」


思いっきり刀を振り下ろし、マゼンタの身体を袈裟斬りにする。

マゼンタの切り裂かれた断面が煌々と光り輝く。


そこが今まで以上に大爆発を起こし、爆炎を撒き散らす。


その爆発をモロに受けた私は地面の方に思いっきり吹き飛ばされた。


ぶつかる、と思った瞬間、何かに衝撃を吸収されるようにして抱き抱えられた。


「あぁ、なんだレインか……」


「うん、無事……なわけないか」


「この惨状を見て無事と思えるならお前の頭を無事じゃなくするところだった」


「ご勘弁を……」


「冗談だよ」


にしても身体がいてぇったらありゃしない。

服の付与魔法と回復魔法でなんとか回復しているがまだ焼け爛れていて痛い。


「ふぅ……疲れた」


「お疲れリーシャ」


「全くだよもう……」


「にしても、これでマゼンタはもう……」


「いや、アイツは生きているさ」


「え」


「この刀がいくら悪魔特効を持っているからと言って斬ったら爆発するなんて事はない。それは今まで戦ってきたから分かるが」


「だったら……」


「まだどこかに生き延びているはずだよ。だが……次会えば必ず殺す」


「…………あ、おろそうか?」


「いや、もう少しこのままにしてくれ。なんとなく……落ち着くから……すぅ……」


そこで意識が途切れた。

なんか恥ずかしいことを言った気がするけどそんなの考えてられる暇なんか無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ