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血ぃすーたろかー47回目

 さて、モスカーから飛行機に乗ってイギリスがアイルランドの沖にいる艦隊が旗艦比叡の船長室に。艦隊の周りには大量の木造船が集結しており、縄やらハシゴやらを掛けて乗り移ろうとして機械歩兵や微妙に動いている船の速力で振り落とされている。

 ナンジャコリャ……


「オイ、何だあれ?」

「昨日からあの感じでした。船内に乗り込まれていないので報告の重要性は皆無だと思い報告しませんでした」

「情報は集まったのか?」

「ええ。どうやらイギリスにはオークが大量に居るようです。オーク達が彼処を占領しているそうです」


 オーク?


「オークってあれか?緑色の肌で男しか居ないとか女をみたら即レイプとか。そういう奴?」

「その認識で良い様です。

 どうしますか?」


 どうしますかってお前……


「ヘルシングに拷問レイプされるか、オークをぶっ殺してヘルシングに褒められるか。どっちが良い?」

「私はどっちでも構いませんが」

「私はオークぶっ殺すわ!

 ナメロボは黙ってなさい!」

「私はハーカーです。ナメクジロボットではありません」


 ハーカーとノンナが下らん言い争いを始めたので放っておこう。

 オークは何処から来たんだ?


「じゃあ、取り敢えずイギリス本島に行ってみるべ。

 第二次、いや第三次ゼーレヴェ作戦だ」

「第二次ゼーレーヴェ作戦の方がよろしいのでは?

 ゼーレーヴェ作戦は計画だけで実行されていません」


 ハーカーがディスプレイに表示される。


「計画ではドーバー海峡を渡り3箇所から上陸する計画です」

「お前は勉強が足りん。足らんさすぎるぞ、ハーカー君。そんなことだからナメロボと言われるのだ。

 吸血鬼に寄るイギリス本土上陸作戦を先駆したのは他でもないナチスドイツが残党、ミレニアム大隊だ。我々はその後塵を拝する為に第三次ゼーレヴェ作戦なのだ。

 まぁ、ロンドンを攻撃するかどうかは実情を見なければ何とも言えんがね。ドイツ軍は船で上陸した。ミレニアム大隊は飛行船。じゃあ、我々はどうする?」

「どうするのです?」


 どうしよっか?


「飛行機で行けばいいじゃない!

 チンタラ歩くのは嫌よ!」

「よし、じゃあ飛行機で行こう。

 ぶっちゃけ、イギリスとか全然知らんし。グーグルアースで旅して旅行した気分に成ることも出来ないからな!」


 で、アナーキン達はもう用済みなので帰らせるために駆逐艦二隻に乗っけて帰れと命令。


「わ、私達も是非、ご同行させて下さい!」

「危険が伴うぞ?」

「構いません!

 私達、ヘルシング様と居るよりオークと戦ったほうが良いです!」


 アナーキン、心からの懇願。どんだけヘルシング怖がられてるんだよ。

 ヘルシングを知らないテチ公派遣団の団員はイギリスなんぞよりもさっさと日本に行きたいという顔をしているが、テチ公もアナーキンの意見に賛成らしく首をコクコクやってる。


「まぁ、良い。ならば希望者は前に出ろ」


 言って前に出たのが全員。アナーキンは当然としてゲイリー。ゲイリーが行くと成れなニーナも付いて来る。アナーキンの友達であり、やっぱりヘルシング恐怖症のテチ公も付いて来る。と、成るとテチ公を団長とする遣日占星布教団達も付いて来ることに成る。派遣団は全部で200人位。全員、テチ公が長を務める西方軍管区から選りすぐって選ばれた精鋭中の精鋭らしい。

 どうでも良いけどね。


「多過ぎる。

 特に、テチ公の子分共はそんなに要らん。邪魔だ。2人選べ」


 テチ公に告げるとじゃあーお前とお前と言うレベルの無作為さで先頭に立っていた騎士二人を指差した。

 もうちょっと作為的に選んだれよ。彼等の中にだって順列があるんだからさ。


「貴様等の中で2番目と3番目に強い奴が同行せよ」

「い、一番ではない理由は?」

「一番強い奴を抜いたら貴様等本隊を誰が守る?

 我々の艦隊に居れば安全ではあるが、それは確実なことではない。この船とて人造物。沈む時は沈む。そして、沈んだ時、大海に投げ出された貴様等の指揮は誰が取る?一番強い奴だ。

 故に指揮を取らねば成らん最も強い奴はこの艦隊に残しておく。次席と三番がテチ公の後に続いてイギリスへと上陸する」

「な、ナルホド。流石神が遣わせし御方……」


 いや、常識やろ。

 それから何名かが呼び出され5分ほど話をしてから若い男と中年のオッサンが出てきた。若い奴は17,8だろう。新進気鋭の何とかってやつ。おっさんの方は30代後半から40代前半。ゲイリーと違って中々に逞しい上に老練した感じの強そうなオッサンだった。


「私とこの者が同行致します」

「ん」


 ゲイリーとオッサンを見比べているノンナがこっちのオッサンのほうが強そうね!と多分その場に居た全員が思っていた事を平然と口に出した。


「ゲイリーはもう少し運動するべきね。オークに食われて死ぬわよ!」

「えぇ!?ま、守って下さらないのですか!?」

「目に付く範囲では守ってやろう。だが、不意を突かれたり数で押してくるようならば貴様等は自分で自分の命を守れ。私達とて万能ではない」


 搭乗開始と後方甲板に着陸しているオスプレイに向かった。

 オスプレイは攻撃機仕様の物も同行し、何時でも航空機に寄る攻撃が出来るようにスタンバらせておく。バトル・オブ・ブリテンですわ。ブリテン側からの反撃は一切ないけど。

 オスプレイに乗り込み、アイルランド沖からロンドンへ一飛び。スピットファイアの迎撃も無ければハリケーンのお出迎えもない。

 実に静かな旅であった。


「何処に着陸いたしますか?」

「あ~?

 じゃあ、彼処行こう。ロンドン塔。ビックベンでも良いけど」

「ではビックベン及びウェストミンスター宮殿へと着陸します」

《イギリスハロシアノ敵デシタ》


 イギリスもロシアっつーかソビエトは共産主義者で大嫌だったから安心しろよ。

 ルーデルがイギリス人に「この勲章は私しか持っていない」って自慢したらイギリス人が「その勲章のために一体何人の若き命が散った事か」と嘆いたそうだ。しかし、ルーデルが「この勲章を取った時私は東部戦線にいた」と言うとイギリス人は満面の笑みで「それはよくやった。共産主義者なら何の問題もない」と言った。

 イギリス人は共産主義者が嫌いなのだ。ブルジョワジーな世界だから。


「そう言えば、大英博物館とかルーブル美術館ってどうなってるんだろう?」

「記録によればナノマシンによる保全を活用しているので機械が壊れていなければ残っているでしょう」

「そっかー

 まぁ、一応機械歩兵を派遣して大丈夫なら俺等で回収しちまおうぜ。モナリザ俺の部屋に飾る」


 ゴッホのひまわりとかも。


「ええ、無事なら我々が管理した方がいいでしょう。

 オークに壊される前に」


 壊される前に!無事だったらだけどね。

 100億円出したって買えないからね。


「……で、着陸したは良いけどさ」

「ええ」

「オークって何処に居るの?

 つーか、マジで人居ないじゃん」


 何か歴史的な建物とかは残ってるけど、それ以外のビルとかは普通に崩れてる。今も、研究所のようにロボットが修理してるんだから凄いね。

 人が居ないのに。彼等も自我が有れば何で自分達はこれを整備してるのか?とか考えてるんかね?まぁ、良いけどさ。


《ツェペシュ様、彼処ニ生体反応ガアリマスヨ》


 プラウダが指差す先を見ると何やら苔むした瓦礫の山がある。多分大きなビルが立っていたんだろう。木々も生えている。

 目を凝らすと確かに何かが居る反応があった。


「おや?あっちからも反応もありますね。

 おや?逃げていきますね」


 ノンナを見遣り、ハーカーとゲイリー達を連れて逃げた方を追えと言い、俺は山の方に行くと告げる。


「分かったわ!」


 ノンナは行くわよ!と言うと走って行ってしまう。ハーカーはゲイリーとニーナにテチ公の護衛を引き連れて走っていった。

 此処に残ったのはプラウダ、テチ公、アナーキンだ。


「では、行くぞ」

「はい!」


 因みに、テチ公とアナーキンも一応武器を持っている。テチ公はメイス、アナーキンは槍だ。プラウダは90式突撃銃と呼ばれるブルパップ式アサルトライフルを持っている。ノンナの時代に試作されていた突撃銃らしい。ノンナが船の上で作ったそうだ。

 俺は旦那銃を抜いてから山を登る。木も生えており、また何処からか飛んできたのだろう土もあるので瓦礫の山という割には確りとしている。


「し、白き人……」


 そして、山の頂点に立つと向こう側に確かにオークが居た。深緑色と茶色が入り混じったような肌で、筋骨隆々。鼻は潰れており、口元からは犬歯が発達したと思われる牙のようなものが飛び出ていた。その相貌は赤色で、髪は無い。

 身長は1メートル80から個体によっては2メートル超えてる者も居る。手にはスレッジハンマーのような物を持っている。

 オークが全部で6体居た。


「な、何あれ!?」

「見た事のない魔物、です!」

《アメリカガ開発シタ生物兵器デスネ》


 ……ん?


「プラウダ、今、何と言った?」

《デスカラ、アメリカ合衆国国防高等研究計画局、通称DARPAガ開発シタ生物兵器デス。

 我ガロシアモ同様ノ研究ヲシテオリ、現在ノエルフヤ獣人ト呼バレル者ハ生物兵器ノ投与実験ヲ受ケタ兵士デス》


 マジかよ……


「貴様達下等人種は嘗ての生物兵器だったのか?」


 後ろ槍とメイスを構えているテチ公とアナーキンを見る。二人ははぁ?と意味ワカランチンと言う顔で俺を見つめ返した。どうやら知らんらしい。


「白き人よ!我々をお導き下さい!!」


 オークの一人がハッキリとした英語でそう叫んだ。


「めっちゃ英語喋っとりますがな。

 どういうこっちゃ?」

《アメリカ人ガ英語ヲ喋ッテ何ガ行ケナイノデショウカ?

 私モロシア語ヲ喋ッテイマス》


 せやなーワシがアホやったわなー

 まぁ、良いわ。問題は其処じゃねぇ。白き人って所だ。何だよ、白き人って。俺の事か?この中で一番白いのは俺だもんな。


「貴様達の名は?」

「我々には名前はありません。我々はオークです。

 O.R.C、ALL ROUND Commandoの略称です、白き人よ」

「貴様達は何処から来た?」

「西から来ました。東の果てにある島に行けば我々の指導者たる白き人に会えると古くから言い伝えられていました」


 頭が痛くなってきた。

 オーク、つーかORCなのになんでALLなんだ?普通はARCに成るんじゃないの?其処をプラウダに聞くと、ALLは時としてOLLと書かれるそうだ。OKの元になった語源も本来はALL CollectをOll Collectと書いて略した物だと言う説があると言われた。

 つまり、Oll=Allなんだと。へー、OKってちゃんと語源あるんだな。当たり前か。


「その白き人とは何だ?」

「貴方様の事です。

 我々を創り出した主たる者は白き肌、白き顔、白き髪をしていた。白き人は我々に言語を与え、使命を与えた」


 確かに、俺の格好に合致する。多分、その白き人は研究所のキチガイ博士共だろう。白き肌、白き顔は多分マスクと白衣で白き髪は研究主任が年寄りだったか白い帽子被ってたからだろう。

 最悪、真っ白い防護服着て作業してたんだと思うよ。


「この島には他に大勢の人間が居たと思うのだが?」

「この島を占領していた敵は我々が既に制圧しております。

 兵士は皆殺しにし、女子供は生け捕って、洞穴に閉じ込めています」


 ……オークですわ。まんまオークですわ。


「ナルホド、分かった。

 取り敢えず、貴様達の指揮官に合わせろ」

「了承致しました、白き人よ。

 どうぞこちらに」


 やれやれ。吸血鬼に成ったり、創造主になったり大変だな俺も。

 リーダー役のオークを先頭に他の5体が俺達の周囲に展開し、テチ公とアナーキンがピッタリ俺の少し後ろにお互い抱き合わんばかりに寄り添って歩いている。プラウダはしきりに周囲をキョロキョロしながら歩いていた。

 何処行くのかな~ノンナ、余分なことしてないかな~

 まぁ、ハーカー付いてるし大丈夫だろう。

************************************************

まぁ、エルフや獣人=生物兵器ってのは想像付いてたしね

オークの適当な当て字が出てこんかったし、しょうがないね

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