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血ぃすーたろかー45回目

 さて、ウィスキーが注がれたショットグラスを見て完全に萎縮したのが目の前のダークエルフの女騎士?戦士?だ。

 手に持った旗を地面に突き刺し、恐る恐ると言う感じで手を伸ばす。出来れば速く取って貰いたい。指先冷たいの。氷だから冷たいの。

 ダークエルフは氷のショットグラスに指先を触れさせその冷たさに驚愕し、手を引っ込めそうに成ったので、そのまま手にグッと押し付けて渡した。

 それからショットグラスを掲げる。ダークエルフは此処でようやくこれが飲み物らしいと分かったらしく、まじまじと琥珀色の酒を見る。なので、取り敢えず掲げろとショットグラスを上げて見せるとダークエルフも掲げた。それから乾杯と音頭を取り、一気に煽る。胸が焼けるわ!

 ダークエルフは飲むのに戸惑い、それから匂いを嗅ぐ。俺が伝わらないのを承知で毒は入って居ないと告げるとダークエルフは意を決した様子でエエイ、ママヨと一気に煽り、盛大にむせ返った。

 なー咽るよな~ボトムズっちゃうよなぁ~


「良いぞダークエルフよ!

 ハッハッハ!料理と酒を出せ!序に音楽も流せ!取り敢えず、宴会!」


 俺が号令を掛けるとザ・トラッシュマンのサーフィンバードが大音量で掛かり、大量の食事が入ったコンテナを引いたトラックが走ってくる。他にも酒が入ってるであろうタンクなどを引いたトラックもある。

 俺はダークエルフの肩を叩き、一番先頭に居たトラックが持ってきた旭日旗をダークエルフが突き刺した旗の隣に突き立て、ダークエルフの肩を叩く。


「さぁ、宴ぞ!

 ゲイリーとニーナも連れて来い!各機械歩兵達は連中の言語を集めながら給仕をしろ!酒を配れ!飯も配れ!」


 機械歩兵が直ぐにシャンパンをグラスに注いで俺達の前に持ってくる。同時に他のダークエルフ達の方にもカップと瓶を持った機械歩兵が向かっていき、天幕を設置する機械歩兵等それぞれが宴会準備にとりかかる。

 俺はノンナに近付き、宴だから飯食って良いぞと拘束を解いてやった。

 ダークエルフ達は最初は混乱していた様だが、音楽と食事、そして何よりも酒を前にして武装を解いていった。よ~し!誰だアフリカは修羅の国とか言った奴!酒を出せばなんとかなる!

 それからダークエルフ達も楽器を持ってきてどんちゃん騒ぎの大宴会が始まる。最初は兵士と言うか戦士達しか居なかったが次第に子どもや老人達も料理や酒を持って集まり、言語が完璧に喋れるように成るといつの間にか飲酒て酔っ払いになったノンナがダークエルフ達と格闘トーナメントを開き一人勝ちをし、白エルフたるテチ公やハイエルフたるアナーキンがダークエルフの長老っぽいジジババに囲まれて何やら話をしていた。

 全員にはメガネ型のPDAを渡しており、自分達で好きに会話するように言っておく。俺の役目?俺はハーカーに指示を与え、ノンナが怪我させるダークエルフたちの治療だよ!連中、俺が治療できると知ると全力を出しやがるのだ。

 しまいにゃ死人まで出る騒ぎだが俺が治した。つーか、死ん出るのに誰も気が付かないレベルで酔っぱらい担ぎ込んでくるので俺が心肺蘇生をするのだ。

 ノンナはノンナで全身に槍だの剣だのを突き刺されてもそれを絶ち折って平然と殴りかかりに行くから着ているコートだの服だのが真っ赤でボロボロ。

 ハーカーに言って大量の着替えを用意し、壊した武器を補填する羽目になる。積んでて良かった武器兵器製造機と被服製造機に食料製造機!空母6隻のそれぞれをフル稼働させて食料や酒を増産した。1週間を予定した滞在は2週間に。そして三週間目にようやくこの大宴会は終了した。

 終了した理由はヘルシングからの通信。もう、酔いも一気に覚めたね。


「お、おう、ヘルシングか。どうした?」

《どうしたではありませんわ。貴方、一体何をやっていらっしゃるので?

 何やら宴会をやっているように見えるのですが?》


 バッと上空を見る。多分、この晴れ渡った青空の更に上に偵察衛星が駐留しているのだろう。


「あ、ああ、ちょっと休憩をしてたらな。アフリカ人のダークエルフと仲良くなってな?」

《ほぉ?それで?そのまま3週間の間ずっとどんちゃん騒ぎをしていたと?》

「い、いやぁ~連中、皆気の良い奴らでな?」

《ワタクシ、貴方達をアフリカでダークエルフ達とどんちゃん騒ぎをさせるためにアホみたいな大艦隊の製造を許可したわけではありませんのですが……貴方もムッソリーニごっこなされますか?》

「い、今すぐに出発して調査してきます、ハイ」

《当たり前です!

 さっさと出発して下さいまし!》


 通信はブチンと切られた。俺はコーナーポールの上でガッツポーズを決めているノンナにミサイルキック。コーナーから叩き落とした。


「何すんのよ!?」

「ヘルシングからの通信だ」


 俺の言葉にノンナがビクンと震えた。顔は真っ青。


「ツェペシュ殿、どうなされましたか?」


 女戦士たるダークエルフのカーチェがリングに上がってきて俺に尋ねる。ダークエルフで戦士長とか言う戦闘隊長を率いている奴で唯一ノンナにキンボシオオキイを上げたダークエルフでもある。


「うむ。

 我々は行かねばならない」

「そんな!

 唐突過ぎます!」

「うむ。だが、別れとはそういう物である。

 我々は唐突に出会い、唐突に別れるのだ。だが、悲しむこと無かれ。我々は東の果てより来たり、東の果てに帰るのだ。これは別れであるが別れではない。貴様達には友好の証と感謝の念を込めて我が国にある戦士の武器と水をいれると酒に成る壺をやろう。

 我々に会いたくば、極東に来ると良い。楽しい時間であったぞ、我が盟友よ」


 カーチェに右手を差し出すとカーチェは暫くその手を見詰めた。握手という概念がないのだろう。


「これは友好の証だ。

 私の手を握れ」

「あ、ああ」


 カーチェは俺の手をギュッと握った。

 それからハーカーに大量の日本刀と非常に簡便な作りをした給水タンク(入れた水に含まれるナノマシンが飲んだ者を酔わせる上に極上の酒に感じられるように変換するシステムを組み込んだ上に壊れ無いように自動修復装置付き)を渡す。


「こ、これはミスリル剣!?」

「うむ。我が国の古の戦士達は皆この剣を携え戦場では一騎当千だった。貴様達にこの剣を送るのは貴様達が我々と同じ盟友だからだ。

 また何時か共に酒を飲もうぞ、我が盟友」

「あ、ああ!また会おう、我が最高の同胞!白き者ツェペシュよ!」


 それから天幕といつの間にか立派に作られていたリング(ノンナの馬鹿力で暴れても壊れない)もあげると言うなの遺棄をして出発した。喜望峰から寄り道をせず、全艦時速80ノットの全速力で。

 嵐だろうがなんだろうが海流を一時的に操作して真っ直ぐGO!外は大嵐で雷すら成ってるのに波は平穏ってのが実に奇妙で、思わず偵察機で写真と映像撮っちゃった。ンで、映画加工してみたら何かハリウッド映画バリの胡散臭い神秘的なシーンに成ってノンナと二人で大興奮。

 ヘルシングに送ると多分、殺人電波的な超科学的ビームが飛んで来るからこっそりストーカー君に渡したらやっぱり大興奮してくれた。

 で、喜望峰から大体10日ほどでイギリス本島を視界に納める事ができた。出来たのは良いが、こっからどうしよう?


「漸くイギリスに付いたけど、取り敢えず、偵察衛星からじゃ何も発見できなかったんだよな?」

「ええ、ただしアイルランドには少数ながら人々が生活しているので先ずはアイルランドに先遣隊を上陸させて情報収集をしましょう」

「ああ。その間にテチ公をモスクワに連れて行って序にプラウダのデータを回収するか」

「はい。では、ヘルシング様にその旨を報告致します」

「おう。モスクワまでどう移動する?」

「空路を使います。

 オスプレイを使います」


 なので航空母艦、加賀に移動しますと言われた。艦隊間の移動は搭載している小型ヘリコプターで移動する。後部デッキにヘリポートが付いているのだ。

 で、俺達はヘリデッキに移動し空母加賀に。空母加賀、メチャクチャデカい。赤城や加賀といった空母は基本的に単艦だったらしいがノンナの作った空母達は皆姉妹艦。赤城型空母として1番艦を赤城、2番艦を加賀、3番艦を飛龍、4番艦が蒼龍で5番艦が翔鶴、6番艦が瑞鶴だ。

 艦隊移動は空母を中心に前方に俺とノンナの乗る金剛型2隻、後方にミサイル巡洋艦である利根と筑摩。そして、前方に3隻、左右と後ろに1隻づつの駆逐艦を置き潜水艦が最前方、中央、最後尾に居る。特殊潜航艇は居ません。代わりに無人攻撃潜航艇みたいなのをノンナが開発したが載せ忘れた!と出港して5日後位に気が付いた。

 馬鹿だなーコイツ馬鹿だなーまぁ、それもヘルシングに内緒で作っていたそうでこれに関してはバレていないようだが、忘れてるから多分バレたと思うよ。


「此処でサッカー出来るよな」

「サッカーとラグビー、バスケとバレーも出来ます。

 まぁ、足元の溝などをどうにかしないとけが人続出ですが」


 ハーカーと一緒に加賀の甲板上でせり上がってくるエレベーターとオスプレイを見ながらそんな話をする。脇にいるノンナが何故かラグビーボールを持っていた。


「おい、それなんだよ?」

「ウィルソンよ!」

「はぁ?」

「カタパルトに乗っけて飛ばすのよ!」


 ノンナはそう言うと“ウィルソン”を片手にカタパルト、つまりジェット機を飛ばすための助走器みたいな奴の上に置いた。ハーカーを見てゴー!とやると電磁カタパルトがビュンと音を立てて発射。そのままウィルソンは空中高く飛んでいった。

 まぁ、船は進んでいるので前方から吹く風とあいまって後ろに飛んでいってしまった。ノンナはそれを追いかけるので俺もその後を追う。ラグビーボールはそのまま艦の最後尾まで飛んでいき、ボエッと変な音を立てて落着。海に転がり落ちていった。


「ウィルソーン!!」

「ほら」


 落ちた“ウィルソン”を引っ張ってノンナに手渡す。


「これは船長室に飾っときなさい!」

「了解致しました」


 ハーカーにウィルソンを押し付けたノンナは満足そうにせり上がってくるエレベーターに飛び乗った。何だありゃ?まぁ、良いか。

 俺もテチ公達の元に。ゲイリーとニーナは驚愕した表情で空母の甲板に這いつくばって何やら叩いたり、撫でたりしていた。何やってんだコイツ等?


「下等人種共よ。貴様等は何を這いつくばっているのだ?」

「あ、ああ、ツェペシュ様。

 この船の甲板は木の板では無いのですね。これは一体何でしょうか?」


 そう言えばゲイリーとニーナは船に乗った時も驚いてたな。鋼鉄の巨大な船が!とか。航行中もノンナにあれこれ質問しまくっていたらしい。ノンナは単純だからこの船を賛美しまくれば聞いてもない事をアレコレ答えてくれるそうだ。

 多分、連中が居なけりゃ俺はノンナの興味のない軍艦講話をこの航海中延々と聞かされていただろう。そうなったらそうなったで眠らせたけどな。


「耐熱加工をした特殊塗料を塗ってある鉄板だ。

 詳しくはノンナに聞け。奴がこの船を作ったのだからな」


 そして、それが原因でヘルシングにメタクソ怒られたのだ。アホな奴である。

 牽引車に引っ張られてオスプレイがやって来たので俺達は乗り込む。飛行時間は3時間ほどを予定していると言われた。

 イギリス発モスクワ行き。ドイツ上空を通り、モスクワへ。モスクワ南部にあるドモジェドヴォ空港に着陸、其処から一緒に積んでいく来るまで移動するとか。

 ドモジュドヴォ空港が無ければよりモスクワに近い平原に降りる予定だとか。

 まぁ、何処でも良いけど移動距離が短いに越したことは。季節は既に秋だ。色々と遊び過ぎた。1年がクソ早い。

 しかし、まさか生まれて初めてのヨーロッパが世界崩壊後5000年とはな~信じられんな。


「ノンナ。お前、ヨーロッパ行ったことある?」

「あるわけ無いでしょ!戦争中よ!

 海外に出るには軍人か軍関係者になるしか無いわ」


 そりゃそうだ。防諜の一番の基本は人を入れない出さないだからな。


「じゃあ、お前も人生初のヨーロッパか」

「そうね!ロシアはママの故郷でもあるから一度は行ってみたいと思ってたのよ!」


 ロシアの何処出身だ?と聞くとモスクワ生まれのモスクワ育ちだったそうだ。そういう意味じゃ今日の旅程はノンナママのアレでもあるわけか。

 因みに、俺達の親が何処で眠っているのかとか当たり前だがわからないらしい。そう言う国防に関係ない資料はあんまり保護されておらず、残っていなかった。勿論、全部を調べたわけではないので確信を持って言えるわけではないが、まぁ、9割方諦めている。

 だって、5000年だもん。中国の歴史よりも長いよ。世界滅亡5千年の歴史。

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ザ・トラッシュマンのサーフィンバードを聞きながら書いたら筆が進む

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