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退屈した王女と行く秘宝探しの旅……って、私以外まともな奴がいないんですが!?  作者: 凪塩 未来


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外伝第4話:発進! 宇宙(そら)へ 〜無重力と狂乱の宴〜

お読みいただきありがとうございます!

ルイスの趣味と最新技術が全開で注ぎ込まれた、巨大ピンクペンギン型宇宙船『フライング・ペンギンV号』!

高所恐怖症で虫の息のファリアを半ば強引に(?)乗せ、ついにカウントダウンの時が訪れます。

大気圏を突き抜け、辿り着いたのは未知の領域「宇宙(そら)」!

無重力空間という未知の体験に対し、やっぱりポンコツペンギン隊が大人しくしているはずもなく……!?


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「全システム正常。魔導炉出力、三百パーセントまで上昇。……カウントダウンを開始するよ」


巨大ペンギン型宇宙船『フライング・ペンギンV号』のブリッジ。

黒ペンギン姿のルイスが、複雑な魔導ルーンが浮かび上がる操縦パネルをキザに操作している。


「3……2……1……発進(テイクオフ)!」


ドドドドドドドドドッ!!!!!


猛烈な衝撃と推進力が、ブリッジ内のシートに深々と体を押し付けた!


「ひぃぃぃぃぃぃぃ! あがる! あがるのだぁぁぁぁぁ!」

イエローペンギン姿のファリアが、シートの安全ベルト(※モコモコ用補強コード)をぎゅっと握りしめて絶叫する。


「うわぁぁぁぁ! すごーい! 窓の外がどんどん青から黒くなっていくわ!」

ピンクペンギン姿のエレノア殿下が、窓の外(※ペンギンの目にあたる大型モニター)に張り付いて大はしゃぎしている。


「殿下、席を立たないでください! 大気圏脱出中ですよ!……って、ぐはっ!?」


次の瞬間——。

激しい振動がピタリと収まり、身体を押し付けていた重力がフッと消え去った。


ふわ……り。


「「「「「お……おう!?」」」」」


俺たちの身体が、シートから離れてふわりと宙に浮き上がった。

窓の外に広がるのは、見渡す限りの漆黒の闇と、キラキラと輝く無限の星々。そして、眼下に広がる青く美しい丸い星——俺たちの暮らしていた世界である。


「す、すごい……! 本当に空の外に出てしまった……!」

俺——アルトは、無重力空間でプカプカと浮遊しながら、目の前に広がる壮大な光景に息を呑んだ。


「ふふん! 見たかい? これが僕の計算した無重力(ゼロ・グラビティ)空間さ!」

ルイスが宙でキザにメガネを直そうとしたが、慣れない無重力のせいでクルクルと上下逆に回転を始めてしまった。ダサい。


「きゃははは! アルト見て! 私、泳いでるみたい!」

エレノア殿下が、ピンクペンギンの羽をパタパタさせながら、空中を自由自在(?)に泳ぎ回っている。高密度クッションの着ぐるみのおかげで、壁に頭をぶつけても痛くないらしい。


「む……! これが『無重力』か! 重力に縛られぬこの感覚……剣の振りが無限の領域へと到達するやもしれん!」

グリーンペンギンのシルフが、宙で真剣な顔をして大剣を振り回し始めた。


「刃物を無重力で振り回すな危ねぇだろ!!」


「……ミミ、浮いてるおやつ、食べる」

白ペンギンのミミが、無重力空間にふわふわと漂う『球体状のスープ』や『星型のお菓子』を、カメレオンのような素早さで口の中に放り込んでいく。


「おいミミ! ジュースを撒き散らすんじゃない! 計器類にかかったらどうするんだ!」


「がははは! 無重力バーベキューの始まりだぜぇぇぇ!」

茶色ペンギン姿のマルコが、串に刺さった肉を宙に投げ、口でナイスキャッチして食い荒らしている。


「……う、うぅ……。浮いている……地面がない……」

イエローペンギンのファリアに至っては、宙に浮いたままパニックになり、空中でイヌカキのような動作をしながらぐるぐると旋回していた。


「ファリアさん落ち着いて! 壁を蹴れば移動できますから!」


カオスである。

大気圏を突破し、人類史上初の宇宙空間へと到達したというのに、船内はただの『巨大なポンコツ無重力宴会場』と化していた。


「ハァ……ハァ……。胃薬……俺の胃薬はどこだ……」

俺が無重力で浮遊する胃薬の瓶を必死に追いかけていた、その時だった。


ピコン! ピコン! ピコン!


ブリッジのメインモニターに、激しい赤色のアラートが点滅し始めた!


「『警告:前方より【謎の巨大天体】が接近中。魔導波長パターン……第八の秘宝ト一致』」


「「「「「出たぁぁぁぁぁ!!???」」」」」


モニターの中央、宇宙の闇の中から現れたのは——。


巨大な黄金の輝きを放つ、巨大な『何か』であった。


「みんな! ついに見つけたわ! あれが宇宙に眠る【第八の秘宝】よー!」

エレノア殿下がパッと目を輝かせる。


しかし、その巨大天体の全貌が見えてくるにつれ、俺の胃はかつてない激しい悲鳴を上げ始めるのだった。

外伝第4話をお読みいただきありがとうございました!


ついに宇宙へと到達したアルト一行!

無重力空間でも相変わらずの宴会騒ぎを繰り広げるポンコツペンギン隊ですが、モニターの前に現れたのは……ついに姿を現した【第八の秘宝】!


次回、外伝最終話(第5話)「真・八つ目の秘宝! 〜やっぱりアレだった件〜」をお楽しみに!


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