第38話:大迷宮の仕掛けと、古代の守護ゴーレム
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王宮の地下ワインセラーの奥から出現した、広大な「古代の地下大迷宮」!
ついに最終章へと突入したアルト一行ですが、最後の秘宝『創世の王冠』が眠る最深部へ向かう道中、古代の超兵器「守護ゴーレム」が一行の立ちふ塞がり……!?
ひんやりとした青い魔導光が照らし出す、古代の地下大迷宮。
壁や床には複雑なルーン文字が刻まれ、これまで巡ってきたどの遺跡よりも重々しく重厚な雰囲気が漂っていた。
「気をつけるのだ、皆の者。この迷宮に満ちる魔力は並大抵のものではない……!」
グリーンペンギン姿のシルフが、大剣を握りしめて警戒の眼光を走らせる。
「ヒ、ヒィ……! 天井が低い! 壁が迫ってくる気がするぅぅぅ!」
イエローペンギン姿のファリアは、シルフのモコモコな尻にしがみつきながらガクガクと震えていた。高所恐怖症に続いて閉所恐怖症の気配である。
「大丈夫よファリア! 壁が迫ってきたらマルコに壊してもらえばいいんだから!」
ピンクペンギン姿のエレノア殿下がフンスと胸を張る。
「任せとけ殿下! どんな壁でも一発叩き割ってやるぜ!」
茶色ペンギン姿のマルコが、太い腕の筋肉をモコモコ服の上からアピールした。
「破壊作業の前に罠のチェックをしなさい罠の!!」
俺——アルトは胃を押さえながら速攻でツッコミを入れた。
その時だった。
ズズズズズズズ……!!
迷宮の広場の中央、巨石でできた巨大な台座が突如として隆起した。
そこから現れたのは、体長五メートルを超える巨大な岩石の巨人——古代の超兵器『守護ゴーレム』であった!
「『侵入者ヲ検知……排除モード起動……』」
赤く光るゴーレムの単眼が、俺たちを捉える。
「出たわね! 古代の守護者!」
エレノア殿下がパッと目を輝かせた。
「ふむ……岩石の重層装甲か。物理攻撃も魔法攻撃も通りにくい強敵だね」
黒ペンギンのルイスがキザに眼鏡のブリッジを押し上げる。
「『排除……排除……』」
ゴーレムが巨大な岩石の拳を振り上げ、俺たちに向かって振り下ろそうとした、その瞬間——。
ガタガタガタッ! ピピッ!
「『警告:過重負荷エラー。関節部分に異物が堆積しています。定期メンテナンスを行ってください』」
ギギギ……と、ゴーレムの肘の関節から悲鳴のような機械音が上がり、振り上げた拳が途中でピタリと停止した。
「「「「「またメンテナンス不足かよぉぉぉぉぉ!!???」」」」」
俺たちの叫びが地下大迷宮に激しくこだました。
「ちょっと待ってください!! 最終ダンジョンのラスト手前の守護ゴーレムですよね!? なんで『数千年間掃除してない換気扇の油汚れ』みたいな理由で固まってるんですか!?」
「まあ! 関節にホコリが詰まっちゃっているのね! 可哀想に!」
エレノア殿下が呑気に納得している。
「……ミミ、やる。潤滑油注入」
白ペンギンのミミが、どこから取り出したのか『サラダ油の瓶』を手に、軽快な身軽さでゴーレムの背中へと登っていった。
「ミミ、目に入らないように注すんだぞ! マルコ、関節の隙間を掃除しろ!」
「おうっ! 任せとけアルト!」
「なにを二人でテキパキとゴーレムのメンテナンス作業を始めておるのだぁぁぁぁ!?」
シルフが頭を抱えて絶叫する。
こうして俺たちは、最終決戦の最中だというのに、やっぱりシュールな【古代ゴーレムの潤滑油注し&掃除作業】を始めるのだった。
第38話をお読みいただきありがとうございました!
地下大迷宮の迫力あふれる守護ゴーレム!
しかし、その正体は案の定の「数千年間放置されたことによる関節の油切れ&ホコリ詰まり」でした(笑)。
ゴーレムのメンテナンスを無事に終わらせ、一行はついに最深部『創世の王冠』のもとへ!
次回「第39話:最深部『ファラオの間』……じゃなくて『王冠の間』! ついに現れた最後の秘宝!」をお楽しみに!
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