第37話:帰還! 王都グランヴェールと地下大迷宮
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世界を巡って六つの秘宝を集めてきたアルト一行でしたが、最後の七つ目の秘宝が眠るのは……まさかの「出発地点(王都グランヴェール)の地下」!
壮大な無駄足感に絶望するアルトを置き去りにし、一行は住み慣れた(?)王都へと帰還します。
しかし、王宮の地下深くに広がっていたのは、誰も知らない「未知の大迷宮」で……!?
「ただいまー! 我が家!」
懐かしき王都グランヴェール。その中央にそびえ立つ絢爛豪華な王宮の正門前で、ピンクペンギン姿のエレノア殿下が大きく手を広げた。
「……はぁ。まさか世界をぐるっと一周して、最初に戻ってくる羽目になるとはな」
俺——アルトは、イエローペンギンのフードを深々とかぶり直しながら、ゲッソリとした顔で王宮を見上げた。
道中、すれ違う王宮騎士や侍女たちが「あ、あれはエレノア殿下……?」「なぜペンギンのバケモノが増えている……?」「一番後ろの黄色いのはエルフでは……?」とざわついているが、もはや気にしたら負けである。
「まあまあ、アルト! 『青い鳥』だって最後は家で見つかるものでしょう? 秘宝探しのお約束よ!」
「秘宝探しを童話と一緒にしないでください殿下!」
「ふむ……王宮の地下大迷宮か。僕も幼少期から王宮の図面は熟知しているが、最深部へと続く隠し通路の存在など初耳だよ」
黒ペンギンのルイスがスカした顔で眼鏡を光らせる。
「……私の勘だが、この地下からはただならぬ気配を感じる。古代の強大な魔力が渦巻いているな」
グリーンペンギンのシルフが大剣の柄に手をかけた。
「ヒ、ヒィ……! 地下……? 狭くて暗い場所なのか……? 高い場所よりはマシだが……っ!」
イエローペンギンのファリアが、シルフの背中にしがみつきながらガクガクと震えている。高所恐怖症の次は閉所恐怖症の気配を見せ始めていた。
俺たちはエレノア殿下の案内で、王宮の最深部——開かずの間とされていたワインセラーの奥へと向かった。
殿下がこれまで集めた六つの秘宝を棚の上に並べると、秘宝たちが共鳴するように怪しい光を放ち始める。
ズズズズズ……!
「うわっ!? ワイン棚が割れた!?」
巨大なワイン棚が左右に開き、その奥から漆黒の闇へと続く『螺旋階段』が現れた。
地下から吹き抜けてくるのは、数千年間封印されていたかのような、重苦しくひんやりとした古びた空気。
「すごいわ! 本当に隠し通路があったのね!」
エレノア殿下が目を輝かせて真っ先に階段へと足を踏み出そうとする。
「待ち指示! 殿下、先陣は罠解除のプロであるこの私に——」
「……ミミ、先行く。おやつ落ちてそう」
白ペンギンのミミが、素早い身軽さでシュタッと階段を駆け下りて行った。
「ミミ待ちなさい! ワインセラーの地下におやつが落ちてるわけないでしょうが!」
俺は慌ててミミの後を追い、全員で階段を駆け下りた。
階段を下りきった先に広がっていたのは、王宮の真下とは思えないほど広大な、巨石で作られた古代の『地下大迷宮』であった。
壁には怪しく揺らめく青い魔導光が点灯し、無数の分かれ道が奥へと伸びている。
「ここが……最後の秘宝『創世の王冠』が眠る場所……」
俺は生唾を飲み込み、ポケットから胃薬を取り出して噛み砕いた。
ノイズオルゴール、エアコン、加熱タイマー、調律不足の竪琴、風呂の栓、鳥の巣……。
数々のくだらないトラブルを乗り越えてきた俺たちの旅も、いよいよ本当の最終局面。
「みんな! 最後の秘宝をゲットして、この旅を大団円で終わらせるわよー!」
「「「おー!」」」
ペンギン七人衆の叫びが、暗い地下迷宮へとどこまでも響き渡るのだった。
第37話をお読みいただきありがとうございました!
ついに舞台は最終決戦の地、王都の「地下大迷宮」へ!
集まった六つの秘宝の共鳴によって開かれた隠し扉の先で、一行を待ち受ける最後の秘宝『創世の王冠』とは!?
そして、古代人が残した「最大の身も蓋もない真実」とは……!?
次回「第38話:大迷宮の仕掛けと、古代の守護ゴーレム」をお楽しみに!
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