第32話:水底の神殿! 〜キュッと閉めて秘宝ゲット!?〜
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街の水位低下の原因が、まさかの「古代の風呂の栓(ゴム栓)の緩み」だと判明した水上都市ヴェネロア。
第五の秘宝『わだつみの宝珠』を回収し、街の崩壊(減水)を防ぐため、ペンギンレスキュー隊が立ち上がる!
急流が渦巻く水底の神殿へ、超浮力&高撥水のモコモコ着ぐるみでいざダイブ!
ザザァァァ……!
ヴェネロアの大運河の中央に位置する、巨大な渦潮。
その渦の真下、うっすらと青く光り輝く石造りの建造物が——古代の水上神殿である。
「うわぁ……! 近くで見るとすごい勢いで水が吸い込まれているわね!」
ピンクペンギン姿のエレノア殿下が、船の上から渦潮を覗き込んで目を輝かせる。
「当たり前でしょう! 『風呂の栓』が緩んで水がダダ漏れになってるんですから!」
俺——アルトは、イエローペンギンのフードを深くかぶり直し、胃薬を口の中に放り込んだ。
「ふむ……あの急流、生身のダイバーでは底に辿り着く前に押し流されるか、水圧で潰されるのがオチだね。だが——」
黒ペンギンのルイスがスカした手つきで眼鏡を光らせる。
「我らの『ペンギンアーマー』は、圧倒的な水圧耐性と流線型のフォルム(モコモコ)を兼ね備えている! まさに水を得た魚……いや、ペンギンさ!」
「自慢気に言うなバカ! ただの着ぐるみだぞコレ!」
「……ミミ、先陣切る。潜水」
白ペンギンのミミが、頭にシュノーケル(※どこから出してきた)を装着し、真っ先に渦潮の中へと飛び込んだ!
ドバッシャーン!!
「あ、ズルいぞミミ! 私も行くわー! ペンギンダイブ!!」
「殿下、待ちなさいって!!」
エレノア殿下が飛び込み、つられるように俺たち全員が水圧の渦巻く水底へとダイブした!
——ゴーッ……!
猛烈な水流が身体を打つ。
だが、恐ろしいことにルイスの言った通りだった。
超・撥水加工と高密度クッション構造のモコモコペンギン服は、激しい水圧を完璧に分散・吸収! 俺たちはまるで本物のペンギンのように、スムーズに水流をすり抜けて水底へと到達してしまったのだ。
「な……なんだこの安定感は……っ! 水の中でも全く寒さを感じん……っ!」
水中でグリーンペンギンの羽をバタバタさせながら、シルフが感動のバブル(泡)を吐き出す。
「(これが……人間の科学力……いや、着ぐるみの力……っ!)」
イエローペンギンのファリアも、水中で目を丸くしていた。
水深三十メートル。
青く光る神殿の最深部に、巨大な台座が鎮座していた。
その台座の中央に燦然と輝く美しい青い宝石——第五の秘宝『わだつみの宝珠』。
そして、そのすぐ真下にあったのは……。
黒くてぶ厚い『巨大なゴム栓』。
それが斜めに引っかかり、スキマから『ゴボボボボ!』と猛烈な勢いで水が吸い込まれていた。
「(……絵面が完全に家庭用バスタブなんだよなぁ!!)」
俺は水中で声にならないツッコミを入れながら、台座の縁に足をかけた。
エレノア殿下が手招きをする。
『アルト! いくわよ! せーのっ!』
俺とエレノア殿下、そしてマルコが三人がかりで巨大なゴム栓のチェーンを掴み、力任せに引っ張った!
ズズズ……キュッ!!
完璧に噛み合った、ゴム栓。
その瞬間——ピタリと水流の渦が収まった。
台座から溢れ出ていた激しい吸引力が消え去り、静寂な水底の静けさが戻ってくる。
すると、台座の上に浮いていた『わだつみの宝珠』が、静かに光を放ちながらエレノア殿下の手元へとすーっと降りてきた。
『キャッチ! ふふん、第五の秘宝【わだつみの宝珠】、無事にゲットよ!』
水中でドヤ顔ポーズを決めるエレノア殿下。
『(ぷはぁっ! ……またしてもくだらない理由で世界が救われてしまった……)』
俺は水中で天を仰ぎ、胃の痛みに耐えながら、静かに地上へと浮上していくのだった。
第32話をお読みいただきありがとうございました!
無事に「風呂の栓」をキュッと閉め、第五の秘宝『わだつみの宝珠』をゲットしたアルト一行!
ヴェネロアの街の水位低下も防ぎ、またしても(くだらない理由で)世界を救ってしまいました(笑)。
残る秘宝はあと二つ!
次回「第33話:第六の秘宝を求めて 〜天空の浮遊島と高所恐怖症の騎士〜」をお楽しみに!
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