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退屈した王女と行く秘宝探しの旅……って、私以外まともな奴がいないんですが!?  作者: 凪塩 未来


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第29話:秘宝『木漏れ日の竪琴』ゲット! 〜次なる舞台は水上都市〜

お読みいただきありがとうございます!


数千年の歴史を誇るエルフの秘宝『木漏れ日の竪琴』の不調が、ただの「弦の伸び&輪ゴム補修」だったと判明した前回。

ルイスが輪ゴムの弾き飛ばしで自爆するアクシデントに見舞われつつも、一行は無事にチューニングを完了(?)させ、第四の秘宝を無事にゲット!

そして一行が向かう次なる目的地は、美しき水上都市『ヴェネツィア……ではなくヴェネロア』! カラフルペンギン隊の水陸両用(?)の冒険が始まります!

「痛ったぁぁぁぁぁいっ!? 指が! 僕の繊細なピアニスト(予定)の指がぁぁぁ!」


切れた輪ゴムの直撃を受け、手を押さえて転げ回る黒ペンギン・ルイス。

相変わらず自爆の天才である。


「……たく、余計なことすんじゃねぇよ」


俺——アルトは大きな溜め息をつくと、長老の館の道具箱から予備の頑丈なテグス糸(釣り糸)を取り出し、手際よく竪琴のフレームへと通していった。

ペグをカチカチと回し、音程を確かめる。


〜♪ ポロン、ポロロン……。


澄み渡るような美しく清らかな音が、長老の館全体に優しく響き渡った。


「「「「「おお……っ!?」」」」」


長老も、ファリアも、シルフたちも思わず息を呑む。

テグス糸で完璧に調律された『木漏れ日の竪琴』から放たれたのは、聞く者の心を浄化する本物の秘宝の音色だった。


「す、素晴らしい……! 数百年ぶりに我が里に響く、本物の竪琴の調べ……っ!」

長老エルリオンが目頭を熱くさせ、震える手で拍手を送る。


「はい、長老さん。これでもう変な音は出ないし、結界(不協和音)も収まったはずです」

「うむ……! 見事じゃ、人間(イエローペンギン)の若者よ! 神器を救ってくれた礼として、その『木漏れ日の竪琴』、お主たちに託そう!」


「やったわぁぁぁ! 第四の秘宝『木漏れ日の竪琴』、無事にゲットよー!」


エレノア殿下がぴょんぴょんと跳ね回り、第四の秘宝を高く掲げてポーズを決めた。


「ふむ……ではアルト君、早速次の秘宝のありかを示すルーン文字を読み解くとしよう」

指の激痛から復活したルイスが、何事もなかったかのように竪琴の裏枠を注視する。


「……『蒼き水面に揺らめく真珠、水の都の底に眠る【わだつみの宝珠】』……だってさ」


「水の都……?」

シルフが首をかしげる。


「大陸南西に位置する、果てしなく広がる海の上に作られた水上都市『ヴェネロア』のことね!」

エレノア殿下がパッと目を輝かせた。


「ヴェネロア……観光地としても有名な美しい街ですね。砂漠や樹海に比べたら、今回はまともな場所そうで安心しましたよ……」

俺は心底ホッとして、胃薬の箱をポケットにしまい直した。


「よし! 決まりね! 次の目的地は水上都市ヴェネロアよー!」

「ファリア、お前はどうする?」とシルフが問う。


「ふ、不本意だが……! この『イエローペンギンアーマー』の真の性能(水耐性)を検証するため、私も同行させてもらう……っ!」

黄色いくちばしフードをかぶり直したエルフの少女ファリアが、凛とした(シュールな)顔で追従を宣言した。


(……これでペンギンが七人目か)


俺は全員のカラフルな着ぐるみ姿を見回し、嫌な予感を拭いきれないまま、水上都市への旅路へと一歩を踏み出すのだった。

第29話をお読みいただきありがとうございました!


アルトの器用な手先(テグス糸による補修)によって無事に調律された『木漏れ日の竪琴』!

エルフの射手ファリアも(着ぐるみを脱ぎたくない理由で)正式に仲間へ加わり、第四の秘宝をゲットした一行が目指すのは……美しき水上都市ヴェネロア!


次回「第30話:水上都市ヴェネロア到着! 〜ペンギン隊、海へ浮かぶ〜」をお楽しみに!

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