第27話:エルフの里潜入! 〜黄色いペンギンになった守護射手〜
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樹海の守護射手「ファリア」とエンカウントしたアルト一行。
冷酷無比な刺客として立ちはだかった彼女でしたが、ペンギン着ぐるみの圧倒的な「もふもふ感」と「衝撃吸収性能」の前にプライドが崩壊寸前!
果たして彼女は着ぐるみの誘惑に勝てるのか……? そして一行は無事に「エルフの里」へと潜入できるのでしょうか!?
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「く……っ、私は樹海の守護射手ファリア! このような不審極まりない服など、絶対に拒絶する……っ!」
真っ赤な顔で言い張るエルフの少女、ファリア。
だが、その瞳はエレノア殿下が差し出す『イエローペンギン着ぐるみ(ミニサイズ)』に釘付けだ。
森の厳しい朝露と冷気に晒されてきた彼女の肌にとって、着ぐるみから放たれる保温と癒やしのオーラはあまりにも毒(魅力的)すぎた。
「まあまあ、遠慮しないで! 試着は無料よ♪」
「きゃっ! ちょ、何を……!?」
エレノア殿下とミミの熟練された素早い手つき(※被害者多数)によって、ファリアは抵抗する間もなく頭からすっぽりと着ぐるみをかぶせられた。
——着せられて、わずか三秒。
「あ……誇り高き森の精霊よ……。なんだこの……包み込まれるような……天国は……っ」
黄色いペンギンのフード(つぶらな瞳とくちばし付き)から尖った耳をひょこっと出したファリアが、うっとりとした表情で自分の体を抱きしめた。
厳格なエルフの守護射手の爆誕である。
「シルフさん、デジャヴですね。まったく同じ光景を霊峰で見ました」
「ふ……愚かな。一度『ペンギンアーマー』の恩恵を知った者が、元の身体に戻れるはずがないのだ」
グリーンペンギンのシルフが、先輩ペンギンとしての重みのある言葉を呟く。
「……はっ!? 私としたことが……エルフの誇りを捨ててこのような姿に……っ!」
急に正気に戻ったファリアが、バッと弓を構え直した。だが、くちばしフードのせいで緊迫感がゼロである。
「だ、騙されんぞ! この極上の肌触りと防寒性能で私を懐柔し、エルフの里を襲撃する気だな!?」
「襲撃なんてしないわよ! 私たちは秘宝『木漏れ日の竪琴』を探しに来ただけだもの!」
エレノア殿下が屈託のない笑顔で答えると、ファリアは目を見開いた。
「な……っ!? 『木漏れ日の竪琴』だと……!? あれは我らが里の宝にして、長老様が厳重に管理されている神聖なる神器……! 人間などに渡せるはずが……」
「頼む、ファリア殿」
歩み出たのは、イエローペンギン姿の俺——アルトだった。
俺はポケットから手慣れた動作で『胃薬の箱』を取り出すと、切実な目でファリアを見つめた。
「俺たちも好きで秘宝を集めてるわけじゃないんだ。このポンコツ王女の気まぐれに付き合わされて、世界中を回らされてるだけで……。頼むから長老さんに会わせてもらえないか? 会うだけでもいいんだ!」
「う……っ。な、なんだその……命の灯火が消えかかっているような悲壮感あふれる眼光は……。まるで長年樹海の結界を守り続けて胃を痛めた前・守護隊長のような……」
俺のリアルすぎる苦労人オーラと胃薬の苦い匂いに、ファリアの毒気が一気に抜けていく。
「……分かった。貴公らの怪しさは万死に値するが……その服の性能の素晴らしさと、そこ(アルト)の哀愁に免じて、一度長老様に謁見させてやろう。ただし!」
ファリアは黄色なくちばしフードをグッと深くかぶり直すと、凛とした声で宣言した。
「里に入る間、私を含めて全員この『ペンギンアーマー』を着用したままとする! エルフの里に人間の生身を晒すことは許さん!」
「脱ぎたくない理由をエルフの規律っぽく言わないで!?」
こうして俺たちは、案内人を得て、人間の侵入を一切許さないはずの『エルフの里』へと、カラフルな着ぐるみ集団のまま悠々と足を踏み入れるのだった。
第27話をお読みいただきありがとうございました!
やっぱり着ぐるみの魔力には勝てなかったエルフの守護射手ファリア!
アルトの悲壮感漂う説得(胃薬)も功を奏し、無事に「エルフの里」への潜入許可をゲットしました。
次回「第28話:エルフの長老と、やっぱり壊れてた『木漏れ日の竪琴』」をお楽しみに!




