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退屈した王女と行く秘宝探しの旅……って、私以外まともな奴がいないんですが!?  作者: 凪塩 未来


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第23話:ピラミッドの罠 〜転がる巨大岩と、空気を読まない王女様〜

お読みいただきありがとうございます!


ミミの超絶穴掘りスキルのおかげで流砂トラップを奇跡の無傷突破し、ついに『黄金のピラミッド』内部へ足を踏み入れたアルト一行。

古代遺跡のお約束といえば……そう、「押し潰してくる巨大な転がる岩トラップ」!

絶体絶命のピンチを前に、空気をまったく読まない王女様とポンコツな仲間たちが取った前代未聞の回避策とは……!?


楽しんでいただけましたら、ぜひ【ブックマーク登録】や【評価】で応援していただけると大変嬉しいです!

ズズズズズ……。


重厚な石の扉が開き、俺たちは『黄金のピラミッド』の内部へと足を踏み入れた。

外の灼熱が嘘のように、薄暗い廊下にはひんやりとした古びた空気が漂っている。壁にはびっしりと古代の壁画が描かれ、あちこちに松明の台座が並んでいた。


「わぁ……! これぞ冒険って感じの雰囲気ね! 怪しいスイッチとか落ちてないかしら!?」


ピンクペンギン姿のエレノア殿下が、目をキラキラさせて壁の出っ張りを片っ端から触ろうとする。


「殿下! 不用意に壁に触らないでください! こういう古代遺跡には必ず恐ろしいトラップが——」


カチッ。


……静寂な回廊に、乾いた石の作動音が響いた。


「「「…………」」」


「……あら? 足元で何か踏んじゃったわ♪」


エレノア殿下が首をかしげた瞬間。


ゴゴゴゴゴゴゴ……!!


地鳴りのような重低音が、俺たちの頭上から響き渡った。

緩やかな傾斜になっている廊下の奥——天井の隠し扉が開き、そこから直径五メートルはある『超・巨大な球体の岩』が転がり出てきたのだ!


「「「出たぁぁぁぁぁ!!??」」」


「トラップの王道来たぁぁぁぁ!! だから言ったでしょうが殿下ぁぁぁぁ!!」


ゴロゴロゴロゴロ……!!


廊下を隙間なく埋め尽くす巨大岩が、猛烈な加速度をつけながら俺たちに向かって転がってくる!

逃げ道のない一本道。このままでは全員プレス機にかけられた煎餅になってしまう!


「くっ、私の大剣で受け止める……!」

グリーンペンギン姿のシルフが大剣を引き抜こうとするが、


「無理ですシルフさん! あの質量の岩を正面から受け止めたら潰れます!」

「任せたまえ! 僕の空間跳躍魔法『テレポート』で全員を後方へ——」

「ルイスのは絶対暴発して岩の進行方向に全員を転移させるから絶対やめろ!!」


押し潰されるまで、あと十メートル!


「きゃはは! アルト、見て見て! すっごく大きなボールよー!」


危機感ゼロのエレノア殿下が、あろうことか巨大岩に向かって楽しそうに駆け出した!


「殿下ぁぁぁぁぁ!? 何やってんスか死にますよ!?」


「ペンギン腹滑り・アタック!!」


エレノア殿下は勢いよく床に腹ばいになると、ペンギン着ぐるみの超滑走性能を生かして、迫り来る巨大岩の『下側のわずかな隙間』に向かってスライディングした!


シュザーーーッ!!


「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」


なんと、廊下の床と巨大岩の丸みの間にできた「ほんの数十センチの隙間」を、モコモコペンギン服で圧縮された殿下がスーッと滑り抜けて行ったのだ!


「ふふん! みんなも早く滑り込みなさい! 案外余裕よ!」

岩の「後ろ側」へすり抜けた殿下が、楽しそうに手を振っている。


「「「真似できるかぁぁぁぁ!!」」」


迫り来る巨大岩! 残り3メートル!


「ぐぬぬ……こうなったら! マルコ! ミミ!」

「おうっ!」

「……ん」


「あの隙間に向かって全員で腹滑りだぁぁぁぁ!!」


俺たちは半ばヤケクソで全員一列になり、床に腹ばいになって巨大岩の足元へ向かって滑り込んだ!


シュザーーーーーッ!!


ゴロゴロゴロ……!!


頭上をかすめる死の重量感! 冷や汗が吹き出し、岩の削れカスが顔に降り注ぐ!

だが——モコモコペンギン服の圧倒的低摩擦のおかげで、俺たちは奇跡的に巨大岩の下を全員で「すり抜ける」ことに成功した!


ドガァァァン!!


巨大岩は俺たちの後ろでピラミッドの壁に激突し、派手な音を立てて砕け散った。


「ハぁ……ハぁ……! た、助かった……死ぬかと思った……」

俺は床に倒れ込み、激しい吐き気と戦いながら胃薬を噛み砕いた。


「ね? 言ったでしょう! ペンギン服があればどんなトラップも怖くないわ!」

エレノア殿下がフンスと胸を張る。


「殿下がスイッチ踏まなければこんな目にあってないんですよ!!」


トラップすら力技(とシュールな腹滑り)で突破した俺たちは、さらなる恐怖が待ち受けるピラミッドの深部へと足を進めるのだった。

第23話をお読みいただきありがとうございました!


古代遺跡のお約束「転がる巨大岩」トラップ!

絶体絶命のピンチでしたが、王女様の思いつき(腹滑りスライディング)とペンギン服の謎の滑走性能によって、間一髪で下をすり抜けることに成功しました(笑)。


次回「第24話:最深部! 秘宝『太陽の涙』と、やっぱりあった【アレ】」をお楽しみに!

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