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退屈した王女と行く秘宝探しの旅……って、私以外まともな奴がいないんですが!?  作者: 凪塩 未来


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第21話:砂漠のオアシスと、怪しい行商人 〜冷たい水と謎の魔法具〜

お読みいただきありがとうございます!


「着ぐるみサウナ状態」と「ルイスの熱湯シャワー」で命の危機に瀕していたアルト一行。

命からがら辿り着いたのは、砂漠のオアシスに作られた賑やかな町『サボテン・オアシス』!

冷たい水で生き返ったポンコツたちですが、そこで怪しすぎる壺を持った行商人に声をかけられて……!?


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サウナ状態のペンギン着ぐるみとルイスの熱湯シャワー攻撃を耐え抜き、俺たちはついに命の恩人というべきオアシスの町『サボテン・オアシス』へと滑り込んだ。


「み、水だぁぁぁぁ!!」


茶色ペンギン姿のマルコが、着ぐるみごと一直線にオアシスの巨大な池へとダイブした!


ドバッシャーン!!


「ぶはぁっ! 生き返るぜぇぇぇ!」

「ちょっとマルコ! 生活用水に飛び込むんじゃない! 町の人に怒られるだろ!」


俺は慌ててマルコの大きなペンギンの羽を引っ張り上げた。

ミミも白ペンギン姿のまま池の縁にしゃがみ込み、「……生き返った」と顔をバシャバシャと洗っている。


「ふぅ……間一髪だったわね。砂漠の試練もなかなか刺激的だったわ!」

ゆでダコ状態から復活したエレノア殿下が、パタパタと扇子で風を送りながら満足そうに頷く。どこが刺激的だ、死にかけたんだぞ。


「……ふむ。我が身に宿る熱量が冷やされ、魔法回路が完璧に整ったよ」

濡れた黒ペンギン服のルイスが、スカした顔で眼鏡のレンズを拭いている。原因のお前が言うな。


「……むぅ、急激に気温が下がってしまったな。少し物足りん」

一人だけ砂漠の熱気を惜しんでいるグリーンペンギンのシルフ。この人の感覚はもう壊れている。


俺たちがペンギンの着ぐるみを着たまま(※結局脱ぐタイミングを失った)オアシスの露店街を歩いていると、すれ違う旅人やアラブ風の住民たちが「なんだあの集団……」「ペンギンのバケモノか……?」「暑さで頭がやられたのか……」と露骨に距離を取っていく。知ってた。


「いらっしゃい、いらっしゃい! そこの奇抜な着ぐるみの旦那方がた!」


怪しいターバンを巻いた、ヒゲ面の行商人が手招きしてきた。

彼の露店には、埃をかぶった古びた『壺』や『ランプ』が所狭しと並べられている。


「ふふふ……お目が高い! この灼熱の砂漠を旅するお前さんたちにぴったりの逸品があるんだよ!」

行商人が不敵な笑みを浮かべ、一個の薄汚れた土壺をバッと掲げた。


「これこそ古代ピラミッドから発掘された伝説の魔法具! 『持つだけで周囲の熱気を爽やかな冷気に変える壺』だ! 今ならなんと、金貨十枚で譲ってやるよ!」


「ほう……熱気を冷気に変える魔法具かい?」

ルイスが興味深そうに眉をひそめる。


「そうさ! これさえあれば、砂漠の旅も快適そのもの! どうだい、買うかい!?」


「買いましょう!!」

エレノア殿下が何の躊躇もなく、即座にズボン(着ぐるみ)のポケットからずっしり重い金貨袋を取り出した。


「ちょっと待ってください殿下!!」

俺は慌ててエレノア殿下の手に割り込んだ。


「どう見てもただの古くさい土壺ですよ!? 詐欺です! 『冷気に変わる』とか言って、ただの壺じゃないですか!」

「何を言うのアルト! 私の王族としての直感が囁いているわ! この壺には『秘められた価値』があるって!」

「殿下の直感は毎回トラブルを引き寄せるだけでしょうが!」


「へへっ、まいどありー!」

俺が止める間もなく、金貨袋をひったくった行商人は、煙のように露店ごとドロンと姿を消してしまった。


「あ、逃げた! ほら見ろ、やっぱり詐欺じゃないですか!!」

俺は頭を抱えた。金貨十枚をドブに捨てるとは……お転婆王女の金銭感覚には胃が痛くなる。


「まあまあ、落ち着きなさいアルト。中身を見てみましょう♪」


エレノア殿下が呑気に笑いながら、買い叩かれた空っぽの土壺をひっくり返して『トントン』と底を叩いた。


すると——。


コロコロコロ……ポトン。


壺の奥から、古びた『黄金の鍵』が一握りほどの大きさで転がり出てきた。


「……ん?」


ルイスが拾い上げ、眼鏡を光らせて表面の古代ルーン文字を注視した。


「……ふむ。『太陽のピラミッド、王の間を開く鍵』……と書いてあるね」


「「「……え?」」」


「あら! やっぱり何か入っていたわね! 大当たりだわ!」

エレノア殿下がパァッと顔を輝かせて拍手する。


「さ、詐欺師の親父すら気づいていなかった、本物のピラミッドの鍵を引き当てやがった……!?」

俺はガクッと膝をついた。


詐欺師に騙されて掴まされたガラクタの壺から、目的地の鍵が出てくるという強運。

この王女様の悪運の強さは、一体どうなっているんだ……!?


「よし! 鍵も手に入ったことだし、目指すは第三の秘宝が眠る『黄金のピラミッド』よ!」

「「「おー!」」」


俺はポケットから本日何度目かわからない胃薬を取り出し、噛み砕きながらピラミッドへの足取りを進めるのであった。

第21話をお読みいただきありがとうございました!


詐欺師に騙されて金貨10枚で買わされた怪しい土壺から、まさかの「本物のピラミッドの鍵」が出てくるというエレノア殿下の凄まじい強運(笑)。

目的のアイテムを手に入れた一行は、ついに第三の秘宝が眠る『黄金のピラミッド』へと向かいます!


次回「第22話:黄金のピラミッド到着! 〜流砂とミミの穴掘り〜」をお楽しみに!

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