第20話:新章開幕! 灼熱の砂漠とサウナ状態のペンギンたち
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新章「灼熱の砂漠編」がスタート!
元・冷徹(重度の寒がり)な守護騎士シルフも加わり、さらなる賑やかさを見せるポンコツご一行。
しかし、極寒の「極北の霊峰」から一転して辿り着いたのは、見渡す限りの大砂漠!
極厚モコモコペンギン着ぐるみを着たまま砂漠へ突入した一行を待ち受けていたのは、案の定の「自家製サウナ状態」で……!?
ジリジリジリ……。
見渡す限りの黄金の砂浜。頭上からは、すべてを焼き尽くさんばかりの凶悪な太陽が光を撒き散らしている。
ここは大陸南方に位置する過酷な死の地——『サンザンド大砂漠』。
そんな灼熱の砂海を、命知らずな(というか何も考えていない)旅人たちの一列が進んでいた。
「……暑い。死ぬ。切実に熱中症で倒れる」
俺——アルトは、脱ぎ捨てたい衝動と戦いながら砂に足を取られていた。
それもそのはずだ。俺たちは今、極北の霊峰で大活躍した『極厚モコモコペンギン着ぐるみ』を着たまま、最高気温五十度を超える大砂漠のど真ん中を歩いているのだから!
「あはは……! アルト、見て! 汗が滝のように出てきて、服の中がまるで『歩く高級サウナ』みたいになっているわ!」
ピンクペンギン姿のエレノア殿下が、ゆでダコのように顔を真っ赤にしながらヘらへらと笑う。
「笑い事じゃありませんよ殿下!! なんで脱がないんですか!? 着ぐるみ脱げばいいでしょうが!!」
「ダメよ! 砂漠の直射日光は肌に毒だって聞くもの! このモコモコペンギン服なら日焼け対策も完璧だわ!」
「ゆで上がる方が先ですよ!!」
「ふ、ふむ……実に興味深いね。服の内部に溜まった大量の汗が、僕の体温によって蒸発し……服全体が蒸し器の構造を完成させている……!」
黒ペンギン姿のルイスが、湿気で完全に真っ白に曇った眼鏡を直しながら、スカした声で意味不明な分析をしている。前見えてないだろお前!
「ぬおおぉぉぉ! 体の中の毒素が抜けていく気がするぜ!! なんだか整ってきたぞぉぉぉ!」
茶色ペンギン姿のマルコが、全身から猛烈な蒸気をモワモワと噴き出しながら筋肉ポーズを決めている。熊の蒸し焼きである。
「……溶ける。ミミ、干物になる……」
白ペンギン姿のミミは、舌をでろーんと垂らして俺の背中に全体重を預けてきていた。
「おい、ミミ! 重い! ていうかお前も熱い!」
そんな混沌の狂気空間の中で、一人だけ異彩を放っている奴がいた。
「……素晴らしい」
グリーンペンギン姿の守護騎士シルフである。
彼女は汗一つかかず、うっとりとした表情で両腕(ペンギンの羽)を広げて太陽を仰いでいた。
「な、なんという暖かさだ……! 冷気一つない、まさに楽園……! 生まれて初めて全身の関節がスムーズに動く感動を味わっているぞ……っ!」
「シルフさん!! あなただけジャンルが違いすぎますよ!! 温かいどころか猛暑ですからね!?」
極度の寒がりであるシルフにとって、この灼熱の砂漠+ペンギン着ぐるみの組み合わせは、まさに「至高の天国」らしく、他のメンバーがサウナ状態で虫の息になる中、一人だけ絶好調であった。
「はぁ……はぁ……。ルイス、お前の暴発魔法で……何か冷たい風とか出せないのか……?」
俺が限界を迎えて尋ねる。
「ふっ……任せたまえアルト君! 極冷気魔法『ブリザード・ブレス』!」
ルイスが杖を掲げた。
——ぼふん。
ルイスの杖から出たのは、冷気ではなく『猛烈な熱湯(熱湯風呂並み)』のシャワーだった。
「「「アッツゥゥゥゥゥ!!??」」」
「サウナの後に熱湯かけるバカがあるかぁぁぁぁ!!」
俺の悲鳴が、灼熱の大砂漠にどこまでも虚しく響き渡るのであった。
第20話をお読みいただきありがとうございました!
新章「灼熱の砂漠編」が開幕!
極北の地の装備(ペンギン着ぐるみ)のまま砂漠へ突入した結果、パーティー全員が「自家製サウナ状態」で全滅の危機に!
(※シルフだけは一人で最高潮に調子が良い模様)
次回「第21話:砂漠のオアシスと、怪しい行商人 〜冷たい水と謎の魔法具〜」をお楽しみに!




