第19話:守護騎士シルフの決意 〜ペンギンを脱がない理由〜
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「エアコン強設定放置」というまさかの理由で荒れ狂っていた極北の霊峰騒動も無事に解決!
秘宝『氷結の心臓』を無事にゲットしたアルト一行ですが、役目を終えた守護騎士シルフとの別れの時がやってきて……?
シルフが下した「ある重大な決断」とは!?
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秘宝『氷結の心臓』のダイヤルを『弱』に合わせたことで、霊峰を包んでいた狂暴な吹雪はすっかり収まり、透き通るような快晴の空が広がっていた。
俺たちは山頂の『氷の宮殿』をあとにし、登山口の町スノーヴェイルへと戻ってきていた。
「いやあ、一時はどうなるかと思ったけど、無事に二つ目の秘宝も手に入って良かったわね!」
ピンクペンギン姿のエレノア殿下が、手に入れた青い球体をぽんぽんと手まりのように弾ませながらご機嫌に笑う。
「落とさないでくださいね殿下! それ一応、世界を揺るがす古代の秘宝なんですから!」
「大丈夫よ〜、万が一落として割れたらルイスの暴発魔法で接着すればいいし!」
「殿下、僕の魔法は接着剤ではありませんよ!?(まあ万能ですが)」
相変わらずのやり取りに俺が深々と溜め息をついていると、背後からカツンと重厚な靴音が響いた。
「……アルト殿、エレノア殿」
振り返ると、そこにはグリーンペンギン姿の守護騎士シルフが立っていた。
フードの隙間から覗く凛とした蒼い瞳。だが、その首から下は相変わらずモコモコの緑色ペンギンである。
「シルフさん。いろいろとお世話になりました。霊峰の気候も元通りになりましたし、俺たちは次の秘宝を探して別の国へ向かおうと思います」
「うむ……貴公らには感謝している。長年、霊峰を脅かしていた原因(設定ミス)を突き止め、解決してくれたのだからな」
シルフはそう言うと、胸に手を当てて深く一礼した。
「つきましては……一つ、提案……いや、折り入ってお願いがある」
「お願い、ですか?」
俺が首をかしげると、シルフは意を決したようにバッと顔を上げた。
「私も、貴公らの秘宝探しの旅に同行させてはもらえないだろうか!」
「「「えぇっ!?」」」
まさかの申し出に俺とルイス、そしてマルコが声を揃えて驚いた。
「シルフさん、あなたは霊峰を守る守護騎士でしょう? そんな簡単に持ち場を離れてしまっていいんですか?」
「問題ない。霊峰の冷気が安定した今、ここには平和が戻った。それに……私の真の目的は、世界各地に眠るという古代遺跡の調査と、己の武者修行なのだ」
シルフはキリッとした表情で大剣の柄に手を置いた。
「そして何より……この『ペンギンアーマー(保温性抜群)』の性能を、さらに過酷な地で検証せねばならん!」
「絶対それ脱ぎたくないだけでしょ!!」
即座にツッコミを入れる俺。
そう、一度この究極のモコモコ防寒着の温もりを知ってしまった重度の寒がりシルフは、もはや着ぐるみを脱いで生身で外を歩くことができない体になっていたのだ!
「良いじゃない! 大歓迎よシルフ!」
エレノア殿下がパッと表情を輝かせ、シルフの手(ペンギンの羽)をぎゅっと握りしめた。
「頼もしい仲間が増えて嬉しいわ! これで私たちの『カラフルペンギン戦隊』も六人体制ね!」
「……戦隊っていつの間にそんな名前になったんですか」
「ふ……感謝する、エレノア殿。このシルフ・フロストビート、グリーンペンギンとして……いや、騎士として、全力で貴公らをお守りしよう!」
真面目な顔でペンギンポーズを決めるシルフ。
白ペンギンのミミが「仲間増えた。おやつ増やす」とマイペースに頷き、茶色ペンギンのマルコが「よろしくな、緑の奴!」と太い腕を差し出す。
こうして、ポンコツパーティーに「元・冷徹(現・重度の寒がりペンギン)な守護騎士」という新たな濃すぎる仲間が加わったのだった。
「よし! 次の目的地は、噂に聞く『灼熱の砂漠王国』よ! 第三の秘宝を探しに行くわよー!」
「「「おー!」」」
(……待て。極寒の霊峰の次は、灼熱の砂漠……!?)
俺は全員が着ている「モコモコペンギン服」を見回し、嫌な予感しかしない未来にそっと胃薬の箱を取り出すのだった。
第19話をお読みいただきありがとうございました!
まさかの守護騎士シルフが正式加入!(※ペンギン着ぐるみは脱がない模様)
着ぐるみを脱げなくなった元・冷徹騎士を加え、カラフルペンギン隊は次なる舞台「灼熱の砂漠」へと向かいます!
このモコモコ服で砂漠に行って大丈夫なのか……!?
次回「第20話:新章開幕! 灼熱の砂漠とサウナ状態のペンギンたち」をお楽しみに!
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