第15話:極北の霊峰・登山開始! 〜ペンギン隊が行く〜
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重度の寒がり守護騎士「シルフ」が(グリーンペンギン姿で)パーティーに加入し、一行はいよいよ「極北の霊峰」の登山へと乗り出します!
カラフルなペンギン着ぐるみ集団と化したポンコツご一行。危険な霊峰で彼らを待ち受けるのは、試練の数々と……相変わらず噛み合わない奇跡のチームワークで……!?
翌朝。
昨日までの猛吹雪が少し収まり、眩しい太陽の光が銀世界を照らしていた。
俺たちは「スノーヴェイル」の町を出外れ、極北の霊峰の登山口へと集結していた。
そこに並ぶのは、色鮮やかな六体の「ペンギン」たちである。
・イエローペンギン:アルト(胃薬常備の苦労人)
・ピンクペンギン:エレノア殿下(テンションMAXの超お転婆王女)
・白ペンギン:ミミ(マイペースな猫耳少女)
・黒ペンギン:ルイス(暴発専門のスカした魔導士)
・茶色ペンギン:マルコ(ただの服を着た熊)
・グリーンペンギン:シルフ(霊峰の守護騎士・重度の寒がり)
「うむ! ペンギン隊、出発進行よー!」
エレノア殿下がフンスと胸を張り、青空に向かって手を掲げた。
「「「おー!」」」
マルコとミミ、そしてなぜかグリーンペンギンのシルフまでが真顔で挙手している。
「シルフさん、あなたプライドとか威厳とかどうしたんですか!?」
「背に腹は代えられん。この『ペンギンアーマー』なしで霊峰に入れば、三分で私の生命活動が停止する」
シルフが背中に巨大な大剣を背負い直しながら、真面目くさった顔で言い切った。くちばし付きのフードから覗く瞳だけが無駄にキリッとしている。
「誇りより保温性を取ったんですね……まあ、凍死されるよりはマシですけど……」
俺は大きな溜め息をつき、ペンギンのドラえもん風ポケットから胃薬を取り出して一粒噛み砕いた。
キュッ、キュッ、キュッ……。
雪を踏みしめるシュールな羽音が響く中、俺たちは霊峰の登山道を突き進んでいく。
登るにつれて道は急勾配となり、木々は姿を消して巨大な氷柱が建ち並ぶ険しい景色へと変わっていった。冷たい風が叩きつけてくるが、驚異的な保温性を誇るモコモコペンギン服のおかげで、寒さ自体はまったく問題なかった。悔しいが完璧な防寒具である。
「シルフさん、秘宝『氷結の心臓』が眠る場所の心当たりはあるんですか?」
「ああ。山頂付近にそびえる『氷の宮殿』だ。あそこは古代の魔導冷気が満ちる聖域。だが……あそこへ至るには、難所である『試練の氷橋』を渡らねばならん」
「試練の氷橋……?」
「そうだ。谷底が見えぬ断崖絶壁に架かる氷の橋でな。伝説によれば、一度に一人しか渡れず、心にほんの少しでも邪念や迷いがある者は、激しい試練の風によって谷底へ叩き落されると言われている」
シルフの説明を聞きながら、俺はチラリと隣の仲間たちを見やった。
・ルイス:邪念(自己承認欲求)の塊
・マルコ:頭の中は筋肉と今日の晩飯(鮭)だけ
・ミミ:食欲と睡眠欲の化身
・エレノア殿下:退屈しのぎという最大の邪念で国を飛び出した元凶
「……絶対に全員谷底に叩き落される未来しか見えないんですが」
「失礼な! 僕の心は清らかな水晶そのものだよ! 邪念など微塵もない!」
「俺の頭の中は鮭のムニエルのことでいっぱいだぜ!」
「ほら見たことか!!」
俺のツッコミが木霊する中、前方の視界が急に開けた。
「……着いたぞ。あれが『試練の氷橋』だ」
シルフが足を止めた先には、底も見えない深遠な谷と、そこにぽつんと渡された、透き通った極細の『氷の橋』が待ち受けていた——。
第15話をお読みいただきありがとうございました!
ペンギン隊を結成(?)し、ついに極北の霊峰へと足を踏み入れたアルトたち。
寒がり守護騎士シルフの案内で順調に進むものの、目の前に立ちはだかったのは伝説の「試練の氷橋」!
邪念だらけ(?)のポンコツ一行は、無事にこの橋を渡ることができるのか!?
次回「第16話:試練の氷橋 〜滑る! 転ぶ! 崩れ落ちる!〜」をお楽しみに!
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