第13話:極寒の宿場町スノーヴェイル 〜氷点下の街で温かいスープを〜
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新章「極北の霊峰編」が本格スタート!
全員謎の「ペンギン着ぐるみ(色違い)」に身を包んだ怪しすぎる一行は、吹雪を抜けてついに登山口の宿場町『スノーヴェイル』へと到着します。
寒さで限界を迎えるアルトたちを待っていたのは、温かい名物スープ……と、なにやら不穏でシリアスな視線を向けてくる「美しき女騎士」で……!?
腹筋崩壊間違いなしのポンコツ大冒険、ぜひ最後までお楽しみください!
『退屈した王女と行く秘宝探しの旅。……って、私以外まともな奴がいないんですが!?』
第13話:極寒の宿場町スノーヴェイル 〜氷点下の街で温かいスープを〜
サザンポートから北上すること数日。
緑豊かな街道は一変し、見渡す限りの銀世界が広がっていた。
「さっむ……!! いや、ペンギン服を着ててこれかよ!?」
吹き荒れる吹雪の中、俺——アルトはイエローペンギン(着ぐるみ)のフードを深々とかぶり直した。
俺たちが辿り着いたのは、極北の霊峰の登山口に位置する宿場町『スノーヴェイル』。家々の屋根には分厚い雪が積もり、煙突から上がる煙が冬の訪れを告げている。
「あら、温かいじゃない♪ このモコモコペンギン服、完璧だわ!」
ピンクペンギン姿のエレノア殿下がご満悦でポーズを決める。
「……アルト。お腹空いた」
白ペンギン姿のミミが、寒さで鼻を真っ赤にしながら俺の裾を引っ張った。
「そうだな、まずは宿の確保と温かい飯だ」
俺たちは町で一番大きな酒場兼宿屋『氷髭の亭』に駆け込んだ。
扉を開けると、暖炉の温も気と美味しそうなシチューの香りが俺たちを迎えてくれた。
「いらっしゃい! おお……なんだいお客さん方、その奇妙な格好は……?」
髭もじゃの店主が目を丸くする。
「気にしないでくれ親父さん。この服には触れないでおいてくれ……。それより、温かいシチューとパンを5人分頼む」
「あいよ! 名物『特製名物トナカイシチュー』お待ち!」
運ばれてきたのは、濃厚なミルクベースのスープにゴロゴロとした肉と野菜が入ったアツアツのシチューだ。
「おいしい……! 体が芯から温まるわ!」
エレノア殿下がほっぺたを落とす勢いで平らげていく。
「ふむ……寒冷地特有の香辛料が効いているね。代謝が上がり魔法回路の循環も良くなりそうだ」
黒ペンギンのルイスがスカした顔でスープを飲む。
「美味い! 酒だ! ホットラム酒を持ってこい!」
茶色ペンギンのマルコが豪快にスープを飲み干す。
そんな平和な食事の最中、酒場の隅に座っていた『銀髪の女騎士』が、じっとこちらを見つめていることに俺は気づいた。
「……ん? なんだあの人……」
氷のような蒼い瞳、背中には背丈ほどもある大剣。全身から「ただ者ではない」威圧感を漂わせている美しい騎士だ。
その女騎士が、静かに立ち上がり、俺たちのテーブルへと歩み寄ってきた。
「……貴公たち、見慣れない姿だな」
冷徹な声が響く。
「……あ、どうも。旅の者です」
「その身なり……ペンギンの意匠を施した不審な防寒具。怪しすぎる。……もしや、霊峰を荒らす賊の類か?」
鞘から大剣がシャキンと数センチ引き抜かれた!
「ち、違います!! ただの秘宝を探しに来た……じゃなくて、観光客です!!」
「秘宝……だと? やはり霊峰の『氷結の心臓』を狙う不法侵入者か!」
(余計なこと言ったぁぁぁぁ!!)
第二の秘宝の名を口にした女騎士。
極北の霊峰での冒険は、到着早々、超エンカウントのピンチから始まるのだった!
第13話をお読みいただきありがとうございました!
無事に宿場町へと到着し、温かいシチューに舌鼓を打っていたアルトたちですが、怪しすぎるペンギン姿のせいで速攻で「不審者(霊峰を荒らす賊)」と間違えられてしまいました!
しかも現れたのは、ただ者ではない雰囲気を纏った冷徹な守護騎士。
次回「第14話:氷の女騎士シルフ登場 〜その威圧感、実は重度の寒がり?〜」をお楽しみに!
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