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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅳ 第四詩集『蟻と土』     1997年刊
73/133

その9 死者の時間

死者とはもう会えない


生きている者は

死者と過ごした時間を

思い起こすことしかできない


死者の時間は

思い出の中に埋まっている


もうその時から

さまざまな事が起こってしまって

死者はそれらの事柄の堆積の彼方に

遠のいてしまって

すっかり取り残されてしまって


だから    

死者と共に過ごしていた自分も

とても昔の自分のようで

今浮かんだ思いなど

その頃の自分が

抱いたはずもないように思えて

だから死者にそんなことを

語ったことがあるだろうかと思えて


もし語っていたのなら

そんな時間を共有していたのなら

なおさらに(かな)しく


死という断絶が納得しがたくて


もう一度会いたく

手を握りたく

          (父の三回忌に)




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