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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊
129/133

その31 屁

罵られる

八十を過ぎた男が

()をしたことで

デモノハレモノトコロキラワズ

と男は嘯くが

妻と娘は許さない

さっちが人の前でするが

臭い匂い嗅がせて

腹が立つっちゃ!

罵られる

八十を過ぎた男が

人の物を勝手に捨てることで

ひとが大事に取っとるもんを

何で捨てるんかね!

何回言われたらわかるんか!

あんたはひどい人や

セイリセイトン イランモノガオオスギル

何が整理整頓か

いるかいらんか、あんたには分からんものやろ!

なし訊かんかね!

最低や! あんたみたいな人間は!

罵られる

八十を過ぎた男が

台所をうろうろすることで

男が金束子で洗った鍋は

傷がついたうえに汚れは落ちていない

頼むからいらんことせんどって

男が台所をうろうろしなさんな!

罵られる

八十を過ぎた男が

小言を言うことで

男のくせに小さいことを言いなさんな!

ほんとにあんたは嫌らしいっちゃ

いつもひとを監視しよるやろ

罵られる

八十を過ぎた男が

人の話に口を挟むことで

男のくせによくしゃべるが

あんたは()()()やからね

わけも分からんのに

人の話に口を突っ込みなさんな

なしそうあるかね、あんたは

旧陸軍中尉として白馬に跨り

故郷に錦を飾った男

率先垂範して

捕虜二人の首を斬った男

大食いでまだ元気のいい男だが

罵られる

女二人に

爪先から脳天まで

罵り上げられて

口のなかでぶつぶつ


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