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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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その30 ブロイラー

十分で終ってしまうのだ       

楽しみの一つだし

健康のためにも大事だから

よく噛んで

ゆっくり味わおう

とは思うのだが

とっとトットと

まるでブロイラー *


何が急かせるのか

口に入れ

あっという間に

嚥下する

その速さを

抑えられない


たまに  

同僚と話しながら食べても

十五分を越えないのだ


口を拭って

彼はもう仕事に復帰だ


これは食事ではなく 

給餌

作業機械への燃料補給

と自嘲しても


足許が寒いのは

戸の開いた食堂の裏口から

吹きこむ風のせいか


  *食肉用に肥育される若鶏


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