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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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127/133

その29 食ふべき詩

詩人のヤワな神経で       

サラリーマンが勤まるのか

けっこう埃っぽく

剥きだしでもある

小市民の俸給生活


仕事でミスをして

他人の嘲りを受けるとき

俺は詩人なのだからと

己を慰めたこともある


こんな粗塩(あらじお)のうえを

裸で転げまわるようなことが

傷口だらけの体にできるか

薪をブチ割るような仕事を

なぜカミソリにさせるのか

奴らはそれしかすることもあるまいが   

俺の本業は他にある

この仕事は食うために

やむを得ずしているのだ 

と


そうして我慢して

働き続けていると

ふと不安になるのだ

サラリーマンを長くやると

詩人の感性を失うのではないか

いや、もう失いかけているから

サラリーマンが続けられるのでは


「食(くら)ふべき詩」と

啄木は喝破したのだが






  


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