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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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125/133

その27 指笛   落着く

   指笛


指笛を覚えたいのだ

人をほめるのに

これほど端的で

鮮烈で

心に徹る

やりかたはない


表現を終えて

息を荒くしている者に

場内の響(ど)動(よ)めきを貫いて

賞讃と感謝をつたえる

鋭い鷹の叫び


指笛を発した者の

晴れやかな笑顔は

反射してきた賞讃が

彼をも包んでいるのだ




   落着く


落着くとは

テレビを見ることだと

いつ頃から

思いこまされたか

腰を下ろすと

手は自然に

リモコンのスイッチを押す


画面に見入っていれば

何も考えなくてすむ

それがリラックスだから


落着くとは

自分を忘れることなのか

そのために

テレビはあんなに

面白おかしいのか      


スイッチを切ると

ブラウン管に映る

己の姿

眺めておれば

浮かび上がる

その面白おかしさに           

顔を顰める


それをしも

落着くとは言う








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