前へ目次 次へ PR 118/133 その20 定年考 あと十二年で 定年 と思ってみる 賃金奴隷としての 服役の終了 目覚めてから 眠るまで 思うがままに過ごせる日々 人間への復帰だ! しかし 悲しいことに 不幸なことに その時俺は六十だ 体力はあるだろうか 気力は萎えてはいまいか 長年の奴隷暮らしが しみこませる奴隷根性 他から縛られないと 日々の過ごしようがない 木偶(でく)になり終ってはいまいか 人間であることを 忘れぬために ひそやかでも 語り続けよう 群れではないひとりの人間を 奴隷がいなくなる日を