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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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118/133

その20 定年考

あと十二年で

定年

と思ってみる


賃金奴隷としての

服役の終了

目覚めてから

眠るまで

思うがままに過ごせる日々

人間への復帰だ!

           

しかし

悲しいことに

不幸なことに

その時俺は六十だ

体力はあるだろうか

気力は萎えてはいまいか


長年の奴隷暮らしが

しみこませる奴隷根性

他から縛られないと

日々の過ごしようがない

木偶(でく)になり終ってはいまいか


人間であることを

忘れぬために

ひそやかでも

語り続けよう

群れではないひとりの人間を

奴隷がいなくなる日を


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