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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅴ 第五詩集『おれの場所』   2007年刊

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119/133

その21 響く

年をとるほど

悲苦は

深まるものらしい


この世になれて

免疫もできて

大概のことは

こたえなくなる

と言うのならいいのだが


己の立つ土壌

陽の射し加減

摂(と)りこむ水や

栄養分の質と量

幹の傾き

これからの伸び具合    

など

次第に見えてきて


他人(ひと)様の立ち様なども

あぶり出しのように

浮かびあがり


人それぞれの生きざま

ということが

己も含めて

腸(はらわた)にしみわたるころから


悲しみが

しくしくと湧き出し

くくくと

痛みにも変わるようだ


もはや抜き差しならぬ 

組み手の相方

屋台骨のどこを叩かれても

逃げようもなく伝わり響き

ちりりと

魂(たま)の緒を震わす槌音



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