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その14 個の時代 箱
個の時代
問題はいきなり
個にくる
周縁の関係は
ばっさり
資本が切取ってしまった
あなただよ あなた
選択するのは
その結果もあなたのものだ
他人のせいにはできないよ
もっとも
昔から
責任だけはとらされてきた
選んだ覚えもないことまで
だから
いい時代だと思わないか
問題は初めからはっきり
「あなた」に提起されている
箱
二人掛けの座席
隣に座っている乗客が
押しのけるように肩を動かす
確かに彼が先に座っていたのだ
他に適当な席もなく
隣に腰を下ろしたのだが
何でわざわざここに
という気持かも知れぬ
民衆とか協同とかいう観念も
こうなると胸から一時飛び立ち
とにかく隣のこいつが
現実なのだ
職場に着いても
この関係の延長が
あるだけではないか
狭い箱に押し込められて
互いに牽制し合っている
その箱をつくった者は
いつも見えない
見えるのは
箱の中の顔ばかり
箱の天井から
顔のない声が落ちてくる
〈この箱はもう古くなった
新しい箱はこれだ〉
箱の中の
呻きや嘆きなどかき消して
その声ばかりがよく響く




