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ひねくれ少女ネトゲに入り浸る~強いってだけじゃ駄目なんですか?~  作者: せいゆ


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(さて、この村の気配関連か、あるいはまた別か)


 この村に複数の特殊な気配を感じ取っていた。


「できる限りの事はしますが、絶対的な保証は致しません」


「お願いします」


 解決後の報酬の話をしたかったんのだが、その話は心の中に止め、ミナモは詳細を訪ねることにした。


「ではまず、行方知れずの子供たちの人数、それと関係、後は家を教えてほしいですね」


「分かりました、できるだけお教えします」


 店主の話を纏めると、行方知れずの子供たちの人数は8人、男6女2、年齢はまばらだが歳の差は上下4歳程度。

 男の子達は仲は良好で日頃遊びまわっている、女子は女子で遊ぶことが多かった。


「全員眠ったのを確認したらしいが、その後突然居なくなったようだ」


「この村に他に子供は?」


「まだ居ますが、比較的に仲の良い子供達が……」


「う~ん、子供心からくる家出とか、肝試し? どちらにしろ情報が無いからその行方不明の子たちの家に行かないとダメか」


 得られる情報が無いため、店主を引き連れて聞き込みに向かった。

 手始めに男子達のリーダー、その家へと向かう。

 家は村の中でも至って普通であり、大金のある家といった様子ではない。


(金目的の誘拐、ってわけじゃなさそう。

 奴隷とかにする為? う~ん、まだまだ分からないな)


 家のドアをノックすると慌てた様子で30代ほどの女性が飛び出てくる。店主と知ると肩を落とした。


「あ、あの子は……」


「奥さん、しっかり、まだ見つかっていませんが、こちらの冒険者さんが力を貸してくれます」


 店主は落ち込む男の子の母親を励まし、ゆっくりと家の中へと入っていく。


「まずはじめに、お子さんは何か隠し事をしていませんでしたか? こそこそと何かをしていたり、そんな様子とか」


 母親は必死に思い出そうとするが、慌てている為、一月の記憶をうまく引き出せない。


「大丈夫です、ゆっくりと一つ一つ思い出していきましょう」


 焦らせることなくじっと待ち続ける。

 しっかりとした様子のミナモを見て、次第に落ち着きを取り戻していき、ミナモへとぽつりぽつりと話し始めた。

 些細な事でも小さな事でも伝え。そんな話のさなか、ミナモがとても興味をそそる内容を聞く。


「そうだ、天使の羽を見つけたと」


「天使の、羽」


「そうです、白くて宝石みたいな羽だと」


「その羽は?」


「えっと、確か、あ、そうだ、それも隠しておくと、内緒だから誰にも言わないでくれって」


「ふむぅ」


 天使の羽と聞いて、いち早く思い浮かんだのは一つだけ。

 そして関連した確信的なデータをミナモは持っている。


(普通の誘拐じゃなくて、アレ関係か?

 ただのミスリードの可能性もあるけど……)


 ある程度の情報を仕入れたが、当人たちにしか真実は分からず、どれもこれも確定的な情報ではない。

 まだ拾いきれていない情報を得るためにさらに尋ねる。


「この家、もしくは物置で子供が物を隠す場所ってありますか?」


「物を隠す? 一応は」


「少しそこを探したいのですが」


「わ、分かりました、息子が見つかるなら」


 ミナモはさらに情報を得る為に子供がよく出入りする部屋へ向かう。

 ベッドの下や子供が仕舞うおもちゃ箱を探すが得られるものは無い。


「と、なると」


 ミナモは少しだけ足をまげて、視線の高さに手を置く。


「どうしたんですか?」


「子供の視線になって見てるだけ……、あ」


 周囲を見渡してみると、タンスと小物入れの間に隙間があるのを見つける。

 その隙間は子供の手がギリギリ入る。隙間には埃がなく綺麗になっていた。


「ここか」


 隙間に差し入れたミナモの手に、紙らしき感触を得る、それを指と指の間で挟み取り出す。


「……地図?」


 子供の落書きなのだが、家の様な形と大きな木など地図の様なものが書かれていた。

 大きな木の近くにバツ印が記されていた。


「これは?」


 母親は地図の様なものを知らないようだ。


「これはこの家で、この木は?」


「多分東の森にある大木じゃないか、あそこは子供の遊び場になっているからな」


「このバツ印は?」


 店主が代わりに答えたが、バツ印だけは首を横に振り答える。


(片っ端から調べるしかないかな)


 さらに情報を仕入れるために他の子供たちの家へ向かうことにした。


 子供達の情報を仕入れ、不審者など些細なことを聞きまわったが、どれも決め手に欠ける情報ばかりであった。

 そんな中でミナモがピックアップした情報はいくつかある。


(3~4月前に普段は聞かないモンスターの咆哮)


 聞きなれないモンスターの咆哮については少し時間が経過している。

 村人はしばらく警戒していたが、変わったモンスターの目撃すらなく、記憶の片隅へと押しやっていた。

 さらにプレイヤーが引き連れた従魔の可能性もある為、あまり有益な情報ではない。


(他は聞いた通りに天使の羽、子供たちの秘密基地、それと宝の地図、これくらいか)


 リーダー格の男子の家にあった地図は、秘密基地と見つけた物を隠す場所という可能性が高い。

 子供たちはその場所で、手がかりを残しているのではないかと推測する。


(その秘密基地っていうのも、探してる可能性はあるから、期待はできないけど。まあ行かないよりはいいか)


 一つでも情報を仕入れるために、秘密基地がある場所へと向かった。

 夜は星の光以外の光源はなくとても暗いが、ミナモにはアウトセンスがある為、暗闇などものともせず周囲の状況が把握できる。


「やっぱり居ないよね」


 案の定子供たちは居ない。大木の袂に木材で作られたテントらしき物が設置されていた。

 中には子供たちが作った道具や遊び道具などが保管され、荒らされた様子はない。

 目印となるその樹木に子供たちが隠したであろう宝を探し始める。


「これか?」


 そして子供達のお宝の場所を発見する。

 ただし大っぴらに掘り返された跡が残っていた。


「この掘り返され方は子供がやったって感じじゃないな……」


 掘り返された跡は広範囲、掘り起こした深さも80センチほどと深い。

 大人によるものの可能性が高い。


「ふ~む、一度戻るか」


 これ以上情報を得ることができないと判断し、ミナモは来た道を引き返して宿に戻る。


「あ、姫ぇ」


「姫?」


 出迎えたのは店主ではなく、プリスターであった。


「話は聞きましたよ、私も子供たちを探すのを手伝います」


「お、おう」


 一先ず姫の事は隅に追いやり、ミナモは店主の元へと向かい子供たちの秘密基地について話した。


「で、そこ等辺を掘り返した大人とか居ない? しかも土の乾きから半日くらい、夕方から夜にかけてかな」


 土は少し乾いていたが、掘り起こされてからあまり時間が経過していない。

 昼頃掘り起こされているならば、日陰の場所とは言え乾いていてもおかしくはなく、時間経過的に夕方頃とミナモは推測する。


「どうして夕方だと分かるんですか?」


 プリスターが不思議そうにしているが、ミナモは一言。


「感」


「ええ?」


「経験則からくる感だから間違いないよ、そういうゲームがあったんだ」


「へぇぇ」


「それはいいとして、誰かいないの?」


「そんな話は聞いてないが、一応聞いてみるが出払っている。情報を集めるのは少し時間がかかるが、こちらで集めてみよう」


「頼みますね」


 ミナモは近くの壁にもたれ掛かり、頭を軽く指でつつきながら何かを考え始める。

 プリスターは見守っていたが、ミナモは動くことは無く、居てもたってもいられず、そわそわとし始めた。


「私、探しに行ってきます!」


「任せるよ、私は少し気になる事があるからそれを調べる」


「任されました!」


 プリスターは外へと飛び出して子供たちを探しに向かっていった。

 ミナモは宿で働くもう一人の男へ尋ねる。


「私達以外に外から来た人たちを最近知らない?」


「お前たち以外で? ここの村はあまり人が来ないからな。

 あ、そう言えば三日前くらいに仕入れた物を商人達が持ってきてたか」


「ふ~む、商人かぁ、……雑貨屋って何時からです?」


「こんな事が起きてるから店を開けているはずだ」


「じゃあそちらに行ってみます」


 雑貨屋へ向かうと、来た時に見かけた店員は居ない、代わりにガタイのいい男が店番をしていた。


「すみません」


「いらっしゃい、見ない顔だね、冒険者か?」


「ええ、今は子供を探す依頼を受けております、それで少しお聞きしたいことがありまして」


 聞きたい情報は二つ。


「ここに来た商人について、それとその商人が何か言っていませんでしたか? 些細な事でもいいです」


「商人? ……そう言えば何時も来る街から来た商人じゃなかったな」


「何時も違ったんですか?」


「商会は同じだが、普段この村に買い付け売り付けに来る奴じゃなかった、何時もの奴は忙しいとかで代わりに来てただけだ」


「ふむぅ」


「ああ、そうそう、後は最近街は他国との交流が多いから忙しいとかって話だったか。

 そういう賑わいをこっちにも欲しいくらいだ」


「他国との交流ねぇ」


 現状に光指す情報はない。


「……夕方ごろに居た店番の人は?」


「ん? 妻か? 今は外で子供を探してると思うが」


「そうですか」


 ミナモの眉間に皺が寄る。


「他になにか情報はないですか?」


「他は、……ないなぁ」


「そうですか」


 こうなると何か情報を見逃しているか、これ以上の情報は無く自力での捜索するしかない。

 頭を下げて去ろうとしたとき、店主が呼び止める。


「ああ、何でも情報が良いっていうならもう一つあるぞ」


「もう一つ?」


「この村に来る途中で真っ白い翼を生やした人間を見たって、そんな種族もいるんだなと」


「う~ん、その情報かぁ」


 ミナモのこの事件への興味が失せていく。

 推測通りなら本当につまらない話になるからだ。


(『アレ』関連はブラフかと思ったけど、…面倒だなぁ)


 アレ、それは『天使』の話であった。


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